野火、奔る

  • 光文社 (2023年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784334100940

作品紹介・あらすじ

小間物問屋『遠野屋』の主、清之介は、嵯波の紅花産業に莫大な金を注ぎ込んできた。その紅餅を積んだ船が突然消えた。さらに奉公人のおちやにも騒動が起きる。事件が続くことに北定町廻り同心、木暮信次郎と岡っ引、伊佐治は不審に思う。次々と『遠野屋』に降りかかる不穏な動き、清之介に纏わりつく、血の臭い、底なしの闇。ニヒルな同心信次郎、元刺客の商人清之介。尋常ならざる男と男がうねり合う「弥勒シリーズ」第12弾!

感想・レビュー・書評

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  • 弥勒シリーズ 12

    本所深川森下町の小間物問屋・遠野屋の紅餅を乗せた船荷が、忽然と消えた。
    留め置きでもなく、難破でもなく、沈没でもなく、忽然た消えたのだ。

    今回も、遠野屋清之介と、同心木暮信次郎のヒリヒリした遣り取りが、面白かった。

  • 弥勒シリーズ第十二弾。

    清之介が主を務める『遠野屋』の荷を積んだ船が消息を絶ってしまうという事態が発生。
    さらに、大店〈八代屋〉の前主人の姪で『遠野屋』に“押しかけ奉公”している、おちやをを無理矢理連れ戻そうとする騒動が起こります。
    『遠野屋』に降りかかる不穏な動きに隠された罠とは・・。

    久々の弥勒シリーズ。
    前作の『乱鴉の空』を読んでからかなり間があいてしまいましたが、相変わらずの“ヒリつき感”は健在で清之介と信次郎のやり取りは、本書の帯に「ひりつく男と男」と書かれていた通りのまんま緊張感漂っていますし、その間に挟まれる伊佐治親分のツッコミや執り成しも含めての、絶妙なバランスの掛け合いを楽しませて頂きました。
    さて今回は、消えた積荷、おちやの騒動と〈八代屋〉の動き、さらにとある路地裏に遺棄された死体・・といった、まさにミッシングリンク的なミステリ要素があって、グイグイ惹き込まれて読みました。
    『遠野屋』を襲うトラブルに困惑しながらも冷静に打つ手を打っていく清之介と、彼を支える番頭の信三はじめ『遠野屋』奉公人の皆さんの仲の良さが微笑ましいのですが、特におちやとおくみという育ってきた境遇が真反対の二人の少女の友情にグッときました。
    それだけに、おくみを襲った悲劇が理不尽すぎてやりきれない気持ちに・・。
    おくみちゃんには今後是非幸せになって頂きたいです。

    そして、終盤は信次郎が美味しいところを全部もっていく感じで、“点と点”を見事に結びつけて真相解明するキレっぷりは流石です~。
    で、一件落着・・と思いきや、まさかのラストに“おいおい信次郎!どういうこと?”と、めちゃめちゃ気になる場面で終わってしまいました。
    ということで、次巻が非常に待ち遠しい私です~。
    (できればこの巻の内容忘れないうちに、ヨロでやんす!)

  • 12作目の「弥勒」シリーズ、登場人物もさらに増え、益々読み応えがあった。頭の中には、もう私なりの解釈をしたキャラクターが出来上がっていて、読書ではなくお芝居を見ているよう。
    これって、時代劇として、ドラマになったら面白いはず。(最近は、ほとんど時代劇はないけれど。)
    いつかそうなることを妄想しながら、一気読み。次回作が楽しみ、ずっと続いてほしい。

  • 遠野屋清之介、同心木暮信次郎、岡っ引きの伊佐治の三人が織りなす連続時代小説。
    発売の都度、つい買ってしまう「弥勒」シリーズも、はや第12巻に。
    今回は、遠野屋の嵯波からの紅を運んだ船が行方不明に、さらに八代屋のおじょうさんで今は遠野屋の奉公人のおちやが強引に八代屋に連れて行かれそうに。
    一方、路地に町人姿の死体が。
    清之介が対応に追われているときに、木暮信次郎がまたもや異能を発揮し、これらの出来事はすべて関連していると見抜く。
    やがて、清之介の出身の嵯波藩の江戸家老とお家騒動が絡む一大事件に。
    打開を図るべく、清之介は嵯波時代の影の者(密偵)を動かすことに。
    前作から続く展開は、一段落を迎えながらも、さらに新しい事態が待っているようで。
    「何がどう転んでいくか。おもしれいことになりそうだぜ、遠野屋」と、信次郎が嘯く。
    最終決着がどうなるのか、このシリーズますます目が離せなくなる。

  • 弥勒シリーズ第12弾。
    商売が順調な遠野屋・清之介。
    そんな遠野屋を妬み、怯え、潰しにかかる者がいる。莫大な財で公儀まで手玉に取り、己の欲望を満たそうとする。
    今回も同心・信次郎の名推理は光っているし、岡っ引の伊佐治もいい味を出している。でも、剣の達人清之介の刀捌きの描写を求めている自分がいる。清之介の持つ闇の部分を何故か求めしまう。
    ラストがいつもと違って、意味ありげだった。続きが気になるなぁ〜。

  • 先に申しておきますと、信次郎贔屓が甚だしいので評価に曇りがあるかもしれませんがこの作品が面白いのは間違いないです。

    弥勒シリーズも12作目。
    今回は結構ストレートに遠野屋に被害が及ぶ事件が勃発。積荷が消えたり奉公人が襲われたり。最初はバラバラだと思われたことが最終的には一つのところに、というのはいつもの流れなんですが、今回は一纏めにするのにだいぶと信次郎が先回りをしたな、という印象。安楽椅子探偵が結構前に出てきた。それも実は訳あってっぽいのが最後の最後で匂わされます。

