パラドックス学園 開かれた密室 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 122
感想 : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334076252

感想・レビュー・書評

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  • パラドックス学園パラレル研究会、通称パラパラ研。
    所属している部員は、ドイルにルブラン、カーにクリスティー。
    新入部員のワンダは、彼らが著名なミステリ作家であることを知っている。
    しかし、彼らは大学生で、ミステリ小説など読んだことがないと言う。
    ワンダは、パラレルワールドに入り込んでしまったのか?



    読んでみて「何だ、こりゃ。つまらん」という小説は多い。
    しかし、最初から「これはつまらないに決まっている」とわかっていながら読むというのはあまりないことだと思う。
    だが、この本は「つまらないに決まっている」と思いながら読んだ。
    前作にあたる「ミステリアス学園」がとてつもなくつまらなかったし、鯨統一郎さんの作品なのだから、突然変異的にこの本だけ面白いということはなかろうと思っていた。
    そうしたら、やっぱり期待を裏切ることなく低レベルな作品だった。
    悪い意味で期待を裏切らない作家。恐るべし、鯨統一郎。
    ただ、僕は「アキレスと亀のパラドックス」だとか、「死刑囚のパラドックス」だとか、論理の遊びが好きなので、僕の知らない面白いパラドックスが紹介されていたらいいなあと思い読んでみたのだから、内容のつまらなさに怒るつもりはない。
    まあ、ヨシとしよう。
    (僕の知らないパラドックスが二つ紹介されていたが、残念ながらそれは大して面白いものではなかった)
    しかし、不思議なもので、これだけレベルの低い作品でも、最初から小説としての中身にまったく期待していなければ意外と腹は立てずに読めるものだなあと思った。

    僕が鯨統一郎さんの作品を読むことは今後、ほとんどないだろうと思うけど、もしそういう機会があったなら「つまらないに決まっている」と思いながら読むことにしよう。

  • バカミス。メタミステリ。SF。
    『ミステリアス学園』の続編。パラレルワールド。
    SF設定と登場人物たちがとても好きです。
    完全に作者の思惑通りの行動をしてしまいました。
    物語そのものよりも、「作品」として非常に楽しめた一冊です。

  • 「パラドックス学園」  光文社

     タイトルを見て衝動買い。だってこれ、明らかに『ミステリアス学園』の続編だもの。鯨は基本的に苦手だけど、『ミステリアス学園』だけは別なので。
     帯に「鯨統一郎が、またやりました。開いた口が塞がらない傑作です。」
     いやねもう、なんつーか、爆笑。本読んで、これだけ笑ったの、久しぶりだ。これだけ興奮したのも久しぶりだ。凄い、凄いよ鯨統一郎。
     前作と同じく流れ的にはメタ。もうバリバリのメタ。それが苦手な人にはお勧めしませんし、できれば前作を読んでからにしてもらいたい。
     表紙めくって作者の言葉「本当に面白い本ほど壁に叩きつけたくなります。」この言葉も伏線だと思うんだけどな(笑)
     パラドックス学園パラレル研究会に所属しているドイル、ルブラン、アガサ、ポー。主人公は新入部員のワンダ。ワンダは先輩たちが別の世界ではミステリの大御所であることを知っていて、云々。
     つまりは平行世界と矛盾の話。まあタイトルどおり。しかもパラパラ漫画付き。
     向こう五年は見たくないと思っていた学者の名前を再び目にすることになりましたが(仕方ないわな、メタをやるなら欠かせない名前だし)、話自体は面白かった。めちゃくちゃ面白かった。そうくるか! と爆笑した。以下空白はネタバレ、反転処理。
     ワンダを含めた登場人物たちが「己は書物の中の存在である」と認識する件が面白い。それはもし仮に事実だとしても決して証明できないし、彼らが真であると知ることもできないわけで。だとしたらそれを真と仮定して話を進めても一向に構わないわけだ。現実世界(高柳が所属する世界)ではなかなかそういう柔軟な考えを認める人間はいないけど。
     フレデリックとマンフレッドが「シャム双生児」っていうのもいいねぇ。これ、元ネタを知っている人間は絶対騙されるよ。だってもともと彼ら「従兄弟同士」のはずだしね。そういう先入観があるから絶対に騙される。今考えると彼らだけ「フルネームが明記されていない」のはそういう理由だったんだな。
     話の大きな筋(シェルターの中での密室殺人)の謎解きも面白くて好き。
     作者の言葉を読んでいたから始めは「本を投げつけた」所為で彼が死んだのだと思ったけど、違ったね。まさか「パラパラ漫画をめくった」所為だとは。確かに「高柳も捲りましたよ。本を開いて一番初めに一度やっていたけれど、登場人物が言及し始めたからもう一度やりましたよ、ちょうどそのときに!」
     いやまんまと「犯人」に仕立て上げられてしまいました。
     難をいえばラスト、アガサの付け加えが邪魔かな。「読者の親」がどうのってやつ。あれは要らない。
     抜粋。本文に入る前の注意書き。
     作品内で、この作品自体の犯人、トリックなどに言及していますので、本作を読了されたかただけこの作品をお読みください。
     無茶言うな。

