- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334100315
作品紹介・あらすじ
索引をめぐる物語は、冊子本や活版印刷の発明などの書物史とともにあり、情報処理の歴史でもある。ドイツの印刷所、啓蒙派のコーヒーハウス、小説家の居間、大学の研究室を巡り、皇帝や法王、哲学者、首相、図書館員、プロの索引作成者たちを取材。索引が異端者を火刑から救った逸話、索引で政敵を挑発する流行なども紹介しつつ、13世紀の聖書の写本から今日の電子書籍にまで連なる道筋を描き出す。読書家垂涎の「索引」秘史!
感想・レビュー・書評
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最初は本を最初から読まなくなると批判されたり、恣意的に索引をつけられたりと、意外な情報を得られた。電子書籍で検索できるようになり、索引の役割も変わるのかもしれない。
キリスト教を布教するため、わかりやすくするために普及したという話に納得できた。 -
【書誌情報】
『索引 ~の歴史――書物史を変えた大発明』
原題:Index, A History of the: A Bookish Adventure (Allen Lane, 2021)
著者:Dennis Duncan
訳者:小野木明恵
発行:光文社
定価:3,520円(本体3,200円+税)
判型:A5判 ハード
頁数:432
発売日:2023年8月23日
ISBN:978-4-334-10031-5
Cコード C0020
ジャンル:ノンフィクション、学芸
索引をめぐる物語は、冊子本や活版印刷の発明などの書物史とともにあり、情報処理の歴史でもある。索引が異端者を火刑から救った逸話、索引で政敵を挑発する流行、小説にも索引をつけた時代があったことなど、興味深いエピソードとともに、13世紀の写本の時代から今日の電子書籍まで連なるその道筋を描き出す。
[https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334100315]
【簡易目次】
序文 009
第1章 順序について――アルファベット順の配列 029
第2章 索引の誕生――説教と教育 061
第3章 もしそれがなければ、どうなるのだろうか?――ページ番号の奇跡 101
第4章 地図もしくは領土――試される索引 133
第5章 いまいましいトーリー党員にわたしの『歴史』の索引を作らせるな!――巻末での小競り合い 159
第6章 フィクションに索引をつける――ネーミングはいつだって難しかった 197
第7章 「すべての知識に通ずる鍵」――普遍的な索引 231
第8章 ルドミッラとロターリア――検索時代における本の索引 261
結び 読書のアーカイヴ 295
原注/謝辞/訳者あとがき
(巻末)図版一覧/各種索引 -
ガッツリ、論文的な本でした。
なかなか分厚くて難しかったので
気になったところを拾い読み。
最後に、この本について
AIが作った「索引」と
人間のプロが作った「索引」が
掲載されていて比べることもできる。 -
A to Z だけじゃない索引の奥深いカタチ。
索引で刺し、索引で語る -
学術書やノンフィクションなどの書籍の巻末に当たり前のように付されている「索引」の歴史をそれこそ物事をアルファベット順に並べることから現代のコンピューターによる自動生成や電子書籍における索引の問題までその変遷と影響について延べた本。
普段、あまり索引を活用することがなく索引についてちゃんと考えたこともあまりなかったので、主題索引と用語索引の違いや索引が指す書籍内のロケーションの問題(ページ番号の発明は偉大であったが、写本では引き写すさいに判型の違いなどからページ数が原著と異なることが多く、その価値を発揮するには印刷技術の発展を待つ必要があった)などいろいろ新たな知見と考えさせられる事柄が多かった。
面白かったのが、18世紀初頭の英国のトーリー党とホイッグ党が激しく対立し、対立する党派の人物が書いた書籍に対して悪意を持った索引を作成して誹謗中傷を行ったという話で、索引がもつ批評性とデリダの脱構築をちょっと思わせるようなそのメタな手法がなんとも興味深い。
あと、これも知らなくて吃驚したけど、英国には索引は索引家と呼ばれるプロが作るもので索引家の組合である索引家協会まであるんだそうだ。てっきり作者や編集者が作るものだと思ってた。