リカバリー・カバヒコ (文芸書・小説)

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  • 光文社
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感想 : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334100520

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、『伝説』を信じているでしょうか?

    “ある時、特定の場所において起きたと信じられ語り伝えられてきた話”、それが『伝説』です。古事記や日本書紀に古代の人々が書き残したこの国のはじまりの『伝説』、9000年前に海中に没したとされるアトランティス大陸の『伝説』、そして、誰もが心ときめかす徳川埋蔵金の『伝説』など、私たちはさまざまな『伝説』と共に生きています。その言葉の響きだけで無性に夢とロマンを掻き立てられもする『伝説』は、一方で”眉唾もの”という言葉と紙一重の存在でもあります。真実を探ろうとしてもさまざまな壁が立ちはだかる『伝説』という存在は、逆に解き明かされないからこそ、いつまでも夢とロマンと共にある存在と言えるのかもしれません。

    しかし、『伝説』とは本当に夢とロマンで終わるものなのでしょうか?そんな『伝説』が真実になることはないのでしょうか?

    さてここに、都内のある街に伝わる『伝説』を取り上げた物語があります。

    『カバヒコにはね、自分の体の治したいところと同じ部分を触ると回復するっていう伝説があるのよ』。

    この作品は、『日の出公園』という『団地に囲まれた小さな公園』の隅に置かれた『カバ』の『アニマルライド』に触れる主人公たちを描く物語。そんな主人公たちが、それぞれの痛みから『回復』する様を見る物語。そしてそれは、『 大丈夫、リカバリーしたんだ。もう、前と同じぼくじゃない』と主人公たちが再び顔を上げる瞬間を見る物語です。
    
    『新築マンションだぞ。奏斗も嬉しいだろ』と『中学三年生の夏に父さん』に言われたのは主人公の宮原奏斗(みやはら かなと)。『アドヴァンス・ヒル』という『仰々しい名前の』マンションへ『中学卒業と同時に引っ越すことになった』奏斗は『郊外にあるのんびりした街の公立中学に通』い、『通知表には5が並』ぶ『優等生』でした。そして『都内の進学校を受験』し合格した奏斗は、中学には『心を開けるような友達は僕にはいなかった』こともあって、『さっぱりした気分で』、『新しい家、新しい生活』へと向かいます。『話の合う、僕にぴったりの友達ができるに違いないと思』う奏斗でしたが、『新学期が始まってすぐ、僕はどこにも分類されないことを知』ります。『身の置き場』のない学校生活に困惑する奏斗は、『中間テストを受けて、大打撃を受け』ます。『ことごとく低得点で』、『プライドはズタズタ』になった奏斗。『四十二人中、三十五位』というクラス順位を知らされ愕然とする奏斗。『こんなもの、母さんには見せられな』いという中、『頭を抱える』奏斗は、『自分以外がみんな天才に見える。みんな余裕の顔してる』とクラスメイトたちを見ます。そして、『6を、8に』、『1を、9に』書き換え、『平均点は69点だったよ』と89点に加工された結果を母親に見せ、『やっぱりすごいわねえ』と褒められるも、『どうして僕は、バカになっちゃったんだ…』と思い悩みます。場面は変わり、『そのまま家に帰る気になれな』い奏斗は、裏道へと入り『サンライズ・クリーニング』という店の先へと進んでいきます。そこには、『「日の出公園」と彫られた』石板が入り口に置かれた『小さな公園』がありました。『僕の他には誰もいない』という公園に入った奏斗は、『すみっこにいる動物っぽい姿に気づ』きます。そこには、『ぽつんと一頭だけ』、『カバ』の『アニマルライド』が置かれています。『楕円の大きな瞳はちょっと上目遣いで』、『口がにいっと横に大きく広がり、端っこが上が』り、『上向きの鼻は盛り上がった丘のてっぺんに離れて鎮座し、なんとも間の抜けた、あきれるほどのんきな表情』という『カバ』。そんな『カバ』に近づいた奏斗は、『後頭部に太い黒のマジックで「バカ」と落書きされている』のを見つけて心が痛みます。そして、消しゴムを使って消そうとしますが汚れは落ちません。翌日、『学校が終わると公園に直行』した奏斗は、そこに『制服姿の女の子が』いることに気づきます。それは、『同じクラスの』雫田(しすくだ)でした。『宮原奏斗じゃん』、『なんでこんなとこにいるの?え?家、近所?』と語りかけてきた雫田は公園の近くの団地に住んでいました。そんな中、唐突に『カバヒコ〜』と『カバ』に呼びかけた雫田は、『カバ』へと寄っていくと『カバヒコってね、すごいんだよ。怪我とか病気とか、自分の体の治したい部分と同じところを触ると回復するって言われてるの』と続けます。『このみすぼらしいカバに、そんなご利益が』と思う奏斗に、『人呼んで、リカバリー・カバヒコ』と語る雫田は、『このあたりだけの都市伝説みたいなもんでさ』と『腰をなでたらヘルニアが治った』おばあさんの話をします。一方で、『しょせん科学的根拠なんかないし』と言う雫田ですが、『いいことを、聞いた』と思う奏斗は、『僕はバカを治したい。またみんなに「頭いいね」って言われたい』と思います。そして、『美人になりますように』と、『カバヒコの顔をなで』る雫田を見て、『カバヒコの頭に手をや』り、『頭脳修復、たのむよ、カバヒコ!』と祈る奏斗。そんな奏斗を見て笑う雫田に、『久しぶりにほっとした気持ちにな』る奏斗は、『フランクに話ができる同級生がやっと現れた』と思います。そんな奏斗のそれからの日常が描かれていきます…という最初の短編〈第1話 奏斗の頭〉、共通して登場する『カバヒコ』の存在を強く印象づける好編でした。

