魔女の笑窪 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334076719

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  • 男の真の姿を見抜くという能力を用いて東京裏社会でコンサルタントをする水原。
    その能力は、通称「地獄島」での経験から得たものであり、彼女は、掟破りの島抜けをして東京へ流れてきた。
    その水原に、「地獄島の番人」が迫り来る。

    大沢在昌が女性を主人公に書いた作品。
    新宿鮫のような圧倒的な面白さはないものの、男女の違い、画一的な女性の描き方でないところが良かった。

    誰が味方で誰が敵なのか、続きがあるような終わり方、続編も楽しみ。
    (図書館)

  • 大沢在昌先生初読。
    なんとなく和田慎二先生ぽい。
    面白かった。

  • 鮫シリーズには、ならないんだなーと思う。
    その後の作品にもこの感じがあるのかなーっと思う。

  • 「何千人もの男と寝た」ことによって「容姿を見るだけで素性を見通す」力を持つ女性の物語。そういう能力がつくものか?と思うものの読了。この女性が鋼のヒロインとなって、裏社会の揉め事や組関係のいざこざの中を鮮やかにすり抜け解決(?)するといったあらすじなのだが、いかんせん全体的にハードボイルドすぎて、主人公に対しても「度胸あんなあー」としか感想が出てこない。悲惨な過去を生きてきた故の今のヒロインの感情描写がもっとあったら、もっとリアルに残酷無残な運命だとかが際立ったのではないか。感情を押し殺すようになっちゃったから仕方ないのかもしれんが。

  • 元風俗嬢の水島。裏コンサルタント。昔、鉄味の男がいた。その男はヤクザの殺し屋だった。店にきた双子お笑いコンビの男も同じ味。変死体が発見。
    犯人はお笑いコンビ。味でどちらかわかる。拳銃で頭を撃つ抜く。
    1000人以上の男と寝てきた女は人間の本性がわかる。事務所に勇敢マダムが来て自分達の過去をさぐる記者のしまつを依頼される。自分が地獄島に
    いたことを知っているらしい。記者に興味を持つ。美人の母親が淫乱で社宅で売春をしていた。母のような風俗嬢を探している。
    東北の顔役の孫の取材。人を見抜く力で「エッチ好き」を言わせる。ヤクザに始末されそうになるのを逃がす。
    自分が闘志した海賊版DVD会社のAV嬢が行方不明。高級美容整形の豊田にたどりつく。整形手術の失敗。AV嬢は入院していた。
    注射をされ手術代に縛られるが、オカマの探偵が助け出される。豊田は地獄島とつながっていた。
    オカマに自分の過去を話す。溺愛した息子を奪った母への恨みで祖母に地獄島に売られた。男をいかせる為に演技しつづけることへの恐怖が蘇る。
    番人が自分を探しにやってきた。見張りヤクザを殺して事務所にはいってきた。防弾チョッキを着ていたので眉間にトカロフを打ち込む。
    地獄島は天草。中国人が働くようになっている。韓国人との勢力争い。名主は殺される。一旦、韓国に身を隠す。

  • 大沢在昌氏の新宿鮫シリーズが気に入りそれ以来同氏の本はよく読んでいる。 本屋に新書として「魔女の笑窪」が陳列されていたため、最新作かと思って購入。 しかし、どうやら2006年に発刊されたハードカバー本の文庫版ということで少々残念。

    逃亡不可能といわれる地獄島から脱出し、裏社会でコンサルタントとして生きる女主人公。 過去の経験から男の真の姿を見抜く能力を持つ。 裏の世界を生き抜く為の精神力や体力を持ち合わせている影のヒロイン像がふんだんに描写されているが、物語は過去の地獄島に接点を持ち始めるや、主人公の人間らしさ・脆さが際立ってくる。

    過去の地獄島での生活が如何に壮絶であったかという描写が迫力に欠けているため、ストーリーの盛り上が中途半端で不完全燃焼に感じた。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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