ルパンの消息 (カッパノベルス)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334076108

感想・レビュー・書評

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  • 作家デビューの原点とご本人が言う作品。確かに粗っぽいけど確かに熱いね♪ それでも面白かった。刊行されることなかったが15年後に遂に刊行された作品だとのこと。
    本日0時で時効となる15年前の事案が実は自殺でなく殺人だったとのたれ込みに端を発して刻々と過ぎる時間を睨みながらの捜査が進捗して行く。事実の裏側にはさまざまな人生模様や環境が絡んでいた!更に3億円事件まで登場してきてのっぴきならない絡みが明らかになって行くのでした。

  • 昭和50年12月に刑事上の時効となった東京府中の「三億円事件」は、民事における損害賠償請求の時効まで20年を待たなければなりませんでした。本作『ルパンの消息』の発端となる自殺から殺人へと変貌した時効直前の事件は、先の「三億円事件」とリンクした展開に意表を突かれ、スリリングでトリッキ-な仕掛けが愉しめる【横山秀夫】の作家デビュ-前の作品です。高度経済成長が陰りはじめた「昭和」の世情を背景に、刑事と被疑者の心情を細やかに描いた犯罪ドラマです。

  • この作品は横山氏がデビューする前の幻の処女作として、2005年に発刊されたものです。
    多数の登場人物が読み手の推理、想像を掻きたててくれる作品でした

  • モンキーパンチへのオマージュだね
    中盤で横山秀夫っぽくないなあと思ったら処女作だったのね、粗削りって感じで面白かった

  • とっても楽しめました!
    どうなるんだろうと、気になってページをめくる手を止められなく、一気に読んでしまいました。

    自分よりも少し上の世代のものですが、懐かしいような昭和の時代のにおいを感じましたし、「64」のにおいも感じられました。

    人間の持つ、純粋な部分や歪んだ部分を哀しいまでに表現している、そんな気がしました。
    橘君のシーンには涙

  • 15年後に、突然、ある先生の自殺が実は他殺だったということから始まります。
    迫る時効の中で、当時高校生だった3人の人物を集めます。
    高校生活で、一緒になってあることを計画し、実行した仲間だったのに、3人のその後の人生がこんなにも違うものになるのかと、驚きます。

  • 『15年前の女教師の自殺は他殺の疑い濃厚、犯人は教え子の男子生徒3人』時効まであと24時間。刑事たちはあの手この手を使ってなんとか事件を解決しようと躍起になる。容疑者対刑事、刑事対刑事、刑事たちの人間模様も面白かった。さらに昭和の大事件3億円事件まで絡んでくる。
    舞子先生を殺したのは誰か?事件当夜窓から逃げたのは誰か?3億円事件の犯人は誰か?今になって有力情報を流したのは誰か?
    横山作品、読みやすかった。

  • 図書館から借りてきた本。
    15年前に自殺として処理された女教師の墜落死が、殺人事件であるというタレコミがあった。しかも犯人は3人の教え子だという…。時効まで24時間。
    不良高校生らが遊び半分で企んだテスト奪取作戦は、ある大事件に繋がりをみせてゆく。

    一つの事柄が解決すると、また一つ疑問が残り…といった具合で、先が読みたくて読みたくて仕方がなくなるそんな作品でした。
    少々都合がいいとこもあるような気がするけど、これが改稿があるとはいえ処女作であるというのがすごい。
    横山作品の常として人物の心情描写が秀逸。

  • さすがにサスペンス大賞をとっているだけの作品である。ストーリーの面白さにずんずん引きこまれる。同時に場面々の情景描写の巧みさ。がっちりとした骨組みの中に緻密に計算された展開。社会的な大事件との関連を持ってきた部分については、読者の感想がわかれるかもしれない。一般的な推理小説とは一味もふた味もちがった面白さがあった。

  • いや〜、著者のデビュー前の処女作だと聞いていたので、正直あまり期待していなかったんだけど、いい意味で大きく期待を裏切ってくれました。めっちゃ面白かったです。時効まであと1日という設定で始まって、どうなることやらと思っていたら、あれよあれよと引き込まれて一気に読んでしまいました。真相が二転三転して、3億円事件まで絡んできたり、相馬の自殺の真相にびっくりしたりと、とにかく楽しめました。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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