    “2023年9月21日に刊行された青山美智子さんの最新作であるこの作品。”発売日に新作を一気読みして長文レビューを書こう!キャンペーン”を勝手に展開している私は、7月に瀬尾まいこさん「私たちの世代は」、8月にも寺地はるなさん「私たちに翼はいらない」と、私に深い感動を与えてくださる作家さんの新作を発売日に一気読みするということを積極的に行ってきました。そして、このキャンペーンのきっかけとなったのが2021年9月9日刊行の青山美智子さん「月曜日の抹茶カフェ」でした。そう、私にとって青山さんはなくてはならない大切な作家さんでもあるのです。そして、そんな青山さんの新作が刊行される情報を得て、今回、発売日早々にそんな作品を手にしたというのがここまでの経緯です。

    そんなこの作品の帯には手書きで”大丈夫。私たちはきっと、リカバリーできる。”と記されています。そして、帯の下方に小さく”公園の古びたカバの遊具、カバヒコ。カバヒコに触れると、治したいところが回復するという。”と意味深な説明がさらっとなされてもいます。触れると、治したいところが回復する!という『伝説』。長野県善光寺の尊者像など、触れると病気や痛みが治るとされる像は古の世から数多存在します。触られすぎて禿げてしまっているものも存在するなど、人々が苦しみから逃れるために何かに縋ろうとする思いの強さをそこに感じもします。この作品では、そんな『伝説』をもたらす存在が登場します。『リカバリー・カバヒコ』という『カバ』の『アニマルライド』がそれに当たります。では、まずはそんな『カバ』がどのようなものかもう少し詳しく見てみましょう。

    ● 『カバヒコ』について

    ・設置場所: 『日の出公園』- 『サンライズ・クリーニング』の先にある『団地に囲まれた小さな公園』の隅

    ・姿形: 『茶色に近いようなくすんだオレンジ色で、それもところどころ塗料が剝げている』、『楕円の大きな瞳はちょっと上目遣いで』、『口がにいっと横に大きく広がり、端っこが上が』り、『上向きの鼻は盛り上がった丘のてっぺんに離れて鎮座し、なんとも間の抜けた、あきれるほどのんきな表情』の『アニマルライド』

