本の背骨が最後に残る

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 光文社 (2023年9月21日発売)
4.04
  • (128)
  • (143)
  • (78)
  • (10)
  • (5)
本棚登録 : 2414
感想 : 151
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784334100513

作品紹介・あらすじ

その国では、物語を語る者が「本」と呼ばれる。一冊につき、一つの物語。ところが稀に同じ本に異同が生じた時に開かれるのが市井の人々の娯楽、「版重ね」だった。「誤植」を見つけるために正当性をぶつけ合う本と本。互いに目を血走らせるほど必死なのはなぜか。誤植と断じられた者は「焚書」、すなわち業火に焼べられ骨しか残らないからである。表題作他7編収録。要注目の新鋭作家が、凶暴な想像力を解放して紡いだ七つの異界。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 図書館にて♪

    斜線堂有紀さん、はじめまして (・ω・)ノ*。.・°*

    多くのブク友さんが高評価の本作。
    図書館で見つけてしまえば、そのままお借りして帰ってきますよね。

    ☆5つでもいいけど、4.4で^^;

    なかなか言葉にするのが難しー( ˘•ω•˘ ;)
    ファンタジーって感じでもないんだけど、とにかく幻想的!

    それほどに独特すぎる世界観"(∩>ω<∩)"

    でも、キライじゃないよ。
    ってか、惹き込まれたよσ(・ω・`)

    もしかしたら読み手を選ぶ作品かも知れません。
    でも、読んで損はない。
    いや、読んでみてヽ(●´ε`●)ノホスィ

    (´ρ`*)コホン
    では、本書の内容について。

    読者の感覚を揺さぶる幻想的な短編集。
    物語の中では、本が禁忌とされた世界が広がり、文字ではなく語りによって物語が受け継がれていきます。
    この設定はどこか神話的でありながらも、現代社会の検閲や記憶の曖昧さに対する示唆を孕んでいました。
    著者の筆致は研ぎ澄まされており、読む者を夢と現の狭間へと誘います。

    本作の特徴は、その世界観の圧倒的な完成度!!
    紙の本が消え去り、言葉だけが紡がれる世界では、「版重ね」という議論が行われ、物語の整合性が試されます。
    敗北した語り手の物語は炎に包まれ、永久に失われてしまいます。
    この儀式的な営みはまるで異端審問のような狂気を帯びており、物語を紡ぐことが命の存続と直結する様が強烈な印象を残します。

    表題作「本の背骨が最後に残る」は、本という存在の核心を突く作品。
    紙の束としての本ではなく、語り継がれることで生き延びる物語こそが「本の背骨」なのだというテーマは、文学の本質を鋭く問い直します。
    燃え尽きてなお残るものは、ただの物理的な書物ではなく、心に刻まれた物語の断片。
    これは、時代や社会の変化の中で文学が生き延びる術を示唆するようにも思えました。

    他の収録作品も、それぞれ異なる幻想的な光を放っています。
    例えば、グリム童話のような暗い美しさを湛えた作品では、残酷な運命が静謐な筆致で描かれ、読者はまるで夢の中を彷徨っているかのような錯覚に陥ります。
    幻想と現実の境界が曖昧になり、物語の中の登場人物だけでなく、読者自身の存在も危うくなりそうに…

    斜線堂有紀は、繊細な言葉の選び方で幻想の世界を現実に定着させてくれました。
    彼女の紡ぐ物語は、決して遠い異世界の出来事ではなく、読者の心に入り込み、じわじわと染み渡ります。
    語り手によって変化する物語の運命や、決して消え去ることのない言葉の力が、本という媒体の枠を超えて描かれるのが本作の最大の魅力のように感じました。

    『本の背骨が最後に残る』は、幻想文学としての美しさと、本という存在への哲学的考察を見事に融合させた作品。
    燃え尽きてもなお残る物語の余韻は、読了後も長く心の奥底に響き続けます。
    これは単なるホラーや幻想小説ではなく、文学の存在意義そのものを問い直す、深遠な一冊です。

    <あらすじ>
    『本の背骨が最後に残る』は、斜線堂有紀さんによるホラー・幻想短編集です。紙の本が禁止された世界で、人々が「本」として物語を語り継ぐという独特な設定が特徴的です。物語の整合性を確認するために「版重ね」と呼ばれる討論が行われ、敗れた本は火あぶりにされるという衝撃的な展開が描かれています。

    この短編集には、表題作を含む7編の作品が収録されており、どれも残酷で美しく、読者の価値観を揺さぶるような内容になっています。幻想怪奇小説のような雰囲気を持ち、グリム童話のようなダークな世界観が魅力です。

    本の概要
    読まないほうがいい。虜になってしまうから……。その国では、物語を語る者が「本」と呼ばれる。一冊につき、一つの物語。ところが稀に同じ本に異同が生じる。そこで開かれるのが市井の人々の娯楽、「版重ね」だった。どちらかの「誤植」を見つけるために各々の正当性をぶつけ合う本と本。互いに目を血走らせるほど必死なのはなぜか。誤植と断じられた者は「焚書」、すなわち業火に焼べられ骨しか残らないからである。表題作の他「痛妃婚姻譚」「『金魚姫の物語』」「本は背骨が最初に形成る」など7編収録。要注目の新鋭作家にして若きビブリオマニア・斜線堂有紀が、凶暴な想像力を解放して紡いだ、絢爛甘美な七つの異界。あなたも、この物語の一部になる。

    著者について
    斜線堂有紀(しゃせんどう ゆうき)さんは、日本の小説家です。1993年生まれで、上智大学文学部ドイツ文学科を卒業されています。ミステリーやSF、青春小説、ライトノベルなど幅広いジャンルで活躍しており、2016年に「キネマ探偵カレイドミステリー」で第23回電撃小説大賞のメディアワークス文庫賞を受賞し、作家デビューしました。

    代表作には『楽園とは探偵の不在なり』や『廃遊園地の殺人』、『愛じゃないならこれは何』などがあります。最近では『プロジェクト・モリアーティ』シリーズや『星が人を愛すことなかれ』なども話題になっています。

  • 超ド級の発想力に酔っちゃう!美しくも醜く、幻想的でも超現実的な世界観が光る #本の背骨が最後に残る

    ■きっと読みたくなるレビュー
    センスいい!いつも思うのですが、斜線堂先生のこの発想力はホント素晴らしい。

    全7作の短編、どれも斜め上からの切り口で、その後の展開も独特。力強くも可憐な筆致で文芸としても上質だし、幻想的な世界観も素敵。それにも関わらず不愉快な描写も強烈で、読んでると脳髄が溶けてくる。

    先生の魅力がたっぷり詰まった短編集です、読むべし!

