猫島ハウスの騒動 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334076351

作品紹介・あらすじ

葉崎半島の先、三十人ほどの人間と百匹を超える猫が暮らす通称・猫島。民宿・猫島ハウスの娘・杉浦響子は夏休みを迎え、家業の手伝いに精を出す日々を送っている。そんなある日、ナンパに勤しむ響子の同級生・菅野虎鉄が見つけてしまったのはナイフの突き立った猫の死体、いや、はく製だった!?奇妙な「猫とナイフ」事件の三日後、マリンバイクで海の上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突した、という不可解な通報が!降ったきた男は「猫とナイフ」事件にかかわりがあるようだが…。のどかな「猫の楽園」でいったい何が!?真夏の猫島を暴風雨と大騒動が直撃する!奇妙な事件に奇矯な人々、そして猫・猫・猫…ユーモアとシニカルを絶妙にブレンド。コージー・ミステリの名手、若竹七海の真骨頂。

感想・レビュー・書評

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  • 2014.10.14 読了

    なんでだろう。
    ミステリー色も しっかりあるし、
    ネコも出てくるし、
    設定も 面白いのに
    なかなか 読み進められなかった。。。

    いや〜 時間かかったー!

    神奈川県にあるという(架空の)猫島。
    人間より 猫の住んでる数が多い島で、
    殺人事件がおこる。

    それを解いていく話です。

  • のんびりとした猫島でのミステリーで楽しく読めた。
    猫がたくさんいて衣食住も割と足りるなら羨ましい生活だけど、人と関わらないと生きていけないダルさも忘れてないのが良かった。
    アレルギーの刑事萌えちゃうね。

  • ・猫満載の小島で事件が。
    ・第一の事件は猫のぬいぐるみがどこにでもあるようなナイフで刺されていてそのせいで菅野虎哲がナンパに失敗したことだがどうやらぬいぐるみの中には・・・。
    ・第二の事件は海に落ちてきて疾走中のマリンバイクにはね飛ばされた怪しい男が死んだこと。
    ・第〇の事件はもしかしたら勘当銀行三億円強奪事件かもしれない?
    ・第三の事件はとある場所から死体が発見されたこと。
    ・台風が近づきつつある。