    ・伝説: 『自分の体の治したいところと同じ部分を触ると回復するっていう伝説がある』
    ※ 『サンライズ・クリーニングのおばあちゃんもカバヒコの腰をなでたらヘルニアが治った』

    さてどうでしょうか。公園によく見られる『アニマルライド』、それが『くすんだオレンジ色』の『カバ』ということでどことなくイメージいただけると思います。そんな『カバ』に、隠された力がある!それがこの作品の一つのポイントです。この作品は五つの短編が連作短編を構成しており、そんな五つの短編全てにこの『カバ』の『伝説』が登場します。つまり、『カバ』が短編を繋ぐキーになっていると言えます。青山さんと言えば連作短編というくらいに連作短編のイメージが濃い作家さんですが、ポイントはそんな連作短編の作りの差異です。青山さんはこれまでに12の小説を発表(絵本仕立ての作品等企画ものを含む)されており、12の作品は以下の4つに分類されると思います。

    ① 人と人が繋がっていく連作短編
    → 「木曜日にはココアを」、「月曜日の抹茶カフェ」、「赤と青のエスキース」

    ② 一つの場所、モノで繋がる連作短編
    → 「お探しものは図書室まで」、「月の立つ林で」、「X」

    ③ ファンタジー系連作短編
    → 「ただいま神様当番」、「猫のお告げは樹の下で」、「鎌倉うずまき案内所」、「Y」

    ④ 企画もの(さてさてのレビュー形式では取り上げるのが難しいため泣く泣く未読)
    → 「いつもの木曜日」、「マイ・プレゼント」、「ユア・プレゼント」

    さて、この”カバヒコに触れると、治したいところが回復する”という作品は、”X”に分類されるものでしょうか?、それとも、”Y”に分類されるものなのでしょうか?…さて。ということで、その答えは、モニョモニョ…これから読まれる方のお楽しみとさせていただきたいと思いますが、いずれにしても極めて青山さんらしい物語がそこには展開していきます。
    ※上記のように分類をまとめてみて、青山さんご本人?担当編集者さん?の作品作りのバランスの絶妙さに本屋大賞常連の理由の一端を垣間見た思いです。

    では、次はそんな五つの短編について触れておきましょう。青山さんの作品らしく、それぞれの短編には何かしらの悩みを抱えた主人公たちが登場します。

    ・〈第1話 奏斗の頭〉: 『中学卒業と同時に引っ越』し、『都内の進学校』に進んだのは主人公の宮原奏斗。『希望を胸に高校に入学した』奏斗ですが、レベルの高い授業についていけず、『自分以外がみんな天才に見える』、『どうして、どうして』と、思い悩んでいます。そんな中に『カバヒコ』の存在を知った奏斗は…。

    ・〈第2話 紗羽の口〉: 『夫の佳孝』の提案でマンションに引っ越してきた紗羽が主人公。娘のみずほが年長に上がるタイミングでの引っ越しに戸惑うも新生活をスタートした紗羽ですが、『通園バス』の見送りに集まる『ママ友』との付き合いに馴染めず思い悩みます。そんなある日、『カバヒコ』の伝説を聞いた紗羽は…。

    ・〈第3話 ちはるの耳〉: 『耳がふさがれるような閉塞感に苛まれ』、『耳鼻科』で『耳管開放症』と診断されたのは主人公の新沢ちはる。『ウェディングプランナーとしての仕事』をしている ちはるでしたが、あることが原因で自信を無くし『一ヵ月で五キロ以上痩せ』、会社を休職します。そんな中、公園で『カバ』を目にします…。

