若きウェルテルの悩み (光文社古典新訳文庫)

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  • 光文社 (2024年2月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784334102197

作品紹介・あらすじ

故郷を離れたウェルテルが出会い恋をしたのは、婚約者のいるロッテ。彼女と同じ時間を共有するなかで愛情とともに深まる絶望。自然への憧憬と社会への怒りのあいだで翻弄されもするウェルテルの繊細な心の行きつく先は……。世界文学史に燦然と輝く文豪ゲーテの出世作。身悶え不可避の不朽の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 人生観と死生観を考えさせられる。
    ウェルテルの苦悩、喜び、変容に我が身を重ねる。
    時代は変われど、人間の根本的な精神は変わっていないことに気付く。
    恋心の浮き沈みと合わせて、社会の中での人生の葛藤が紡ぎ出され、「人」の心をこうもストレートに魅せることができた著者に感嘆の意を示さざるを得ない。
    スッと入ってくる心情の表現の数々には、翻訳者の腕の良さもあるのだろう。
    悩んだ時に読み返したいが、その時の自分の成長と衰退との具合で感じ方も変わること必至だと思う。
    初版の翻訳本を読めて良かった。でないと、全く違う所感を持ち得る。

  • 絶望名言のゲーテを思い出し、新刊?に並んでいたこちらを読んだ。当時流行したとかあらすじは知っていたが、改めて読むと、手紙(しかも一方的)の内容でウェルテルの激化する気持ちが語られる様が面白い。これがもう少し時代が進むとブリジャートン的に不倫などの話になるんだろうが(いや不倫の話は出てこなかったか)、当時定められた婚姻に囚われてこの話に共感した人が多かったということか。

    主人公さておき、大勢の幼い妹弟を残して早逝した母の代わりに母親役を全うしようとするロッテの健気なことよ。国を問わず寿命の短かった時代にはこういう状況が多かったのだろうが、家族を守るという遺言、そこにはアルベルトと結婚することも含まれていたわけだが、母の言葉に絡め取られたロッテという当時の女性の立場の弱さを思わずにいられない。

  • ウェルテルの初版ということだけど、改訂版を読んだのはそれこそ半世紀前なので、よくわからず新訳は読みやすいなという感想だけだった。クライマックスの直前まで書簡形式でもあり、ウェルテルの激情とロッテの不断の曖昧さと奇妙な三角関係において、成就しない運命にある恋への切実な叫びを感じた。死を選ぶ過程が詳細に描かれる終盤は全く記憶になかったが、ルポルタージュのような雰囲気で死に行く姿が描かれるのはちょっと怖い。昔は高校生の必読書だったけど、今はどうなんだろう。いろんな点で違和感がある。

  • ウェルテル、分かるよ。分かる。

  • ああ、なぜ彼は愛という人を幸福にしうるものによって殺されなければならなかったのであろうか。おそらく彼の死は彼の想い人であるロッテの人生に大きな影を落とした。彼女は彼の死後に銃を手渡してしまったことを後悔し続けるだろう。
    最も幸福を望んでいたであろう彼自身の行為によって、彼女に深い哀しみを与え続けるのである。

    色々な感情を抱えながらこの本を読んだのだが、まとめるならば"人生はままならない"という言葉に尽きる。人間は数ある選択肢の中で、自身の信念によって不自由な道を選んでしまうのである。その中で幸福と呼ばれるものを各々の手によって見つけなければならないのである。

    およそ250年前に書かれた本が今時代でも翻訳されて読まれているということ、普遍的な人間性を感じることができる一冊だった。この時代背景や引用されているホメーロスのオデュッセイアなど色々と触れてからまた読みたい。

  • 婚約者のいるロッテ(のちに人妻になる)に恋をしてしまった、若きウェルテルの悩みが書簡体で書かれている。
    まぁ、人を好きになってしまうと言動も手紙の内容もそうなるよね。ウェルテルの片思いと都合のよい妄想かと思ったけど、『編者から読者へ』を読むとそうでもなかったみたい。ロッテもズルい女。
    恋は脳のバグ、自分を制御できなくなってしまうのは理解できる。でも最後は自己中すぎて格好悪い。
    令和に生きる迷える子羊たちよ!冒頭にウェルテルと同じく切羽詰まった人向けにメッセージが書かれているが、この本を絶対に友にしてはならない。
    どんな相手であっても恋をすることは素晴らしいことです。でもね、ウェルテルみたいになってはいけない。
    私には『はっきり言ってイモね』という皿田きのこの声が聞こえる。寺山修司なら『書を捨てよ、町へ出よう』と君に伝え、北方謙三先生なら『ソープへ行け!』と仰るだろう。