    06.02.09

  • 非常にぶっ飛んだミステリですが、個人的には「アリ」です。初めから斜に構えて読んでいたせいか、「そうきたかー!!」とニヤニヤしてしまいました(笑)

  • 読みやすい。
    しかしゼノンのパラドックスとか、難しい題材を分かりやすく書いている。

    真相もミステリとしてなかなかすごいことを、さらっと披露してる。

  • 「開かれた密室」というキーワードと、あらすじに惹かれたのですが…
    どうしても読み進めることができずに断念。
    カーが小説を書くネタ集めをはじめた段階で、真ん中を飛ばして解決編に着地しました。結局、主人公たちの顔合わせ部分と、カー殺人事件の解決編部分しか読んでいません。

    犯人は読者であり、印刷されていたパラパラ漫画ですら本文内容に直結するトリックの一つ、また一般人と思われたワンダー・ランドも本当はミステリー界の巨匠だったという趣向はとても面白いものでそそられます。
    しかし、まるで禅問答もかくやと言わんばかりの論理的思考問答はまるで知識のひけらかしのようでイライラさせられました。
    古典ミステリーに詳しくないために、キャラクターの思考の違いを楽しむことも、まるで○○のようだといった描写に思い当たる節もなく、諸所に楽しみを見出すことができませんでした。

    おそらく、純粋に物語として読者を楽しませようとするものではいのでしょう。
    読者をあっと言わせることだけを念頭においた、酷く偏ったミステリー作品といわざるを得ません。

    ただ、散りばめられたパロディや挙げられる諸作品を見て、様々に興味を持ち知識を得ることはできますし、
    本当にミステリーが大好きで古典作品も良く知っている方ならかなり楽しめるのではないのかと思います。

  • パラドックス学園パラレル研究会、通称パラパラ研。ミステリアス学園の続編、というかパラレルワールドですね。 前作と同じようなオチでした〜。いや、さらにパワーアップしてますねwもう笑うしかない!(えっ) 今回は有名ミステリ作家(クリスティーとかポー)が学生として生活しているという世界。うん、取り敢えず有名所は一度読んでおきたいですね。パロディ要素有りです!

  • ラスト好き嫌いあるかも。所々隠れているパラドックスがいい。

  • うわあぁぁぁっ。

    これまでいくつか

    ミステリを読んできたけど、

    こんな凶器
    見たことないや!!!!

    スゲー(^^)

    鯨先生おそるべし。


    パラドックス学園パラレル研究会。通称「パラパラ研」
    所属部員の一人、ディクスン・カーが、密室のシェルターの中から死体で発見された。

    はたして犯人は誰か?
    どうやって密室に入り、
    どうやって殺し、
    どうやって密室から出たのか?

    真相究明に、部員仲間のポー、ドイル、ルブラン、アガサ、フレデリック&マンフレッド(クイーン)、そしてワンダが挑みます。

    「どんな人間の心の底にも、人が死ぬ瞬間を見てみたいという欲望が潜んでいるんです。自分ではそう自覚していなくても、これは事実です。そして自分が誰にも見られていないなら、その現場を目撃するのが自分だけだと完全に判っているのなら、人はその瞬間を積極的に見ようとするでしょう」

    この言葉がヒントです(笑)

    見事に謎を解いてください!

    諸君の健闘を祈ります。


    ※本書は単独でも楽しめますが、姉妹編の『ミステリアス学園』を先に読んでおくと、なお楽しめることでしょう。

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著者プロフィール

鯨統一郎
一九九八年、『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。大胆な歴史解釈から、日本の常識を覆す独自の作品が話題を呼ぶ。以来、歴史だけではなく幅広い題材を用いて、次々と推理小説を発表している。著書に「喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿」シリーズ、「女子大生桜川東子の推理」シリーズ、『幸せのコイン』『タイムスリップ信長vs三国志』『歴女美人探偵アルキメデス 大河伝説殺人紀行』『歴史はバーで作られる』『崇徳院を追いかけて』『作家で十年いきのびる方法』など多数。

「2019年 『恋と掃除と謎解きと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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