    ▼猫島に関する簡単なメモ

    【アムシャ・スパンダ】モカ猫コーヒー店の猫で名前の意味はゾロアスター教の「聖なる不死者」らしいがスタンガンを押し付けられて気絶した。
    【亜矢と麻矢】杉浦響子と同じクラスの双子の同級生。
    【アルベルト・茂平】ニコラス・ケイジ似でシャツのボタンを四つ開けた見るからに怪しい男。
    【ヴァニラ】原アカネのとこに出入りしている猫。
    【ウェブスター】島で一番大きい猫で黒猫だが黒ヒョウのように見え不穏な外見だがじつは心優しきヤツ。
    【クリスタロ】三田村さんちの白猫。
    【駒持時久/こまぢ・ときひさ】遊びに来ていて事件に巻き込まれた不幸な刑事で猫アレルギーなので猫島ではガスマスクをかぶって行動せざるを得ずダースベーダーのような威圧感をかもし出している。
    【近藤啓太郎】葉崎帆布の社長でプロレスラーのマスクをかぶってマリンバイクを楽しんでいたらなんか事故か事件かに巻き込まれたらしい。
    【ゴン太】長いこと猫島神社の下働きしている怖い顔と裸足のおっさん(爺さん?)で本名は佐藤浩太。
    【三億円強奪事件】府中市のとは別もので18年前勘当銀行の現金輸送車が襲われた事件だが話だけは出てきている杉浦響子の大叔父であり綿貫宮司のいとこでもある幸次郎が犯人集団の中にいた。
    【修学旅行】鳥取に行ったらしいがなにかがあったらしくそのせいで響子と虎哲の間がぎくしゃくしている。
    【ジョフリイ】やせた虎猫。
    【シルヴァー】島で二番目に大きい猫でとても狂暴。
    【菅野虎鉄】腹筋が6つに分かれた高校二年生のナンパ野郎。
    【杉浦響子】祖母の経営する民宿「猫島ハウス」で働いている17歳高校二年生でカバー絵の女性は彼女だと思われる。
    【杉浦松子】響子の祖母でその昔高級民宿をつくって流行らせたやり手婆さんでいまだ現役だがその「猫島ハウス」の3階の大きなペルシャ絨毯が敷かれた部屋に多数の猫たちをかこい猫屋敷の婆さんと化している。
    【ゾロアスター教】綿貫宮司の説によると島のミズチ信仰とつながっているらしい。
    【田崎一蔵】猫立ち入り禁止ということになっている保養所キャットアイランド・リゾートの支配人で元市役所勤めの物腰ていねいななかなか味のあるおっさん。
    【DC】ポリス猫でどうやら猫島の猫たちの中でも顔役っぽいしおそらく登場人物(ニャン物も含み)誰よりも賢い。
    【七瀬晃】夏だけ猫島に駐在する巡査でちょっと軽い性格で高所恐怖症。
    【猫島】葉崎市にある小島で猫がいっぱいたぶん100匹以上いるが本名は佐渡島(さわたりじま)。
    【原あかね】本業イラストレーターで自分のための手づくりハウス(リフォーム系)をつくったらとんでもない巨額で売れてしまった38歳の独身女性で今は猫島ハウスに滞在しながら再度くつろげる家を手づくり中。
    【橋口勲】時代の寵児的な実業家だったが今はちょっと落ちぶれている。
    【二村喜美子警部補】小型タンクのような女性。
    【細井キミ子】22年前から猫島ハウス住み込みの料理人でまかない飯の達人。
    【マグウィッチ】猫島ハウスの看板猫。
    【ミスター・ソロモン・ティンクルス】猫が入ってはいけないはずの「キャットアイランド・リゾートになぜか出入りできている白猫。
    【三田村成子】翻訳家にして猫書専門店を経営者で今はキャットアイランド・リゾート4階に猫ミュージアムをつくりたいメモ魔の女性。
    【森下哲也】元銀行員で美砂の夫。
    【森下美砂】「猫島ハウス」を手伝ってくれる(こともある)若い女性で綿貫宮司の娘にして哲ちゃんの妻でよく眠る。
    【渡辺千秋】葉崎FM放送のパーソナリティーだが本編に人物として登場することはない。
    【綿貫芳治】猫島神社の宮司で猫島の中心人物。

  • 葉崎半島の先、三十人ほどの人間と百匹を超える猫が暮らす通常猫島。民宿猫島ハウスの娘杉浦響子は夏休みを迎え、家業の手伝いに精を出す日々を送っている。そんなある日、ナンパに勤しむ響子の同級生菅野虎徹が見つけてしまったのはナイフの突き立った猫の死体。いや剥製だった!?奇妙な「猫とナイフ」事件の3日後、マリンバイクで海の上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突した、という不可解な通報が!降ってきた男は「猫とナイフ」事件にかかわりがあるようだが……

    まさしく猫島の大騒動編。事件や事故、未曾有の台風に問題の多い大企業の元社長、三億円の銀行強盗の残り金のありかまで絡んできて、相変わらずのてんこもり。でも合間に挟まれる猫島の人々と猫たちのなんだかんだのんびりわちゃわちゃでほっと一息。七瀬くん今回も頑張りました。駒持警部補って初出?若竹先生の本は、名前がない登場人物すら読み飛ばせないから大変。

  • 期待通りのドタバタ。
    DCの活躍少なめ。
    ガスマスクを被った刑事さんが出てくる。笑

    修学旅行で何があったんだろう。

  • 架空の都市、葉埼市が舞台のコージーミステリー。
    今回は葉埼市そばの猫島で起きるマリンバイクの事故に、猫の死体に刺さったナイフ、過去に起きた事件・・・色んな事件が最後にはひとつに集約されていくのが面白かった。
    読んでてこうつながるのね~って感心しちゃいました。

    ただ気になるのが猫島ハウスの響子と幼馴染の虎鉄。
    修学旅行でこの二人になにがあったのか・・・(・_・;)