  • 現代人には理解し難いほど、ウェルテルは感受性が豊かで心労が絶えない。自分の正義を貫き、抱えきれないストレスを抱えてしまっている。どうしてこんなに結論に至るのが早いのか。劇なら可哀想で美しい悲劇だが小説だとちょっと美しくない結末かな。でも文章は好き。

  • 人を愛する気持ちってすごいな、当時の人にたくさん刺さった本なら、当時の方々はどんな恋愛してたの!!!!って思う私はまだ子どもなのか、、、

  • 自然への憧憬と畏怖から社会や人間への失望への流れと感情の変化をこんなに荒々しく、その上で詩的に表現した文章があっていいのか
    感情の濁流に飲み込まれて帰って来れないのではないかという新しい読書体験をした
    これはただ失恋で死に魅せられてしまった話ではなく、そもそも自然に憧れた青年が自身の感受性を御しきれなかった話だと感じた。
    情緒のある人に惹かれていくものの、その人もまた無粋な社会には適合してしまっている。自分の理解者を見つけられないまま、ロッテが社会の枠にはまらず自分とともに感性に従って生きてくれることを望んでしまった
    友愛ではなかったのか。と言えるほど、アルベルトがいながらロッテを愛し自然を楽しめていたウェルテルが、荒々しい自然が目につきロッテを自分のものとしたくなってしまったのはこの社会への絶望感があるのだろう

  • 思ったより読みやすかった

  •  

  • 初版を翻訳したものらしく珍しいらしい。
    だんだん文章に熱がこもってく感じが引き込まれた

  • The Sorrows of Young Werther
    Johann Wolfgang von Goethe, 1774
    Die Leiden des jungen Werthers
    若きウェルテルの悩み

    青年の悲しみや苦しみはもちろんなんだけど、それよりも彼の自己憐憫、悲劇のヒロインぶりがすごい。勘違い恋愛中の自分自身への悪酔い。現在進行形で全身で恋愛をしている若い人だと一緒に悩んでしまうよね。大変。

    全文はブログで
    www.akapannotes.com
    (英語で読了)

  • ウェルテルの躁鬱具合というか、メンヘラ特有の気分の波がすごくて、この手紙を読んで返事を書き続けたであろうヴィルヘルムの存在がすごく気になった。ウェルテルの側にいなくても、手紙のやりとりだけでメンタルやられそう。
    アルベルトは社会の中で模範的な人物であるからこそ、ウェルテルは自分が社会に馴染めない存在だということが際立って嫌になったと思うし、ロッテはロッテであたたかい自然を愛し、それ故によく言えば情熱的なウェルテルに惹かれて余計こじれるという。
    ウェルテル目線だと、ウェルテルが頭おかしい、居なくなるべき存在に思えるが、冷静に考えると誰が悪いわけでもない、だからこそ行き場がなく、昇華されない苦しみの有様に魅せられた。

  • 心が満たされた者が本書を一読しても響くものがないだろうと、そう思える程に自分ではどうする事も出来ない恋心に翻弄され破滅していくウェルテルの心情に寄り添った作品となっている。それで居ながら最終的に彼が迎える破滅に感情移入してしまえるかは本書を評価する際に分かれ道となり得るような気がしたよ


    実を言うと、私個人としては本書を読んでもあまり響くものが無かった人間で、心を乱していくウェルテルに寄り添えなかったタイプだったりする
    それだけに終始冷静な視点で読み進めてしまい、そのまま読み終えてしまったのだけれど、収録されている解説を読む事で本書への理解度が跳ね上がった印象

    本書はウェルテルが投函した手紙の内容を並べる形となっている。つまり本書を読む際には物語を見るように読むのではなく、ウェルテルから受け取った手紙を読むように、言ってしまえばウェルテルではなくヴィルヘルムに成りきって読み進めるのが正しい接し方なのだろうね

    だから、ロッテへの恋心を膨らませ実る事のない行動を繰り返す彼を諌める立場として読者はウェルテルの行動を見詰める事になるのだけれど、その読み方もウェルテルの心と同調するように次第に破綻していくね
    本書で描かれるウェルテルの心情があまりに真に迫っているものだから、ウェルテルの手紙を読んでいるつもりだった読者はいつの間にかウェルテル自身になったかのように悩むしかなくなる
    読者が読むウェルテルの手紙はウェルテルが差し出したものではなく、己の感情を吐露したものと思えてくるわけだ