    〇本の背骨が最後に残る
    本が存在せず、人が代わりとなって物語を紡ぐ世界。話の内容に齟齬が生じると、物語同志が版重ねを行い、生死をかけて正当性を競い合うのだった。

    理解不能さと怖さと美しさのバランスが最高。登場人物の意思の強さがまたカッコ良くて痺れた。

    〇死して屍知る者無し【おすすめ】
    主人公の12歳の少女の物語、人間が年齢を重ねると動物に転化すると家族と話していた。自らは兎になると決めたが、仲の良い少年は驢馬に転化すると決めたらしく…

    女の子の気持ちが可愛くて守ってあげたくなっちゃうけど、実は一番恐ろしい作品でゾワゾワ感がエグかった。

    〇ドッペルイェーガー
    閉じ込められた館、女性は追われていた。狩人が武器を手に近づいてくる。彼女は隠れていたが見つかってしまい…

    大胆で繊細な絶妙なバランスをもってる先生だからこそ書ける作品ではないでしょうか。人間が持つ優しさと怖さの二面性が強烈に伝わってきました。

    〇痛妃婚姻譚
    豪華絢爛な衣装を身につけ舞い踊る美しい女性と、彼女を華やかにする絢爛師の男性の物語。その舞踏会は、何やら特殊は事情があるようで…

    現代の社会問題、自分を売る若い女性の姿と重なってしまって読んでて悲しい。二人を応援したくなるも、いつも端から見てるだけの自分が情けなくなった。

    〇『金魚姫の物語』
    体の周りに常に雨が降り続けるという運命を背負ってしまった女性の物語。

    いつも病や経済状況によって弱い立場の人たちを慮っているつもりでいますが、果たしてそれは本当の優しさなのかと考えさせられる作品。

    〇デウス・エクス・セラピー 【超おすすめ】
    躁病のため短期療養地に送られている女性。その途中、未来が見えるという男性から、療養地へ行くと虐殺されてしまうと忠告される。病気が良くなると信じていたのだが…

    超推し、おもろい!この展開と真相、そして胸糞悪さは一級品です。なんかもう人間の考えることの醜さに打ち震えました。最低ぶりが最高です。

    〇本は背骨が最初に形成る【おすすめ】
    第一作「本の背骨が最後に残る」の前日譚。

    もうやめて…、なんか未来すら辛い…。女が美に執着してしまったり、男が金に溺れてしまうような、人間の醜くなる瞬間を垣間見たような気がしました。

    ■ぜっさん推しポイント
    妄想力があまりに狂暴。正直イッちゃってる一冊です。

    かつて若かりし頃、漫画家である高橋留美子先生の『うる星やつら』を初めて読んだ時のような感覚。もちろん内容は全然違うけど、いつもとんでもない角度のキャラや物語を紡いできて、さらに可愛さと暴力が入り交ざってるんですよ。天才鬼才とはこういう人なんだと思った記憶があります。

    仕事や人間関係で疲れた方は、ぜひ本作を読んで、あっちの世界にトリップしてください。

  • 「異形コレクション」からの短編集、7編
    akiさんとか本とコさんとか、1Qさんが読まれて絶賛されていた本作品集

    平山夢明さんの「独白するユニバーサル〜」も異形コレクションだったと思いますが、それらと共通する作者の創造した異質な世界

    痛覚を伴う幻想世界
    若手作家(もう中堅かな)と思えない程、妖艶な文章で虚像を描きあげています
    美しいけど 平山さんと同様の薫香の猟奇性

    「痛妃婚姻譚」痛みの伴侶の姫達
    痛みを受けながら美しく華麗に装飾されていく
    好きな男と結ばれたい僅かな希望に強靭に生き
    最期の痛みを男に残した悲哀

    よろしゅうございました

    • おびのりさん
      mihiroさん、コメントありがとうございますなんか久しぶりの世界観で、よろしゅうございました笑
      レビューお待ちしてます
      mihiroさん、コメントありがとうございますなんか久しぶりの世界観で、よろしゅうございました笑
      レビューお待ちしてます
      2024/08/17
    • おびのりさん
      ウルトラさん、甘美グロという新しい扉です
      一度お開き下さい
      ウルトラさん、甘美グロという新しい扉です
      一度お開き下さい
      2024/08/17
    • おびのりさん
      TOP of henntai のゆっきー降臨
      若い子は夏は忙しいからね
      実生活では、普通の人に擬態しておくのよ
      そして ゆっくり hennt...
      TOP of henntai のゆっきー降臨
      若い子は夏は忙しいからね
      実生活では、普通の人に擬態しておくのよ
      そして ゆっくり henntaiに変身してお楽しみください
      2024/08/17
  •  こんなタイプの小説初めてー! 幻想ミステリー? ホラー? SF? そんな枠組など軽々と超越する世界観です!
     「衝撃の度合い」だと、『ハンチバック』と同等くらいのインパクト! (※ミステリーの〝結末の衝撃〟という意ではありません。内容そのものです。)