    ・〈第4話 勇哉の足〉: 『小学校四年生に上がるタイミングで』転校してきたのは主人公の勇哉。そんな勇哉は『駅伝大会』のクラス代表の最後の一人を『くじ引き』すると聞いて『足をねんざしたことにしよう』と作戦を立てます。作戦成功、逃れることができましたが本当に足が痛み出します。そんな中、公園の『カバ』の話を聞き…。

    ・〈第5話 和彦の目〉: 『都内の出版社、栄星社に勤務して三十年』という情報誌『ラフター』の『編集長・溝端和彦』が主人公。そんな和彦は『ずっと疎遠になっていた母親が気がかり』でいますが、けんかばかりだった過去を思い出し一歩を踏み出せません。自身も老眼が気になる中、幼い頃遊んだ公園の『カバヒコ』の元を訪れ…。

    五つの短編に登場する五人の主人公たちの年齢、境遇はそれぞれに異なります。唯一共通なのは、『アドヴァンス・ヒル』という『五階建ての新築分譲マンション』の住人であるということだけです。そんな五人は、それぞれに悩みを抱えています。〈第2話 紗羽の口〉の主人公の紗羽は、娘の幼稚園の『ママ友』との距離感に思い悩んでいます。〈第3話 ちはるの耳〉の主人公・ちはるは、あることがきっかけで『ウェディングプランナーとしての仕事』に自信をなくし休職しています。そして、〈第5話 和彦の目〉の主人公・和彦は老眼が気になる年齢に差し掛かる中に、一方で年老いた母親のことを気にかけつつも、今までのけんかばかりの関係性の先に一歩を踏み出すことができません。そんな主人公たちは、それぞれのきっかけの先に公園の『カバ』の『アニマルライド』の伝説を知り、『自分の体の治したい部分と同じところを触る』ことで、その『回復』を願います。『人呼んで、リカバリー・カバヒコ』というその存在の力にすがる主人公たち。この作品では、そんなそれぞれの思いが叶うのか、『回復』できるのか、物語はその先の主人公たちのそれからが描かれていきます。『どんどん自信がなくなっていった』とそれぞれに思い悩む主人公たち。『私ばっかり、どうして私ばっかり不幸なんだろう』とそれぞれに思い悩む主人公たち。そんな主人公たちがそれぞれの短編の結末に見せる姿に思いが込み上げるこの作品。そこには、誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添ってくださる青山美智子さんらしい物語が描かれていました。

    『カバヒコってね、すごいんだよ。怪我とか病気とか、自分の体の治したい部分と同じところを触ると回復するって言われてるの』。

    五人の主人公たちがそれぞれの人生に思い悩む姿が描かれたこの作品。そこには、他人には決してうかがい知ることのできない主人公たちの心の葛藤を見る物語が描かれていました。決して特別ではない主人公たちの苦しみを自分に置き換えてもしまうこの作品。読後、近くの公園の『アニマルライド』を触ってみたくもなるこの作品。

    “大丈夫。私たちはきっと、リカバリーできる。”という本の帯の言葉が優しく心に響いてくる、そんな作品でした。

  • 大好きな作家さんの1人である、青山美智子さんの新作!もう、青山美智子さんらしさ溢れる作品で、心優しいストーリーと文の語りにとにかく癒されるし、ホッとすること間違いなしです!この作品を読んでほろっとしてしまうと同時に、自分も会社やプライベートで、人間関係のストレスを抱えてるんだなと変な自覚も生まれました。

    神様、図書館、下絵、ラジオときて今作の題材は遊具であるカバヒコ。カバヒコに触れた人は、触れた場所が治るという言い伝えがあるとかないとか…
    そしてカバヒコに助けを求めるように5人の登場人物が現れます。5人はそれぞれ人間関係や勉強などの悩みを抱えていて…というストーリー。