    そう考えると、ウェルテルの手紙の中にはロッテとは無関係なシーンが挿入されている事にも納得がいくね
    ロッテに想い焦がれていると言っても、他の何も手に付かなくなっているわけではない。時には己の人生を生きる如く好きな人と無関係な分野に精を出す事だって有る

    けれど、本書の恐ろしい点はそうした生活感溢れるウェルテルの言動が次第に減衰していく点に有る
    ロッテに魅了されても、アルベルトが彼女と結ばれると知っても、他の土地に移ってもウェルテルは彼らしさを残していた
    だというのに、度重なる不遇やアルベルトの妻であるロッテの傍にいる事で彼は彼らしさを喪失していく。悩みは深くなり、視野が狭くなり、死へと誘われていく
    その過程は本当に真に迫るものだからこそ、読者とて彼のように自死に惹かれてしまうのかもしれない

    だからこそ、最終的にウェルテルが至った破滅は彼にとって不幸の形ではなく、解放や幸福を意味するかのように思われ、彼のような死に方をしたいとまで思わせるものになってしまっている
    それはこの世のあらゆる劇物よりも恐ろしい薬だろうね…


    本書を読み終わった後に関連する記事やらウェルテル効果やらについても調べてしまった
    何百年も前に書かれた作品が今もこうして多くの者に消せない影響を残す。それは唯一無二と評しても過言ではないかもしれない

  • この作品を最初に読んだのは高校1年の夏、何十年も前だ。当時の感想は記憶にほとんど残っていないが、あまり読みやすい訳ではなかったことだけは覚えている。

    ほんらい、シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)文学の嚆矢とされるこの作品、煩悶するウェルテルの暑苦しさが伝わってこないと面白くはならないのだ。その点ではこの新訳は大変な成功である。

    しかし、と20世紀を通過した読者の私は思う。
    書簡体という、18世紀末に流行したこのスタイルは、テクストがヴェルターその人からは一歩引いているように読めてしまう。ウェルテルはその胸の内を、友人ヴィルヘルム宛にしたためる。ヴィルヘルムの返信は作中に登場しない(ここは通常の書簡体と異にする点で、その分ウェルテルの語りの独白っぽさが強調される)。さらに読み進めると、書簡の編纂者は手紙の受取人のヴィルヘルムでもない何者かであることが判明する。読者は、いくつかの枠を通して彼の熱情こもる手紙を読んでいるのだ。このメタな感覚は、ゲーテが執筆当時に意図したものではなかっただろう。時代が移り、読み手は変わった。だがウェルテルの叫びは今なお響くものがある。

  • 書簡の形を取り、読み易さを保ちつつも詩的なワードセンスを崩さない文体が魅力的です。若者ならではの、感受性が暴走したような、抑圧や障害への力強い反発が表れたような、危なっかしさと勢いのある表現が多く、悩める若い読者の心には、色々な意味で、刺さる言葉がきっと見つかると思います。
    個人的には、冗談のつもりでピストルを自分の頭につきつけたウェルテルと、アルベルトとの口論のシーンが印象的です。

  • ロマン主義の代表作。
    若きウェルテルの悩み、葛藤、情熱、絶望と全てが怒濤のように伝わってきた。
    後世にまで語り継がれる理由も分かる。

  • ウェルテルの情緒が激しい笑。
    中高生の頃なら共感できたかもなー。

  • ある人物の自死をきっかけに後追い自殺が増えることをウェルテル効果というそうですね。それはこの小説が発刊されたときの社会現象になぞらえてのネーミングらしい。私はこんなウェルテルみたいなのは気持ち悪くていやだなぁ。即、離れる。彼女は人妻なのに彼女を好きで好きでたまらない。彼女の夫は申し分のない男。そりゃ悩むな。しかし同情も共感も、ないわ。もう少し生きてみれば程よく絶望して幸福が見つかったかも知れないのに。ウェルテルのモデルも実在したし、ゲーテの実体験も入ってるそうです。

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著者プロフィール

ゲーテ

Johann Wolfgang Goethe 一七四九―一八三二年。ドイツのフランクフルト・アム・マインに生まれる。ドイツを代表する詩人、劇作家、小説家。また、色彩論、動植物形態学、鉱物学などの自然研究にも従事、さらにワイマール公国の宮廷と政治、行政に深く関わる。小説の代表作に『若きウェルテルの悩み』『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』など。

「2019年 『ファウスト 悲劇第二部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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