     7話の短編集ですが、どれもが残酷な異界を扱いながら、狂気ではなく甘美な感覚をもたらし、刺激的な内容です。斜線堂有紀さんの想像力と表現力により、このグロテスクと美しさが同居・融合する世界に飲み込まれてしまいます。
     他の読み手の皆さんはどう思うのでしょう? 本作は、著者の読み手への挑発か! 読み手を惑わす悪夢か! それとも甘美な夢か! どれもが当てはまる気がし、そのおぞましさで混乱してしまいました。
     表紙の装画・装丁も、美しさと不気味さが繊細に描かれ、本作の世界観とよくマッチしています。

     全編を通じて、人間の本性、欲望、偽善、それらの境界線‥、いろいろと考えさせられたものの、自分の中では「残虐+甘美=賛辞」とはなり難かったです。ただ、新たな衝撃的な作品との出逢いという点で、大きな収穫を得たことも事実です。

     おそらく読後の感想は、相性、嗜好、得手不得手もあり、完全二分と思われますが、ブク友の皆さんのレビューに注目したいと思います。

  • 斜線堂さん初読み♪
    なんだか装丁が、皆川さんの「開かせていただき光栄です」みたいで素敵\♡︎/
    もちろんイラストは同じ佳嶋さん♡

    7つの物語からなる短編集。

    おぉ〜なんて独特な世界観
    よくこんな物語考えつくな〜!
    ファンタジーなんだけど、不思議で、痛くて、残酷で、、だけど耽美。
    個人的には面白かったけど、きっとはっきり好き嫌い分かれそうな感じ。

    特に印象に残ったのは、

    ◇『痛妃婚姻譚』
    他人の痛みを肩代わりする痛妃と呼ばれる美しい女性達。
    その頂点に立つ柘榴と、彼女を支え愛する孔雀。
    100回頂点に立ち続けると、その役目から解放される。
    自由を夢見た2人の結末は、、。

    ◇『金魚姫の物語』  
    ただひとりをめがけて降る局地的集中豪雨に見舞われた女性の話。
    「降涙」と呼ばれるその雨は、傘をさそうが、水の中にいようが、決して逃れることができない。
    水で腐乱して死に至るまで降り続けるのだ。

    7つどれも奇妙な話だったけど面白かった!

    • 1Q84O1さん
      mihiroさーん

      そうなんですよ
      クセになりそうなこの世界観、良かったです!
      好物です(≧∇≦)
      mihiroさーん

      そうなんですよ
      クセになりそうなこの世界観、良かったです!
      好物です(≧∇≦)
      2024/08/19
    • あいさん
      みひろちゃん、こんにちは(^-^)/

      この作者さん1作読んだけど、本当独特だった(笑)
      もう読まないだろうなぁと思ったけど、みひろ...
      みひろちゃん、こんにちは(^-^)/

      この作者さん1作読んだけど、本当独特だった(笑)
      もう読まないだろうなぁと思ったけど、みひろちゃんのレビューを読むと心が揺れちゃうな(〃∀〃)ゞ
      2024/08/22
    • mihiroさん
      あいちゃーん、こちらでも♡♡
      やっぱり他の作品も独特なんだ〜!
      もう読まないと思ってだんだね〜ゞ(≧ε≦*) 爆笑
      それはそれで気になるな〜...
      あいちゃーん、こちらでも♡♡
      やっぱり他の作品も独特なんだ〜!
      もう読まないと思ってだんだね〜ゞ(≧ε≦*) 爆笑
      それはそれで気になるな〜(*≧∀≦*)
      独特すぎてたまに読むのがいい感じだと思うから、また忘れた頃に他のも読んでみる〜笑( ー̀֊ー́)و♡
      2024/08/22
  • うわあぁぁぁぁぁ…!

    なんだこの世界観は!?

    恐怖、痛み、残酷、悲しみ、そして美しさ…
    これらの感情が七篇の短編に描かれている


    その国では、物語を語る者が「本」と呼ばれる
    ところが稀に同じ本に異同が生じ、そこで開かれるのが「版重ね」だ
    どちらかの「誤植」を見つけるために各々の正当性をぶつけ合う本と本

    これが表題作の『本の背骨が最後に残る』なのだが、いきなり凄い世界観の作品から始まる


    『死して屍知る者無し』では、人間は必ず動物に転化するという世界へ
    兎、驢馬、山羊、豚…
    転化しようとしているそのときに知る真実は…


    二編を読み終えて読む手がとまりません!
    どんどん行ってみよー!


    『ドッペルイェーガー』では狩られる恐怖に、痛めつけられる恐怖に「やめて!やめて!助けて!助けてーっ!いやだぁあああああ!!!」と絶叫しそうになる


    『痛妃婚姻譚』は他人の痛みを肩代わりし美しく踊る女性の話
    美しく悲しいラストに涙する
    (これが一番好きです)


    ここまで読んでこの世界観から抜け出すことができなくなっています!
    次は!次は!と欲している自分がいます!


    『金魚姫の物語』では、突然現れる雨に永遠に閉じ込められる
    雨に憑かれた人間は決して逃れることは出来ずやがて死が訪れる
    その人のところにしか降らない雨は涙に等しいことから「降涙」と呼ばれる


    『デウス・エクス・セラピー』は短期転置療養を行う女性の前に未来が見えるという男が現れて…、まぁ、この話は置いときますかw


    そして、最後に『本は背骨が最初に形成る』は『本の背骨が最後に残る』の前日譚
    最後の最後でまたこの世界観に戻してくれるとはサイコーです!


    読み終えて・・・、この世界観にどっぷりハマり込んでいます
    まだしばらく浸っておきたいです
    とにかく凄いはコレ!