    今回の作品は「赤と青とエスキース」、「月の立つ林で」と比べて、「リカバリー」を題材にしてることもあって、割とストレートな作品である印象を受けました。登場人物たちにちょっとした関わり合いはあるのですが、短編自体はそれぞれ独立してるので、隙間読みにはちょうど良いかなと思うと同時に、続編も期待できるなと思いました。

    まぁ色々書きましたが、感想の大部分は「カバヒコが愛おしい…」ってことに帰結します笑

  • お気に入りの青山美智子さんの新刊が出たので本屋さんに行ってきました。
    一字一句味わいながらじっくり1編づつ読もうと思ってたのに気づいたら一気に読了してました。
    お得意の連作短編で今回の作品もしんみりと心に響いて良い感じでした。
    工場跡地に建てられた5階建の新築マンションに越してきた住民たちの物語です。
    古くからひっそりとある公園のカバの形をしたアニマルライド。痛みのある部分と同じところを触ると回復するとゆう都市伝説のカバ、人呼んでリカバリーカバヒコ、カバだけに
    ここがクスッと微笑むところww
    登場人物みんなにナイスリカバリーって声かけたくなりました。
    カバだけにっw

  • 青山美智子さんの新刊。青山さんの新しい小説を読む度、心に刺さるフレーズが散りばめられており、本当にすごい。これまでどんな経験をすると、このように読者に刺さる話が書き続けられるのだろう!
    公園にあるカバのアニマルライド「カバヒコ」を軸とした連作短編集。本作でも、小学生から中年男性まで、様々な主人公が、それぞれの生活で悩みや辛さを抱えている。タイトルの通り、それが「カバヒコ」によって「リカバリー」されていくのだが、カバヒコの存在だけでなく、主人公が周りの人の優しさや思いに気づくことで傷が癒えていく様子も描かれており、とても心温まる。何事も自分の「物事の見方」を変えるだけで、感じ方は大きく変わり、ひいては人生を好転させる。それがいつも簡単にできれば苦労しないのだが、知っているだけでも元気の源になる。一気読みしてしまったが、とても心地良い読書時間を過ごすことができた。心身を労わりながら、そして周囲の大切な人たちに感謝しながら、自分のやりたいことをやっていこうという思いを新たにした。

  • 登場人物のように、自分の好きなところも直したいところも、すべて包み込んでありのままを愛していこうと思えた。そして私も誰かをリカバリーできるような優しい人になりたい。涙がぽろぽろ出てきてしまうので電車の中では注意です涙

    ブラマンってなんか聞いたことあるな!?と思ったら赤と青とエスキースではないかっ!!!(テンション↑↑↑)

    次第に気づいたのはリカバリー・カバヒコや親しい人や身近な人を通じて、それぞれみんな自分で自分をリカバリーしているということ。この先もうダメだと思って下を向く時も、自分の気持ちに正直に向き合うことで私なら大丈夫だ、また何度でも上を向けるんだ思えました。またひとつ、自分に周りの人に、誰かに、優しくなれる気がしました。

    やはり青山美智子さんの本は素晴らしいです!!!!!(大声)大好きです(大声)本屋大賞を今度こそ!!!(全力応援)
    今の私はとにかく公園に行きたい、ブランコ漕ぎたい、はちみつキャンディー舐めたい、走りたい、お好み焼きを食べたい、ダーニング欲しいやってみたい、そして...家族に会いたい!!!!

  • とても読みやすかった
    こういう癒し系のお話は
    普段、自ら手に取ることはないんだけど
    優しい気持ちになれるのでよい
    ひとつひとつ違うお話のようで
    みーんなつながってる仕様も好き
    本読み慣れてないけど
    なんかオススメある?
    って聞かれたらオススメしやすい
    友達いないから
    聞かれることはないけども