  •  ここのところ見かけなかったから心配しておりました。いつぐらいぶりなんだろう。
     コージー・ミステリって、何なんでしょうね。なんかもう「若竹みたいなの」ってイメージを持っちゃってるんですが(それは逆だろう)。
     猫がたくさん住む猫島での一騒動。殺人というか、死人は出てるし案外エグイけれど、さらりと読めてしまうのは若竹の力。さすが。謎としてはちょっと弱いかな、という気もしなくもないが、そこが読みどころではないので別に問題なし。そういう風に繋がるか、と驚ける点もあったし。
     若竹らしく最後にストン、ストン、と落としてくれて非常に満足でございます。「猫島ハウスのペルシャ絨毯が盗んだ金の行方だろう」(ネタバレにつき反転処理)っていうのは途中で気づけたが、まさかラスト「DCにそれをネタバレ」させるとはね。さすが、うまいなぁ。DC、かっこいいし。演出の仕方というか、読ませ方が本当に上手い作家だと思う。
     それで結局、修学旅行の一件って何なんだよ(笑)
     お気に入りの部分抜粋。
     まぶしい太陽。打ち寄せる波。焼けた肌。サンオイルの香り。はしゃぐ声。そして、おっぱいがいっぱい。
     これが一番初めの文章。これを読んで心を掴まれない人はいないと思う。

    06.08.29

  • 2012年8月5日

    カバーイラスト・本文カット/杉田比呂美
    カバーデザイン/関口瑚

  • 私の大好きな、若竹コージーです。「古書店アゼリア」「ヴィラ・マグノリア」と同じく舞台は架空の都市・葉崎となりますが…今回は更に地域が限定されますよ。なんたって陸の孤島だもの!(っても干潮になれば陸続きだけど)

    葉崎市の猫島海岸の先にある砂渡島(通称・猫島)は定住者は30人ほどの小さな島だが、しかしそこには人間以上に猫がたくさん…それこそ100匹以上も住んでいる。珍しい珍味が産出するわけでも名所が存在するわけでもない。民宿《猫島ハウス》の店主・松子の義弟が18年前の有名な銀行強奪事件の共犯者だったりもしたが、おおっぴらには有名人がいたりするわけでもない。だからこの島は、猫ちゃんと夏場の海が観光資源なのだった。
    季節はその大賑わいの夏。民宿の娘・響子や雑貨屋店主・成子らにとって書入れ時の最中に、「猫のため息」入江で猫の偽剥製にナイフが刺さった状態で発見された。ちょうど居合わせた葉崎警察署の駒持は派出所の七瀬とポリス猫DCと調査を始める。そして、普段は平和なこの島で、今度は海を暴走中のマリンバイクと、崖から降ってきた人間が衝突するという奇妙な事故が…。
    猫・猫・猫!が小さな島に満載の楽しく大騒動なミステリ長篇。

    猫ーネコーねこー!猫がほんとにいっぱいで、しかも猫らしくふにゃふにゃしながら大活躍してます。多分本人(本猫)たちには活躍する気なんてさらさらなかったんだろうと思いますが。だって猫だもん!
    猫たちも魅力ですが、やっぱり若竹コージーは人間が面白い。こんな小さな島なのに、元気で働き者の女子高生・響子ちゃん、おばあちゃんなのに現役バリバリな松子さん、猫島ハウスの名料理人・ツル子さん、古い民宿をひとりで改装中のイラストレーター・原アカネさん、猫雑貨屋で女性向けポルノ翻訳家・三田村成子さん、元・猫島の住人で響子の同級生・虎鉄、刑事の駒持、若くてお人好しな派出所警官・七瀬クン、猫島神社の綿貫宮司と手伝い・ゴン太、宮司の孫・美砂と夫・哲也。…個性あふれるっていうか、あいかわらず人物描写が面白いなぁv
    今回は若竹作品にしては毒が少なめ。ホラーも無し。これってちょっと珍しいかも。
    でも、軽くて楽しい(七瀬クンが不憫とも)中に、しっかりミステリの伏線が貼られているあたりがサスガであります。真相が語られる場面で「あ。あれって伏線?」と気付くんだよなぁ。すごく自然に書かれるからいつも見逃して、その度に感心してます。
    なんにせよ、やっぱり若竹コージーは最高に面白いのだv

  • 猫好きなんで読んでみた。
    普通だな。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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