    • かなさん
      1Q84O1さん、こんにちは!
      斜線堂有紀さんですね~
      「恋に至る病」を読むつもりでいるのですが、
      なかなか読めずにいました(^-^;...
      1Q84O1さん、こんにちは!
      斜線堂有紀さんですね~
      「恋に至る病」を読むつもりでいるのですが、
      なかなか読めずにいました(^-^;
      この作品、面白そうですね!!
      でも、残念なことに図書館には入ってない…!!
      いつか、でも読んでみたいです♪
      2024/01/15
    • 1Q84O1さん
      かなさん、それは残念です…
      この作品はちょっと読んでみてもらいたかったです!
      また機会がありましたらぜひ!\(^o^)/
      かなさん、それは残念です…
      この作品はちょっと読んでみてもらいたかったです!
      また機会がありましたらぜひ!\(^o^)/
      2024/01/16
    • shintak5555さん
      なるほど!
      これほど1Qさんが乱れるレビューは稀ですね!
      心地よい世界観が飛び抜けてましたね!
      納得しました!
      なるほど!
      これほど1Qさんが乱れるレビューは稀ですね!
      心地よい世界観が飛び抜けてましたね!
      納得しました!
      2025/02/08
  • 斜線堂作品、絶対的に好きだ!唯一無二の世界観。誰でも持っている、人間の残酷さを楽しむ性癖、そして女性を美の象徴として捉えたホラー&SFを楽しめた。『本の背骨が最後に残る』は主人公は「本」。版を重ねるに従い誤植や意にそぐわない本は燃やされる運命に。「本」VS「本」の物語の競い合い。燃やされて残るのは本の背骨になる。『金魚姫の物語』では、自分にだけ雨が降り続け、体が徐々にふやけて朽ちていく。主人公の女性をモデルに心的描写を描いていく残酷な作品。全作品で斜線堂有紀の想像力により莫大な破壊力を堪能できます。⑤↑

  • 表題作を含む7つの短編集。

    どれも強烈なほどにエグい。
    けれどもそれぞれの物語の完成度は高くて、悍ましく感じるのに読むのをやめられない。
    この世界観の表現はできない。
    嗜虐性の極みだけが伝わってくる。

    ○本の背骨が最後に残る
    ○死して屍知る者無し
    ○ドッペルイェーガー
    ○痛妃婚姻譚
    ○金魚姫の物語
    ○デウス・エクス・セラピー
    ○本は背骨が最初に形成る



  • 年末に、休みだー!本めっちゃ読めるぞー!予約待ちの本もちょうど来たぞー!と思い、大量に借りたのに…
    風邪の再発も手伝って一冊も読めていない…
    気付くと返却日まで1週間切っておる!

    まあそんなわけで、後ろに予約待ちの方がいる本作だけは読まねばという事で無事に読了。
    周りの皆さんが絶賛していた本作、確かにこれは凄い!『恋に至る病』と同じ作家さんなんですか、これ?!
    前から装丁のイラストが素敵で気になっていたんですが、負けず劣らず世界観が凄い。幻想綺譚と言って良いのか、普通にお手洗いとか行って思い付いたとかだったらどうしよう。
    語彙力が無さすぎて説明できませんので、その辺は他の方のレビューを参考にして頂くとして、いつもの如く短編ごとに感想を。

    【本の背骨が最後に残る】
    人間が本になる国。紙の本は存在せず、本になった人たちに読み聞かせをして貰う世界。
    この国の本には、ごく稀に『誤植』が見つかることがあり、本の語る物語に食い違いが発生することがある。
    そんな時に催されるのが『版重ね』。
    食い違った物語を宿す二冊の本が、どちらの物語が正しいかを論じ合う。正しいと認められた側が正史であり、間違いとされた側は誤植持ち。
    負けた方は…業火で焚書!!

    この国にやって来た旅人が出会った本、十。目は焼き潰されており盲目なのですが、十vs赤毛の本の版重ねバトルが熱い…!怖い!
    人間が本になる事によって、弁が立つ方が勝利してしまう凄い設定!
    ちなみにこの国に来るために旅人は多くのものを失い元には戻れなくなったそうなのですが、もっとこの国の詳細も知りたくなりました。どんな恐ろしい国なんだ!
    初っ端から脳内を鷲掴みされます。

    【死して屍知るものなし】
    師の指導の元で人々は平和に暮らしていました。このコミュニティでは死の概念はありません。やがては皆、好きな動物に転化してまたコミュニティの一員として仲良く暮らして行くのです。
    私は何になろうかな。猫になって一日中ゴロゴロするか鳥になって空を楽しむか…こりゃ死なんか怖くないわい!

    本当に…?

    12歳の少女は兎になる事に決めました。ケージの中でふわふわと生きていけるんだ、結婚したい彼と番になっていつまでも暮らしたいな。
    果たしてその夢は叶うのか。

    この話ゾッとしました。そんなまさか…
    凄い急転直下。

    【ドッペルイェーガー】
    進撃の巨人のエレンが分裂する話ではありません。(真っ先に思い浮かんだ)
    謎の館に監禁されているケイジュは、度々狩人に追われ虐待を受けています。逃げろ!隠れろ!なぜ追われるんだ!
    恐怖と痛みと恐怖と痛み…

    やっぱり人間が1番怖いと震え上がるのですが、最後が凄い。なるほど、そうなるよね、と読み終えた後は妙に納得。
    人間対お化けはどっちが怖いのか問題は暫く解決しなさそう。(結局物理法則が効かない相手も怖い)

    【痛妃婚姻譚】
    美しい世界観なのですが、裏側は悲しくてまたもや痛い物語。
    想像を絶する痛みを抱えながら絢爛に着飾り舞踏会でダンスを踊る痛妃。そして彼女を誰よりも美しく着飾る為に常に側にいる絢爛師。
    全ては自由になる為。

    あまりにも美しく悲しい物語。
    このお話を読んだ後、少しの間次に行けず浸ってしまいました。
    なんでこんな事に…涙
    2番目に好きな短編でした。

    【金魚姫の物語】
    自身の周りにだけずっと雨が降り続けてしまう奇病。
    皮膚がどんどん溶けて行き最終的には死に至る病。
    1人の美しい少女がこの奇病に襲われる。
    彼女の写真を以前から撮りたかった青年は、写真の展示会に今の彼女の姿を使う事に決める。