    個人的好みとは違うので
    内容覚えてらんないかも
    ただタイトルは印象的なので
    読んだことは忘れないと思う

    ふつーだったので
    星は3つ


  • 5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。高校入学と同時に家族で越してきた奏斗は、急な成績不振に自信をなくしている。偶然立ち寄った日の出公園でクラスメイトの雫田さんに遭遇し、カバヒコの伝説を聞いた奏斗は「頭脳回復」を願ってカバヒコの頭を撫でる――(第1話「奏斗の頭」)出産を機に仕事をやめた紗羽は、ママ友たちになじめず孤立気味。アパレルの接客業をしていた頃は表彰されたこともあったほどなのに、うまく言葉が出てこない。カバヒコの伝説を聞き、口を撫でにいくと――(第3話「紗羽の口」) 誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。

  • 2023年75冊目
    青山美智子さん/リカバリー・カバヒコ
    あるマンション近くの公園にある、古びたカバの遊具。自分が治したい部分に触れると回復するという都市伝説が。
    そして様々な悩みを抱える住民がカバの遊具に悩みを打ち明けていく‥。
    青山美智子さんらしい、温かい短編集。
    #読了

  • 気に入った作家さんの作品を数作読み続けると、似た感じが気になりだすことがある。青山さんの作品、そろそろそう感じそうな頃、本作を読んでどう感じるか確認したい

    #リカバリー・カバヒコ
    #青山美智子
    23/9/21出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/46eM4aM

  • 公園の古びたカバの遊具、カバヒコ。
    カバヒコに触れると、
    治したいところが回復するというーー

    元に戻るのではなく、
    失われてた部分が新たに補われる。
    凹んだ部分が器になって、
    そこに新しい何かを受け入れる。
    そうやって新しい自分になる。
    「治る」じゃなく、「リカバリー」
    受け入れ難くとも不本意でも、
    置かれた場所で立ち上がり、
    苦難を乗り越えていく。
    そんな人間の強さが尊い。

    想いを込めた手で触れて、温められる希望。
    カバヒコはいつもそこにいて、
    何も言わず受け入れてくれる。

    いつも大切な人の立ち戻れる、
    痛みに寄り添えるカバヒコのようでありたい。

    少しずつリカバリー中のこの世界で
    今こそ読んでほしい、
    微笑みに病みが明けていくように、
    生きてくパワーに包まれる物語。

    青山美智子さんの本といえば、
    今までの既刊本の装丁がすべて写真で、
    今回の新刊が初めてイラストの装画なのですが、
    コレは是非ね、
    読み終わった後にそっと本から外して、
    カバーを見開きにして見てみてほしいです。
    感動が、夜明けのように滲んで胸に染み入ります。

    ほほ笑みが照らされて、ほほ笑みを生む。
    そんな世界を青山さんが引き連れてきてくれる。
    きっと世界は大丈夫。
    そう思える。

    カバヒコっていうのは、
    公園のカバのアニマルライドなんだけど、
    なんと、愛知県にカバヒコのモデルがいるそうで…
    いつか会いに行ってみたいっ!
    同じような都市伝説があるわけではないだろうけど
    会ってカバヒコに触れてみたい。
    もしカバヒコに痛いところとかあるなら
    さすってあげたい。
    手にはきっと力が備わってて。
    手当てってきっと、
    手を当てて痛みを和らげるってこと。
    想いを込めた手で、触れるということ。
    そこには、あたためられる希望がある。
    そんなふうに、信じさせてくれる本でした。
    人って、思ってるよりずっとパワーを持ってる。
    人間の持ってる、回復力。
    人間って、すごい。
    すごいんだよ。

    大丈夫。
    私たちはきっと、
    リカバリーできる。ーー

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著者プロフィール

1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。第28 回パレットノベル大賞佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1 回宮崎本大賞を受賞。『お探し物は図書室まで』が2021年本屋大賞2位に、『赤と青とエスキース』が2022年本屋大賞2位に選ばれる。他の著書に『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』『マイ・プレゼント』(U-ku氏との共著)『月の立つ林で』など。

「2022年 『ユア・プレゼント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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