索引 ~の歴史 書物史を変えた大発明

  • 光文社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334100315

作品紹介・あらすじ

索引をめぐる物語は、冊子本や活版印刷の発明などの書物史とともにあり、情報処理の歴史でもある。ドイツの印刷所、啓蒙派のコーヒーハウス、小説家の居間、大学の研究室を巡り、皇帝や法王、哲学者、首相、図書館員、プロの索引作成者たちを取材。索引が異端者を火刑から救った逸話、索引で政敵を挑発する流行なども紹介しつつ、13世紀の聖書の写本から今日の電子書籍にまで連なる道筋を描き出す。読書家垂涎の「索引」秘史!

感想・レビュー・書評

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  • Index, A History of the | Dennis Duncan | W. W. Norton & Company
    https://wwnorton.com/books/9781324002543

    Duncan, Dennis: In a new book, the author delves into the history of the index – Brendan McNally Author
    http://www.brendanmcnallyauthor.com/duncan-dennis-in-a-new-book-the-author-delves-into-the-history-of-the-index/

    索引 ~の歴史 : 書物史を変えた大発明 デニス・ダンカン(著・文・その他) - 光文社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784334100315

  • 最初は本を最初から読まなくなると批判されたり、恣意的に索引をつけられたりと、意外な情報を得られた。電子書籍で検索できるようになり、索引の役割も変わるのかもしれない。

    キリスト教を布教するため、わかりやすくするために普及したという話に納得できた。

  • 【書誌情報】
    『索引 ~の歴史――書物史を変えた大発明』
    原題:Index, A History of the: A Bookish Adventure (Allen Lane, 2021)
    著者:Dennis Duncan
    訳者:小野木明恵
    発行:光文社
    定価:3,520円(本体3,200円+税)
    判型:A5判 ハード
    頁数:432
    発売日:2023年8月23日
    ISBN:978-4-334-10031-5
    Cコード C0020
    ジャンル:ノンフィクション、学芸

     索引をめぐる物語は、冊子本や活版印刷の発明などの書物史とともにあり、情報処理の歴史でもある。索引が異端者を火刑から救った逸話、索引で政敵を挑発する流行、小説にも索引をつけた時代があったことなど、興味深いエピソードとともに、13世紀の写本の時代から今日の電子書籍まで連なるその道筋を描き出す。
    [https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334100315]

    【簡易目次】
    序文 009
    第1章 順序について――アルファベット順の配列 029
    第2章 索引の誕生――説教と教育 061
    第3章 もしそれがなければ、どうなるのだろうか?――ページ番号の奇跡 101
    第4章 地図もしくは領土――試される索引 133
    第5章 いまいましいトーリー党員にわたしの『歴史』の索引を作らせるな!――巻末での小競り合い 159
    第6章 フィクションに索引をつける――ネーミングはいつだって難しかった 197
    第7章 「すべての知識に通ずる鍵」――普遍的な索引 231
    第8章 ルドミッラとロターリア――検索時代における本の索引 261
    結び 読書のアーカイヴ 295

    原注/謝辞/訳者あとがき
    (巻末)図版一覧/各種索引 

  • ガッツリ、論文的な本でした。
    なかなか分厚くて難しかったので
    気になったところを拾い読み。

    最後に、この本について
    AIが作った「索引」と
    人間のプロが作った「索引」が
    掲載されていて比べることもできる。

  • 索引が大発明?と思いましたが、考えてみれば本が作られたときから索引があったわけではないのです。
    小説には目次はありますが、索引はない、事が多い。

    しかし辞書や図鑑、研究所や報告書などに索引は必須。
    じゃないと、知りたいことがどこに書いてあるかわかりません。
    でも、本が巻物だったころ、索引なんてありませんでした。
    最初から最後まで読まないと、内容が分からない。

    索引というのは、要するに位置情報なのです。
    これこれについて知りたいと思ったら、索引でそれらについて書いてあるところを調べてみればいいのです。

    本が、今の形になって初めて索引は作られます。
    なぜならページをつけることができるようになったから。
    しかし、それだけでは索引はできません。
    見出し語のセンス。これ大事。

    多すぎては意味がないし、少なすぎれば役に立たない。
    だから、いい索引はプロの、腕利きの索引作成者が作っているのですって。
    当たり前のことなのですが、今まで考えたこともないので目からうろこです。

    人が、一冊の本に書かれている言葉を、データとして分類してページと紐づける。
    これは相当の時間と労力を必要とします。
    だから索引より先に、章タイトルができました。
    ある程度、「こんなことが書いてあるよ」と分かるように。
    そういえば17世紀くらいの長編小説って、章タイトルの後に、その章で書かれているエピソードを細かく記載しているものがあったなあ。
    これも、索引代わりということか。

    しかし、研究者や有識者などが、本文から簡単に知りたい部分をみつけられるのはいいけれど、これが行き過ぎると索引だけで情報を得て、肝心の本文を読まなくなるのではという危機は、索引という概念ができたときから懸念されていました。
    効率的に内容を把握するのは大事だけれど、中身を深く読みこんでいくのはもっと大事、と。

    これが現在だと、タイパだといって本を読まずにダイジェストで済ます、スマホの検索で知りたい出来事だけを調べる、ということになっています。
    それは本当の知識ではない、と私も思いますが、知ることが容易になったことのメリットを考えると、索引という大発明に感謝ですね。

  • A to Z だけじゃない索引の奥深いカタチ。
    索引で刺し、索引で語る

  • 学術書やノンフィクションなどの書籍の巻末に当たり前のように付されている「索引」の歴史をそれこそ物事をアルファベット順に並べることから現代のコンピューターによる自動生成や電子書籍における索引の問題までその変遷と影響について延べた本。

    普段、あまり索引を活用することがなく索引についてちゃんと考えたこともあまりなかったので、主題索引と用語索引の違いや索引が指す書籍内のロケーションの問題(ページ番号の発明は偉大であったが、写本では引き写すさいに判型の違いなどからページ数が原著と異なることが多く、その価値を発揮するには印刷技術の発展を待つ必要があった)などいろいろ新たな知見と考えさせられる事柄が多かった。
    面白かったのが、18世紀初頭の英国のトーリー党とホイッグ党が激しく対立し、対立する党派の人物が書いた書籍に対して悪意を持った索引を作成して誹謗中傷を行ったという話で、索引がもつ批評性とデリダの脱構築をちょっと思わせるようなそのメタな手法がなんとも興味深い。

    あと、これも知らなくて吃驚したけど、英国には索引は索引家と呼ばれるプロが作るもので索引家の組合である索引家協会まであるんだそうだ。てっきり作者や編集者が作るものだと思ってた。

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