頭上運搬を追って 失われゆく身体技法 (光文社新書 1303)

  • 光文社
3.60
  • (1)
  • (5)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 100
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334102524

作品紹介・あらすじ

世の中の発達とともに失われていった身体技法は、疫学研究者である著者の興味をひいてやまない。ある身体技法ができる、ということはどういうことか。なぜできるようになるのか、なぜできなくなるのか。本書では今はこの国でほとんど失われてしまった身体技法「頭上運搬」の記憶を追う。沖縄や伊豆諸島をはじめ日本各地や海外にその痕跡を訪ねつつ、話題は着物や伝統衣装、お産のほか、生活と労働を支えていた身体技法へと広がる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 疫学者・作家 三砂ちづるさんスペシャルインタビュー 第1回 フェミニズムは女を幸せにしているか。 – salitoté(さりとて) 歩きながら考える、大人の道草WEBマガジン(2014年8月25日)
    http://salitote.jp/people/interview018-1.html

    三砂ちづる『少女・女・母・婆』|光文社新書
    https://shinsho.kobunsha.com/m/mb9a306ab82be

    三砂 ちづる 教授|津田塾大学
    https://www.tsuda.ac.jp/academics/dept-mi/faculty/misago.html

    頭上運搬を追って 三砂ちづる(著/文) - 光文社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784334102524

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆力強さと優美さの謎解明[評]荻原魚雷(ライター)
      <書評>『頭上運搬を追って 失われゆく身体技法』三砂(みさご)ちづる 著:東京新聞 T...
      ◆力強さと優美さの謎解明[評]荻原魚雷(ライター)
      <書評>『頭上運搬を追って 失われゆく身体技法』三砂(みさご)ちづる 著:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/326472?rct=shohyo

      「頭上運搬を追って 失われゆく身体技法」 - 「京都・北山丸太」 北山杉の里だより(2024年05月02日)
      https://blog.goo.ne.jp/kyotokitayamamaruta/e/11bc80473441f74577ebb3d0b2bd7735
      2024/05/13
  • 頭にモノを載せて運ぶ、頭上運搬。
    かつてな日本各地でも行われていたこの身体技法について、
    フィールドワークで得た情報を綴り、生活や文化を探る。
    ・はじめに
    I 失われゆく身体技法 II 頭上運搬の記憶をたずねて
    III 生活と労働を支えた身体性
    ・あとがきにかえて

    石垣島や沖縄県糸満、沖永良部島、神津島、江島、
    中川の北山杉集落でのフィールドワークと様々な先人たちの
    研究などから、かつて日本各地で行われた頭上運搬が
    解き明かされてゆく。
    頭に載せるのは、芋、薪、魚、水、タライに洗濯物、
    燃料用のソテツの葉、花、丸太さえも。しかも重い!
    載せる工夫のクッションは様々。額に紐を掛けての運搬も。
    ササグやイタダキは神への供物、神饌を運ぶ意味が内包。
    できると思ったから。周りの人がみんなやっていたから。
    やらなくなったらできなくなった。
    やっている人がいないのでできない。そう、
    水道整備、車や自転車での運搬、石油燃料等の出現での、
    生活の変化により、頭上運搬はほぼ消えてしまった。
    でも、掲載されている頭上運搬の姿が美しい。
    日々を支える運動で身体を意識し、センターの通った
    真っ直ぐな筋の通った身体には、リズムとゆるみ。
    まるでファッションモデルの如し。
    このような失われつつある生活や文化を調べ、
    教えてくれるのは有難いし、興味を深めてくれました。

  • 手段によって身体が変わってゆく
    華やかさとは違う、慎ましくそこにあって惹きつけられる美しさ

  • 頭上運搬の文脈にまつわる薄味エッセーかな。
    身体技法に関しての記述はほぼない。
    「やろうと思えばできるのだ!」って。

    新書にもレベルがあって。
    光文社新書は書き散らしレベルなんで。

  • <目次>
    第1章  失われてゆく身体技法
    第2章  頭上運搬の記憶をたずねて
    第3章  生活と労働を支えた身体性

    <内容>
    身体技法のカラダの話と民俗学的な話が混ざっている本。少しどっちつかずになっているかな?男性が肩に担ぎ、女性が頭に乗せる、その違いをもう少し突っ込んで欲しかった気もする。身体技法を突き進めれば、今の姿勢を整える話になったり、世界と沖縄と日本の対比をすれば、民俗学的にも面白かったかな?

  • 主に日本国内の頭上運搬の「最後の世代」をいくつか紹介しつつ、共通事項と、いままでの頭上運搬に関する研究を結びつけている。頭上運搬の謎がはっきりするわけでもなければ、日本の生活に馴染む身体技法について広く知ることができるわけでもないが、過酷で良い評価をすることが現代では困難ながらも、その身体性との連続に感動する筆者の熱が伝わり、面白く読んだ。

  • 頭上運搬、安定しますよね。はい、私ある程度重いと一番楽なのは頭上運搬です。方手添えるけど。階段問題ない。ばあさんがやっていたので田舎では普通にやることだが東京の人はやらないことだと思っていましたよ。結構まれだったのね。ばあさんは明治生まれだったからなあ。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/572913

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/713832

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年山口県生まれ。兵庫県西宮市で育つ。京都薬科大学卒業。ロンドン大学PhD(疫学)。作家、疫学者。津田塾大学多文化・国際協力学科教授。専門は疫学、母子保健。著書に、『オニババ化する女たち』(光文社新書)、『死にゆく人のかたわらで』(幻冬舎)、『女が女になること』(藤原書店)、『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』(ミシマ社)、『女に産土はいらない』(春秋社)、『セルタンとリトラル』(弦書房)、『ケアリング・ストーリー』(ミツイパブリッシング)など、きものについては『きものは、からだにとてもいい』(講談社+α文庫)がある。編著に『赤ちゃんにおむつはいらない』(勁草書房)、共著に『気はやさしくて力持ち』(内田樹、晶文社)、『ヒトはどこからきたのか』(伊谷原一、亜紀書房)、訳書にフレイレ『被抑圧者の教育学』(亜紀書房)などがある。

「2024年 『六〇代は、きものに誘われて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三砂ちづるの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×