    対岸の火事を興味本位で見ている人間の醜さが表現されていますが、青年の決断に救われました。
    最後はまた読者に委ねられた感じになりましたが、やっぱり悲しい結末にしか思えない…。
    青年の写真が少しでも彼女の心を癒してくれた筈だと信じるばかりです。

    【デウス•エクス•セラピー】
    1番好きだった作品がこちら。
    クズすぎる父親のせいで躁病とされて精神病院に放り込まれたフリーデ。
    自分は少しもおかしくないのに、誰も話を聞いてくれず、治療という名の拷問を受け続ける毎日。
    そんなある日、同じくまともだと主張する仲良くなった女性がヴァケーションという名の真の治療に向かうと言う。これで自由になれる、この治療を施すドクターは信頼できる、と…。
    彼女が消息を経って暫く後、次のヴァケーションにフリーデは選ばれ向かう事に。
    ところが、治療に向かう船で未来が見えるという青年に出会い、治療を受けては駄目だと止められる。

    昔の精神病院はかなり酷かったみたいですね。特に貴族が表に出せない問題児の子供を放り込んでしまう事も多かったようで…
    これは、途中まではよくある精神治療の闇を描いたホラーかと思い、それはそれで好きな題材なので(なんか誤解されそうだな…)面白く読んでいたのですが…
    来たー!一本背負い!なんと、そういう話だったのか!
    これも長編で読んでみたかったですが、この短さならではのスピード感が良いのかも。

    【本は背筋が最初に形成る】
    十の過去のお話。また胸熱の『版重ね』が見られるとは!
    十に心酔している少女の視点でお話が進んで行きます。
    1話目でも思ったのですが、『版重ね』でテーマとなる作品の斜線堂さんが新たに創造した解釈が凄い!
    誰でも知っている馴染み深い作品ばかりなので余計にそう思うのかもしれませんが、本当はこういう物語なのかと勘違いする位の説得力。
    この1話目と最終話だけネトフリなんかで実写化してくれないかなあ。『版重ね』を視覚的にも観てみたい。
    少々、いや大分残酷ですが。

    本作はどれも外れがなく、残酷だけれど美しい物語でした。
    唯一無二の世界観をお探しの方で、多少の残酷描写も美味しくいただけるよ、という方には是非とも読んで頂きたいです。

    年末にお借りして読まずに終わった漬物石のような本達を明日に返却しに行くのですが(よりによってぶっとい本が多い)、今度は予約待ちがかなりいる人気本の予約割り当てラッシュが来ております。
    嬉しい悲鳴をあげております!



    こんなにかぶらなくても良いのに…(本音)

    • yukimisakeさん
      また関西に出張して来ないかな、戸隠そば…(@ ̄ρ ̄@)
      また関西に出張して来ないかな、戸隠そば…(@ ̄ρ ̄@)
      2025/04/12
    • きたごやたろうさん
      ゆーき本さんへ

      その時はよろしくです!
      ゆーき本さんへ

      その時はよろしくです!
      2025/04/12
    • きたごやたろうさん
      yukimizakeさんへ

      戸隠そば、めちゃくちゃおいしいのに、長野県は宣伝下手だから、あまり実は売れてないんです…。
      yukimizakeさんへ

      戸隠そば、めちゃくちゃおいしいのに、長野県は宣伝下手だから、あまり実は売れてないんです…。
      2025/04/12
  • 読書備忘録892号。
    ★★★★★。

    ユキさまが仰っているように、異世界奇譚という表現がぴったりです。またの名をダークファンタジー。

    光文社発行のシリーズ「異形コレクション」に収録されている6編と書下ろしの1編を加えた7編で構成されています。
    書下ろしの1編は、表題作「本の背骨が最後に残る」の前日譚という位置づけです。

    どの作品も我々の住む世界とは明らかに異なる異世界を舞台にしており、その設定から楽しめる。
    そしてストーリーは短編ながらしっかりと結末されており十分な満足感が得られる!

    こんな良書が品川図書館では、11ある図書館のどこかの棚には置かれているのでチャリでちょいちょいと行けば予約なしで借りれる。ホントに読書好きには良い環境だ・・・。

    作品ごとに世界観とストーリーをネタバレ弱めで備忘記録します。
    (詳しくは完璧な長文レビューをアップ下さっているyukimisakeさんの本棚へ急げ!)

    【本の背骨が最後に残る】
    どこかの小国。
    この小国では紙の本は存在せず、人間がストーリーを記憶することで本の役割を担っている。
    1人1作の本という原則。
    すなわち全集的な本は許されておらず禁忌。
    ただ、出版権とかがある訳ではないと思うので、同じ作品が複数(複数の人間)存在する。
    そして、人によって記憶されているストーリーに違いが出ることがある。
    これを誤植と呼び、それを修正するのが「版重ね」というイベント。
    どちらが正しいか弁論し合い、負けた方の本は焼かれる。すなわちヒトが焼かれるイベント。
    この小国の民はこのイベントを娯楽として捉え楽しみにしている・・・。
    そして、本として生きるのは概して女性。
    女性が焼かれていくというグロい物語でもある。

    主人公は、1作というルールを破り、10の物語を持つ十。罰として両目を焼かれている。
    そして彼女が記憶している作品「白往き姫」の版重ねが行われることとなった。
    相手は「白往き姫」の真のストーリーに絶対の自信を持っている。
    炎に炙られながら戦う彼女らは美しさが際立つ。
    焼かれる白い肌、煮え立つ赤い血・・・。
    そして自分が正しいことを弁ずる!詭弁をもって!

    【死して屍知るものなし】
    命に限りが無い?という世界。
    命はヒトとして生を受ける。そしてヒトとして死する時、動物として生まれ変わる。これを転化と呼ぶ。
    そして、繰り返し動物に転化していく。

    12歳の少女くいな。いずれ転化する時は兎になりたい。
    可愛いから。
    この世界は師によって統べられており、ヒトとして生きている時から転化後の動物を決めておくことが重要みたい。
    おじいちゃんみたいに、くちゃくちゃ涎を垂れ流しながら残飯を食べるだけの山羊にはなりたくない。
    くいなの友達のミカギ。転化後はヒトの役にたちたいから驢馬になりたいという。
    そしてミカギは事故にあって死んでしまう。そして・・・。こわっ!

