はい、総務部クリニック課です。 あなたの個性と女性と母性 (光文社文庫 ふ 30-10)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334101602

作品紹介・あらすじ

ライトク社員の芳賀さんが貧血を起こし、駅で倒れた。居合わせた奏己が勇気を振り絞って急病人救護活動にあたり大事には至らなかったが、芳賀さんは健康診断でも貧血で引っかかっていたらしい。なぜ、治療に結びつかなかったのか? 貧血の原因が女性特有の理由で、いくらクリニック課の常連でも、医者とはいえ、社員でもある森先生には相談しにくかったという。相談しやすい「女性相談窓口」が開設が急務となったがーー。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ4作目。
    前作では子育てをしながら働く社員に寄り添い、今作では女性特有の体調不良に寄り添う内容になっている。
    奏巳は通勤途中の駅で体調不良者の現場に居合わせる。
    森先生の言葉を胸に、普段は消極的な奏巳は思い切って救助を試みる。
    体調不良者は自社の社員で、日頃から貧血で悩んでいたと言う。しかし、男性の医師であるクリニック課には抵抗があり、受診を避けていた。
    その事実を知ったクリニック課のメンバーが考えた策とは・・・
    奏巳がどんどん森先生にカスタマイズされていく様が面白いが、何より働く上で会社に「こんなことを理解してくれたら、働きやすいのに」って思うところを突いてくるのが、この作品の面白いところ。
    1作目を読んだ時は、ちょっと失敗したかと思ったが、シリーズを重ねるに連れて面白くなって来る。
    次作も期待しているので、安易な映像化だけは避けて欲しい。

  • 「〜誰かと競うことなく自分に合った割合で、その3つ(女性、個性、母性)を持ってる人って、見ていてキレイだなって思うようになって、〜」
    ずーーーーんときました。この部分。
    女として生きる限り、全部大事にしたい。今のわたしは個性に全振りしてるから、女性・母性の部分も大事にしたい。
    次も楽しみ!!!!

  • 不調休暇システム、いいなぁー。
    嶋原さんご夫婦は、結局どうなったかなぁ。でもいるよね、こういう気遣いの方向を勢いよく間違えちゃう人。
    もっと対話すればいいだけなのに。

  • すごい速さで新刊が出るので、購入して読むのも結構大変かもというくらい。
    新キャラが登場して、健康問題も1冊1テーマという感じで無限に広がりそう。
    基本の3人のキャラクターは変わりなく安定。

    眞田さんの恋愛がもっと見たいなあ・・・。でもこれから何かあるのかも?
    松久さんは年末年始もいっさい帰省せずだけど、実家と何かあったとかそういう方だっけ??といくつか謎が浮かんでいた。

    最後の章にまとめ的な感じで、「ピリオド」という言葉が入る。女は多様性があるっていえばそうなんだけど、いい感じで今日はこのバランスでっていう調節ができる。年代や置かれている状況に応じても変わってくる。みんな個性と女性と母性は絶対に持っているはず。
    ピリオド=月経が来ると体調の変化はもちろんあるけどいい具合にリセットできるし。

    目立たないコツは、人と同じ動作で、同じ流れに乗って逆らわないこと。
    絶対そうする!!

    色々な人が気が付かないようなセンサーを持つっていうのも大切で、それによって誰かを助けることができたり自分の人生をさらに楽しめたりする。草食系でも悪いことは無いし、いろいろ俯瞰して楽しめるからよいね。

  • 奏己も少しずつだけど成長していて、生きやすくなってるようで嬉しくなる。
    個性が強すぎるキャラが多いけど、人は一人一人違うと改めて思うので、忘れないようにしたい。

  • 今回は完全にスッキリとはしないけど、そこが現実っぽいよなーなどと思ったり。

  • 貧血、更年期、専業主婦・妊活、不妊…女性に多い疾患やしんどさをこんなにもしっかりまとめてくれているなんて、感動!新キャラ・宇野女さんもすごくキャラ立ちしててすき!