    信次郎と遠野屋の絡みが多いってだけで、星4以上確定。さらに今回は信次郎の出番が多い!素敵!信次郎がキレ良すぎて遠野屋がすこしぼやけてしまうくらい。だから思ったんです。信次郎がもっと欲しい、くらいの出番が信次郎と遠野屋両方輝くのでは、と。ひいては作品の魅力が増すのでは、と。

    そう思うと星4くらいな気もしますがそこは贔屓筋がやっぱり出番が多いのは嬉しいので、星5とさせていただきます。

    2024.5.14
    77

  • 久しぶりに読む 遠野屋と小暮 進次郎の繋がり 、胸がワクワクして止まらない、間にはいる岡っ引きの 伊佐治、あさのあつこの見事なまでの心の描写の仕方、 さすがとしかいいようがない、一気に読んではもったいないと思いつつも ページが進んでしまう

  • 「弥勒シリーズ」第12弾

    遠野屋の扱う紅花産業とおちやを巡る不穏な動き。
    根っこは一つと看破した信次郎自体が不穏。
    解決したあとの信次郎の動きも不穏。

    信次郎がどんどん得体の知れなさを増していく様子が怖い。この人、いわゆるサイコパスだよね…… 過去を切りはなして生き直そうとしている清之介に肩入れしてしまう。

  • シリーズ12作目。欠かさず追いかけ続けているが、信次郎のキレは今回も健在❗️随分と出番が多かったようにも思う。清之介が苦悩する姿はとても新鮮で、おちやとおくみのやり取りがなんとも微笑ましくとても好きだったなぁ。
    一見バラバラに見える事件が次第に繋がりをみせる展開は、期待しすぎたのか個人的にはがっかりだった。ラストには次回作への布石が打たれて、またまた楽しみ。

  •  おちやちゃんの覚悟……清さんの戦い方……どちらも昔とは違うんだとほえるような展開だった。清さんは本当におりんさんのおかげで人に恵まれてると思うよ。たまたまいた環境が、周囲がそうだっただけと言ったらそれまでだけど、でもそれだけじゃないと思う。それはおちやちゃんも同じなんだろうな。元々は違う理由だったけど清さんのおかげでってのはあるはず。
     にしてもこれまだまだこの闘いは続くんじゃないですか。

  • 待ちかねた遠野屋さん伊佐治親分そして同心の木暮さんの登場。同心の木暮さんのあくの強さ全開。楽しめました。次作の展開が待ち遠しい。

  • 「弥勒」シリーズ12
    おちやの貞操が守られて良かったしおくみが目を覚ましてよかった。信次郎が素晴らしいタイミングで助けに現れたのスゴすぎだけど、さすが正義の味方じゃないところがねー。終わり方も不穏な気配漂う。忘れないうちに続きを望む。今回も伊佐冶の親分は私の癒しでした。

  • 「弥勒」シリーズ第12弾。

    前巻からの展開で、読み始めは記憶を呼び起こしながら。
    相変わらず信次郎の闇を見透かす力が冴える。
    遠野屋に降りかかった難儀も落ち着いたかに見えたが、ラストの展開に次が気になる。
    次巻が待ち遠しい。

  • なんとも気になる終わり方。
    次回作が待ち遠しい。

  • 信次郎の頭の切れが化け物じみて…いや、最初からか。親分や遠野屋さんは色々いうけれど、私にはいい人に見えるんだがなあ。
    内容はおちやちゃん周辺と紅花問題を引きずった感じ。

  • 木暮信次郎!この人は何なんだろう、引き摺り込まれる。

  • 春立つ風と登録を逆にしてしまった
    先に読んだのは野火、奔るだ
    こちらの方が謎解きと解決素直に受け止められた気がする

  • 弥勒シリーズも12作目となりこの物語が何処に辿り着くのか目が離せない。清之介と信次郎の会話は相変わらず刀で切り合っているように心を抉る。2人の間に岡っ引きの伊佐治が加わり3人の男達のバランスが何とも絶妙だ。こんな人間関係を作り上げた作者のあさのあつこって凄い。
    今回は、おこまちゃんの名前は出るけれど姿が見えずそれだけが残念だった。

  • おっとぉ、こりゃまたダークな閉じ方じゃないの。なにせ此度の信次郎ときたらやたらよく喋る。でもって、いつもは安楽椅子に腰を据えているとまでは言わないが、なぜか足を使う。単身で八代屋に乗り込みおちやを救う?平塚の方は引き受ける?どういう了見だろうかと訝しんではいたのだ。この男、最後は清之介といかなる決着を描いているのやら。清之介が背負う業とやらを本当に見据えているのか。たしかに、優秀な商人としてただ身代を築くばかりの男であるならばもったいない。すべてを失ったときの彼の本性が見たい。信次郎が仕掛けてくれそうだ。

  • 遠野屋の船、元八代屋のお嬢様だったおちよの拐かし、武家屋敷の横の足裏の白い死体、それらが繋がって解き明かされていく先に覚悟を決める清之介と腹の中の読めない木暮信次郎がいる。安定の脇役陣の掛け合いが楽しく親分さんのちゃちゃはなくてはならない面白さ。
    最後の場面、この話は終わりじゃなかったのか?

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著者プロフィール

あさの あつこ:1954(昭和29)年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI~VI』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。著書は『福音の少年』『No.6』シリーズ、『弥勒の月』『アーセナルにおいでよ』など多数。

「2025年 『あなただけの物語のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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