    【ドッペルイェーガー】
    これは現実世界の延長?

    エレンが主人公ではございません。
    どこかの屋敷。ケイジュとかいう主人公は狩人に追われている。
    そして、狩人に痛めつけられている。

    シーンは変わり、早乙女理々沙という少女がピアノのレッスンを受けている。
    先生は慶樹という名前。婚約者の光葉。
    ライカス。う〜ん。
    ドッペルゲンガーにかけているんでしょうね。
    一番響かなかった作品。

    【痛妃婚姻譚】
    どこかの異世界。
    痛妃という概念。
    他人の痛みを「蜘蛛の糸」というデバイスを通じて引き受ける美しき女性。
    もとは医療・疾病における痛みを他人に逃がす技術。
    痛妃の条件はまず美しい女性であること。痛妃として召集される。所謂赤紙的なものが届く。
    選ばれた彼女らは、想像を絶する痛みを抱えながら舞踏会で踊ることを強いられている。
    そして、一切痛みを感じさせず美しく踊った痛妃が勝つ。
    百夜を通じて連続勝利することを「百夜通し」と言い、痛妃の任を解かれ自由になる。

    飛び抜けて美しい痛妃の石榴。
    連勝記録を伸ばして百夜通しまであと一晩。
    石榴を美しく着飾る為に存在する絢爛師の孔雀。
    石榴を敵視する通妃の玉髄。
    目が潤むくらいの悲しい恋愛ストーリーでした。

    【金魚姫の物語】
    これも現実世界の延長みたいですが、ある時から変な現象が起きる。
    雨が降る。狙われたその人のところにだけ。
    服を着ようが、防備しようが雨は皮膚に直接あたる。
    そして、人間の皮膚は長時間水に晒されることに耐えられない。
    最終的に死ぬ。

    主人公の美しい少女遥原憂(うい)。
    彼女を降雨現象が襲った。
    同級生のカメラ小僧、雨宮准。憂に恋する男子。憂の写真が撮りたくてシャアない。
    雨に襲われた憂はずっと断ってきたカメラ撮影を許すことに。
    美しい写真と破滅へのカウントダウン。
    純愛ストーリー。

    【デウス・エクス・セラピー】
    現実世界。時は1893年9月16日。
    フリーデ・カナシュは父親から性的暴行を受け、そこから抜け出すために暴れて精神病院へ。
    精神病院に入った上で、先生に「実は私はこれこれで正常なんです!」と言えば済むと思っていた。
    しかし、そんな目論見は上手く行かず、あれよあれよという間に、離島でヴァケーションと呼ばれる精神安置治療を受けることに。
    そこに現れた、未来予知ができるロス・グッドウィン医師。
    彼はフリーデに、ヴァケーションを受けたらダメだという。殺されると。
    果たして彼は何者で、言っていることは真実なのか!

    なるほど、このストーリーは凝ってますね!

    【本は背骨が最初に形成る】
    表題作の前日譚。
    本屋の棚で生活する十。10の物語を記憶した十は罰として目を焼かれて盲目となった。
    目を焼かれたことによる感染症で高熱を出して伏せる。

    そんな状態の十に更なる懲罰的に、版重ねの連絡が届く。
    作品は姫人魚。人魚姫?
    戦いは始まる。
    十の驚くべき物語解釈が相手を圧倒する!

    このバトルがこの作品の肝ですね!
    ただちょっと心配なのは本屋の娘、綴ちゃん。
    良いのか?その選択で!人生の選択はめっちゃ重要やぞ!
    まあ、記憶する作品は、唯一無二かも知れないから版重ねは無いかもね・・・。

    楽しめました!
    ゆきサマ、めっちゃ読みたくなるレビューをありがとう!

    • shintak5555さん
      マキさま
      無理はあかんです!
      ユキさまのレビューで問題ないです!
      マキさま
      無理はあかんです!
      ユキさまのレビューで問題ないです!
      2025/02/08
    • ゆーき本さん
      あ!シンさんも星5だ!
      みんな痛いの平気なんだねぇ(*ˊ ˋ*)
      あ!シンさんも星5だ!
      みんな痛いの平気なんだねぇ(*ˊ ˋ*)
      2025/04/13
    • shintak5555さん
      ゆーきサマ
      痛いだろうなぁ〜、というくらいが自分の精神の健全性をちょうど良い感じに保つのです!
      感受性高く、気持ちも痛みも持っていかれるとキ...
      ゆーきサマ
      痛いだろうなぁ〜、というくらいが自分の精神の健全性をちょうど良い感じに保つのです!
      感受性高く、気持ちも痛みも持っていかれるとキケンかと思うのがポリシー!
      2025/04/13
  • ☆4よりの3かな
    若きビブリオマニア斜線堂有紀さん
    ビブリオマニアとは?

    強迫神性障害の一種で、社会生活もしくは当人の健康に悪影響を及ぼすほどの書籍収集

    らしいです…初めて知った。

    人間の持つ残酷さを妖艶な文章で描いていてグロく
    淫靡で倒錯的。

    「痛妃婚姻譚」がよかった〜♪

    この装丁は目を引きますね〜美しい(〃ω〃)




    • みんみんさん
      後ろは娘です笑
      内緒ですよ(゚-゚*;)(;*゚-゚)
      後ろは娘です笑
      内緒ですよ(゚-゚*;)(;*゚-゚)
      2025/03/19
    • 1Q84O1さん
      みんみんさん

      やばい!
      ひま師匠の娘さんたちに続いてみんみんさんの娘さんも変の態に狙われている
      ((((;゚Д゚))))ガクガクブル...
      みんみんさん

      やばい!
      ひま師匠の娘さんたちに続いてみんみんさんの娘さんも変の態に狙われている
      ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
      2025/03/19
    • yukimisakeさん
      o(* ̄ー『+』) ロックオン!!
      どの娘さんが我が王国の姫君に…(*´-`)
      o(* ̄ー『+』) ロックオン!!
      どの娘さんが我が王国の姫君に…(*´-`)
      2025/03/19
  • サディスティックでグロテスクでファンタジー⟡.·*.