    p.98 女にある3つの性
    『母性』『女性』『個性』

    「ここで言う「女性」は、いわゆる『性別としての女』の部分だね。恋愛でもファッションでもメイクでも、何でもいいよ?要はともかく、世間でよく言われる『女』の部分だよ。ドラマチックに言えば『女を武器にしてー』ってヤツの『女』も含むかな」そう言われてすぐに思い浮かんだのは、またもや紗歩だった。
    恋愛、ファッション、メイクに限らずーそれが良いか悪いかは、まったく別として紗歩は日常生活にも社会生活にも「女性」を前面に押し出していなかっただろうか。
    「・・・・・・・なるほど」
    「あ、分かる?」
    「私のことじゃないですけど・・・・・なんとなく」
    ニッと口元にだけ笑みを浮かべた宇野女さんもまた、かっこいいいと思う。
    「次の『母性』は簡単に言うと『母親としての役割や存在』だね。そして最後の「個性」は、『女性』とも『母性』とも関係ない、その人の「人間性=キャラクター』のこと」

    「昔はさ。だんだん、ひとつずつ『なくなっていく』と思ってたんだけどー」すっかりリラックスした様子の、宇野女さん。隣にイスを引いてきたかと思うと、座るや否や思いきり背伸びをした。
    「なくなる?」
    「そう。ひとつずつ、失っていくんじゃないかって」
    結婚して子どもができたら「女性」の部分が「お母さん=母性」に変わってなくなってしまった、という話は聞いたことがある。
    だとすると、子どもから手が離れて「母親の役割」が終わると、「母性」の部分もなくなってしまうということだろうか。
    「でも最近、それは違うんじゃないかなって、思うようになったんだよね」「失わない、ってことですか?」

    わかってるね、という意で親指を立てた宇野女さん。なんでこの人、こんな仕草が似合うというか、かっこよく見えるのだろう。

    「この3つの割合を、年を重ねるごとに、その人が自分に合うように、その時々で変えていくのが一番いいんじゃないかなぁ」

    宇野女さんは最初、結婚や出産や更年期を契機に、次第に「女性」の部分を失っていくのではないかと考えていたらしい。そしてお子さんのいる家庭では「女性」が「母性」に置き換わってしまい、やがてお子さんから手が離れるとその「母性」さえも不要となり、失ってしまうのではないか。そして最後に、その人の「個性」ーつまりその人そのものだけが、むき出しになって残るのではないかと。
    でも長く婦人科の看護師や助産師をしているうちに、どれも「なくなる」わけでも「手放さなければならない」わけでもないと気づいたのだという。
    当たり前だけど、いつまでも「女性」であっていいし、むしろ死ぬまで忘れるべきではないだろう。ただその割合が、何歳になっても、いつでもどこでも、常に最大でいいのかということだった。「母性」が必要な時でも、「個性」を殺してまでも、何より優先して「女性」を前面に押し出すのはどうだろうか、ということだ。
    同じように「母性」も、子どもが何歳になっても母親がベッタリで子離れしないのでは、いずれお互い困ることになるだろう。だからといって「もう役割は終わった」と、完全に打ち切る必要もない。全身全霊の「母親」から、別の様々な「母性的な優しさ」に形を変えてもいいのではないか。あるいは、ご自身のお子さん以外に向けられる「母性」があってもいいのではないかと。
    「要はバランス、つまり配合の割合なんじゃないかな。誰かと競うことなく、自分に合った割合でその3つを持ってる人って、見ていてキレイだなって思うようになって」「なんとなく、分かります」
    「あ、分かってもらえる?どれかに偏ってそれをバーンと前面に出してくる人に、ちょつと困ったことってない?」
    「そんなに困りはしないですけど・・・・・・ありますね」
    「どっちなの」
    キラキラ女性で、母で、経営者で、コンサルタントで、プロデュースしていて、そんな女性と母性と個性=スキルを全部詰め込んで、並べられたプロフィールや画像や動画を見るのに疲れて、やめたSNSがある。きっとその人たちは、すごくできる人だと思う。でも、なぜ憧れるより、ねたむより先に、しんどくなってしまった。もしかしてるとあれば、自分には合わないバランスを見せられたからかもしれない。

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