風果つる館の殺人 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 38
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (614ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334076382

感想・レビュー・書評

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  • のっけからの、

    「昭和の官能小説ですか?」

    なエロ描写には閉口しましたが、本編はなかなかどうして王道な本格推理小説です。
    それも、犬神家へのオマージュと思われる設定てんこ盛りでなお嬉しい。

    遺言書が関係者一同の前で開示された時点で、

    こいつ以外犯人てありえんやろ絶対に。

    っていう人物が案の定犯人だったのは嬉しいやら一抹の寂しさがあるやらでしたが、第1の被害者が出る前から伏線を回収できるっていう経験はなかなかできないので興味深く挑ませていただきました、ハイ。

    ……………それにしても、私みたいに、同じようなテンプレ推理小説ばっかり読んできた先輩達って、行く行くはどういう嗜好になっていったのかな。
    私も、いつか不意に食傷して、気付いたら旅情ミステリとか手に取っちゃうのかしら。

    それは何か寂しいなあ。
    今以上に犯人丸わかりやん←←

    綾辻以降の新本格に夢中になった世代の指針、何か必要じゃないだろーか。

    と、不意にうすら寒くなった真夏の夜でございました。

    【補足】
    この手の不可能犯罪もののトリックはそもそも看破できるはずないと思ってますが、今回は凄かった。

    それ、いくら何でも無理でしょ、どんだけ環境要因無視してんのー!って私を含む読者諸氏は白目剥いたと思います、ハイ。

  • 『犬神家の一族』をモチーフに舞台をアイルランドに、犬神家をイギリス有数の大富豪ケリィ家に置き換えた本格推理物、シャルル・ベルトランシリーズです。
    冒頭から濃密な性描写で始まったのでどうなることかと危惧しましたが、今回も見事に不可能犯罪物です。ただ、前半はベルトランが登場せずパトリックが一人色んな意味で奔走していて展開はややスローだし、犯人もトリックも分かりやすい気がしました。
    一応、ハッピーエンドながら、腹に一物抱えたこの家族に末長い幸せは訪れないのかな…。
    こういう道具立、大好物なので著者の早逝が惜しまれます。

  • シャルル・ベルトラン・シリーズ

    婚約者メアリーと共にメアリーの養母のすむ「風果つる館」を訪れたパット・スミス。34年前に庭の迷路で起きた密室殺人事件。館を建築した「クリストファー・ケリイの妻イングリッドと愛人イヴォンヌ・ドワノ、ドワノの娘クローディア、リーガン、マーガレットの奇妙の同居生活。迷路で死んだイヴォンヌ。イヴォンの傍らに倒れていたクローディア。本当の親子のような関係だったイングリッドと娘たちの関係の変化。迎えに来たパトリシアの車のブレーキの細工。イングリッドの遺言。3人の娘の子供たちウィリアム、スティーブン、コーデリア、デイビッド、パトリシアの間で結婚した2家のみに遺産が残る。謎の青年ピーター・クレイヴンの存在。パットとの決闘騒ぎ後サイロに吊りあげられたスティーブンの遺体。残された巨人の足跡。迷宮の中で殺害されたデイビッド。容疑者として逮捕されたパット。浴室で発見されたパトリシアの遺体。クレイヴンとイングリッドの秘密。3人に娘の抱えた秘密と主治医ホイットニー・ドリストルの過去に隠された秘密。

     2011年3月11日読了

  • 監獄島よりはこっちの方が好きかも。一番は双月城だけど。実はトリックにはあまり期待していないけど(大掛かりすぎてリアリティがないので)館とか古城とか孤島とかの雰囲気が好きで好んで読んでるシリーズ。ベルトランものは10部構成らしいので最後まで読んでみようと思う。この人の作品はツメが甘いところもあるけど読みやすい。どこかの作家みたいに変に難しい単語を並べない辺り好感度が高い。ただ今回もパットはバカすぎてどうしようもなかった。殺害現場の証拠品を素手でポケットに入れて持ち帰るとかありえない。しかも本人は別にたいした証拠ではないと思っている辺り意味不明。その他にもツッコミたいことがたくさんありました。よくそんなんで助手(のようなもの)をしているなと言いたい。切実に。3人目の死者もありえない理由で死んでるので共感出来なかった。普通それくらいじゃ死なないと思う。全体的に同じことを何度も説明するのは相変わらずで『ページ稼ぎ?』と無駄な文も多くてちょっとイライラしたりもしたけれどこの作者のすごいところは真相が非常に練りこまれているところ。なので後半は結構内容が濃いです。最後の一人が殺されたらあっさり終わってしまう推理小説が多いので、その点は優秀だと思う。ただ今回は犯人が不憫でならなかった。

  • 館・遺産相続・連続殺人、とどこまでいってもお約束。しかもどっかで聞いたような筋書きはまさか「犬○家」!? おいおい、そのまんまじゃん! と突っ込みつつ読みました。
    ……それでも犯人とかトリックは「お約束」じゃありませんでした(笑)。非常に安堵。今作は前作ほどくどくもなく、ちょうどいい感じでした。こういう「ごてごてお約束ミステリ」好きな人には絶対お勧め。
    動機もちょっと面白かったな。発想の転換というか、これは考え付かなかった。ものすんごく腹が立って、犯人に同情はできませんが。
    それにしてもパット……案外鈍いですね。なんてくだらないところで引っかかって悩むんだ~。もう読んでいてどやしつけてやりたくなりましたよ。

  • 2007/06/10

  • 『風果つる館の殺人』加賀美雅之:カッパノベルス

    今日読んだ〜と言いつつ忙しく最近読んだのをまとめ書き。
    加賀美さんはデビュー作の『双月城の惨劇』、
    2作目の巨編『監獄島』と予判審事ベルトランもので楽しませてもらってきました。
    今回はその3作目。
    今回も『監獄島』ほどではないにせよ605ページの大作。
    重厚でスコットランドを舞台にした魅力ある舞台に
    “正統”的な本格推理要素が満載で一気に読み切りました。
    過去の密室殺人の真相に関してはちょっと?な部分があったり
    記述者でもあるパットが注意力足りなすぎだったり、
    気になる部分もありますが…
    本人も後書きで触れていますが副業作家で2年に1作が今のところ
    限界だそうで、次作もしばらくおあずけでしょうか。

  • 遺産相続がからんだ館モノ。遺言状の内容はそそられたが、その他は相変わらずの古臭さ。キャラ、会話、主人公の思考など、何から何まで古臭くてイヤになる。この作家はこの時代のみを書いてる方がよい。現代ミステリなど読めた代物ではないだろう。殺害方法は意味もなく派手。謎解きはツッコミどころが満載。一応伏線も張ってあるし、本格の要素もあちこちに見受けられる。トリックの良し悪しよりも、レトロな雰囲気を楽しみたい読者にはお勧めかもしれない。

  • 2006/08/27読了

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