    私はこれを怪奇幻想耽美嗜虐小説と名付けます

    はじめましての斜線堂有紀さん(わたしと同じ名前!)は7編の短編集。

    一番好きだったのは
    『痛妃婚姻譚』
    麻酔の技術がない世界で、手術を受ける者の痛みを肩代わりする【痛妃】。患者と痛妃は互いに首に着けた「蜘蛛の糸」と呼ばれる器具で痛みを分け合う。
    病院の裏に建つ「城」で毎夜 行われる舞踏会。
    耐えられない程の痛みを受けながら 優雅に舞う痛妃たち。その日の舞踏会の主役となった痛妃に贈られるのは紅い椿。百日通して紅椿を手にした痛妃は城から出る権利を得られる。

    輝くほどの美しさと、痛みを感じさせない優雅な佇まいで九十九日に渡って赤椿を手に入れた石榴。石榴に【百夜通し】を達成させる為に彼女を飾り立てる絢爛師の孔雀。

    石榴の百本目の赤椿がかかった舞踏会の夜。嫉妬に狂った痛妃が 石榴に仕掛けた罠とは…。

    痛妃たちのドロドロでグログロのバトルかと思ったらさぁ!
    痛妃と絢爛師の許されない悲恋の物語ってさぁ!!!

    好きっ

    「私と踊れ、孔雀」「私が全てに耐える為に。この身の地獄を夢とする為に」

    石榴 かっこよーーー好きーー♡



    他の章のあらすじをお知りになりたい方はぜひ yukimisakeさんのレビューへレッツゴーなのです´▽`)ノ

    『本の背骨が最後に残る』の十
    『金魚姫の物語』の憂
    そして『痛妃婚姻譚』の石榴
    この三人の女性は 痛みが強ければ強いほど、死が近づけば近づく程に内面からの美しさが増す感じです。


    『死して屍知る者無し』はタイトル秀逸。
    死の恐怖から逃れたいという集団心理?の怖さかな〜と思った。死という概念を無くして 人は転生してまた生きると信じている。しかし、あぁぁ、なんという恐ろしい終わり方。光から闇に落とされる。
    「人間が転化しないなら、この果てない闇の先にはなにがあるのだろう」

    『デウス・エクス・セラピー』
    ユキの好きな精神病棟系。読み始めは映画の『シャッターアイランド』的な展開だと思ってた!本当に狂っているのは誰か?みたいな。 え?へ?まさかそんな話だとは…。『死して屍』とは対照的な物語だと感じた作品。闇から救う男。でもその先にあるのは光ではなく。そりゃ嗜虐嗜好のある人にいたぶられながら死ぬのは嫌だが。

    『ドッペルイェーガー』
    人に言えない秘密を持った人が、社会に溶け込んで生きていくのは大変だ。それが他人から見れば「異常者」と呼ばれる類のものなら尚更でしょう。嗜虐嗜好の持ち主の桂樹はある方法で 誰にも迷惑をかけずに自分の欲を満たしていたが…。
    これが一番痛い話だったなぁ。


    痛い痛いとは聞いておりましたが、読んでいる間中 何度「痛たたたたー!」と叫びそうになったことか。いんや、そんな可愛い叫び声じゃ足りないな(なにが)。『ドッペルイェーガー』のケイジュは
    「い、いだい。ひ・・・・・嫌だ嫌だやめてやめて!助けて、助けてーっ!やだーっ!あああああああああ!!!」って絶叫してたもんな、、、。
    痛た疲れました。いや、痛たお腹いっぱいでした(どういう状態)
    ご馳走様でした。




    • ゆーき本さん
      水戸黄門みたいに 色んな人が主演をしてるんだね〜。杉さまだと色気ありそうね
      水戸黄門みたいに 色んな人が主演をしてるんだね〜。杉さまだと色気ありそうね
      2025/04/14
    • ultraman719さん
      お気になさらず!
      お気になさらず!
      2025/04/14
    • 土瓶さん
      タンタンタンターンタンタン ターンタンタンターンターン♪
      大江戸捜査網は曲が激しくてかっこいいんよ。
      全然時代物っぽくはないけど(笑)
      タンタンタンターンタンタン ターンタンタンターンターン♪
      大江戸捜査網は曲が激しくてかっこいいんよ。
      全然時代物っぽくはないけど(笑)
      2025/04/14
  • 7篇の短編集
    どの話も不思議で絢爛甘美なのに、苦痛が、血が、悲鳴が付き纏う。凶暴で救いのない世界にあって、主人公達は不気味でありながらどこまでも美しい。

    特に良かったのは
    「本の背骨が最後に残る」は、版重ねの残忍さは恐ろしいが十の語りに引き込まれてしまう。

    「痛妃婚姻譚 」は、どこまでもやるせない仕組みの中にあって、気高く美しい石榴と尽くす孔雀に、どうか救いがあるように。と思ってしまう。

    「デウス・エクス・セラピー」は、ただ虚無感、無力感を感じてしまう。

    すごく好き嫌いが別れそうだけど、この世界観は抜け出せなくなる。

  • 痛くてグロくて美麗な幻想奇譚。
    七篇。

    なんだか平山夢明さんっぽいなとも思った。
    違いは、平山夢明さんは醜くコミカルなのに対し、斜線堂有紀さんは美しく悲劇的。
    どちらも残酷。

    好みだろうね。

    とても上手いし読ませるし着想も凄いなとは思うんだが。
    なんかねー。
    重心が設定寄りなんだよね。
    狂気の重心が。
    設定一本勝負って気がした。
    設定の狂気より人間の狂気のほうが好き。

    ただの好みだけどね。

    表紙は好き。

    • 土瓶さん
      ゆーき本さん。
      これいけると思いますよ。
      ★4か★5を予想。
      お楽しみに~(^◇^)
      ゆーき本さん。
      これいけると思いますよ。
      ★4か★5を予想。
      お楽しみに~(^◇^)
      2025/04/05
    • shintak5555さん
      波動砲!発進!
      ウケすぎ君!
      波動砲!発進!
      ウケすぎ君!
      2025/04/06
    • yukimisakeさん
      土瓶さん、その辺はめっちゃ分かります!
      「塩が足りないんだよ!塩が!」は名言だと思います。
      土瓶さん、その辺はめっちゃ分かります!
      「塩が足りないんだよ!塩が!」は名言だと思います。
      2025/04/06
  • 表紙の雰囲気からファンタジー系かと思いましたが、随分印象が異なりますね。

    スプラッター系?
    ゴシックホラー?
    気持ち悪さが何かに似ている。。。
    これは「アメリカン・ホラー・ストーリー」の雰囲気に似ているんじゃないか?!

    小説にはスプラッター系の要素も含まれているんですよね。
    このジャンルは映画でも苦手なんですよねぇ。
    小説でもやっぱりダメでした。
    暴力って無条件に恐怖を掻き立てるじゃないですか?
    そして無条件に「Yes」といわせますよね。
    この無条件っていうのが、性格的に合わなくてね。
    よくXで表紙を見かけたので読んでみましたが、私には合わなかったです・・・。

    しかし、読み終わって2日経ってますが、未だに表紙を見ると気持ち悪くなるので、インパクトのあるストーリーである事は間違いないです。
    (文章であの気持ち悪さを表現しているのは、かなりの文章力だと思う)

  • 斜線堂有紀|note
    https://note.com/syasendou/

    斜線堂有紀(@syasendou_you_ki) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/syasendou_you_ki/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D

    「佳嶋」KASHIMA illustration art works - 佳嶋 KASHIMA Illustration art works
    https://echode.jimdofree.com/

    本の背骨が最後に残る 斜線堂有紀 | フィクション、文芸 | 光文社
    https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334100513

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆残酷さの中にきらめき[評]石堂藍(ミステリー評論)
      <書評>『本の背骨が最後に残る』斜線堂有紀 著:東京新聞 TOKYO Web
      http...
      ◆残酷さの中にきらめき[評]石堂藍(ミステリー評論)
      <書評>『本の背骨が最後に残る』斜線堂有紀 著:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/292149?rct=shohyo
      2023/11/27
  • 一体何を食べたらこんな物語を生み出すことができるんですか?????
    表題作でまず鷲掴みにされ、この設定だけで長編1冊書けるであろうものを…短編集として何の惜しげもなく繰り出される激烈な異世界に、焼き尽くされたような読後感です。
    『デウス・エクス・セラピー』は映画シャッターアイランドをちょっと思い出したな。あとは『ドッペル・イェーガー』が印象に残っています。二重三重の深層が描かれていて、なんともいえない後味。

    全編”これは一体何だったんだ…”という、イヤミスともホラーとも言えるような、不完全な結末を迎えつつも、この本の表紙と裏表紙が「十の物語」で綴じられていることで完成してしまう…成ってしまってる…と頭を抱えました。はーーー2024年最後にとんでもない作品に出会ってしまった。

  • 独特過ぎる世界観に最初意味がわからなくて困惑しました。
    それでも何とか読み進めるうちに感情移入して夢中で読んでいる自分に気づきました。
    とんでもない本に出会ってしまったかも知れません笑
    グロテスクで悲しい話ばかりなので読む人をかなり選ぶ作品だと思います。

  • 不気味さより、美しさが勝る装画
    タイトルも色味も好き

    7つの嘘の形、虚構や隠蔽
    或いは恐怖と儚さの短編集
    どの物語も表題作になり得る程
    完成度が高い!!

    特に『痛妃婚姻譚』は読んだ後余韻が凄まじく
    すぐに次の物語に進めなかった

    表題作の『本の背骨が最後に残る』
    7つの物語の始まりと最後を締める物語
    この国では「本」とは物語を語る「人」そのもの
    タイトルが本の名前となる
    その人の着飾る物、化粧等を装丁と呼ぶ
    一般的な「本」は「肺を持たぬ本」と呼ばれる
    稀に誤植が見つかる
    その場合は本同士が向かい合い
    物語の正しさを論じ合う
    それを「版重ね」という
    それを裁く者を「校正使」という
    負けた方は焼かれ、最後に残るのは
    「本」の背骨である
    「本」とは命と人生そのもの、
    焼かれるそのときまで美しい
    故に人は憧れる「本」になりたいと
    「版重ね」に魅入られていく・・・

    やはり表題作というだけあってインパクト抜群
    おぞましいが、物語に引き込まれる

    独特の余白や頁数の位置
    装丁や内容も含め、
    あたかも。この本自体が読める芸術品のよう

  • 背骨に鳥肌の一冊。

    七話からなる、超異色の異世界の物語は変な例えだけれど、肌を飛び越えて背骨に鳥肌でちゃったような世界観。

    ざわざわ見事に絡めとられてしまった。

    紙の代わりに選ばれた人間が本として物語を語り継ぎ、正しき者だけが残る世界を筆頭に死や痛みの世界が心と目を突き刺していく。

    いっそのこと残酷グロだけだったなら潔く本を閉じられるのに。
    そうは本が許さない。

    人が心の奥底に秘めているかもしれない願望、残酷や痛みさえも耽美に昇華させ、仄かなせつなささえも漂わせるなんて。

    思わず本の背を指でなぞらずにいられない読後感。

全140件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

2016年、『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。楽園とは探偵の不在なり』『恋に至る病』『コールミー・バイ・ノーネーム』ほか著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斜線堂有紀の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×