鬼の哭く里

  • 光文社 (2024年5月15日発売)
3.20
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本 ・本 (292ページ) / ISBN・EAN: 9784334103262

作品紹介・あらすじ

鬼が哭(な)く夜は死人が出る――まさか、令和になってまで
終戦直後、中国地方の寒村で起きた惨殺事件。姿を消した犯人の呪いにより、今も犠牲者が出ているというが……。驚愕の呪いの真相とは!?
“どんでん返しの帝王” が因習と伝奇の本格推理を現代に甦らせる! 圧巻の結末(ラスト)!!

感想・レビュー・書評

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  • 岡山県の姫野村で昭和20年巌尾利兵衛という62歳の村人による男女6人惨殺事件が起きます。
    その後利兵衛は山に逃げ込み死体がみつからず鬼哭山が哭いた日の次の朝誰かが死ぬという噂がたちます。

    それから数十年後の令和2年、姫野村に麻宮恭一という証券会社に勤めていた男が転地療養の為に家を買い、住み始めます。

    中学生の天木裕也は都会からやってきた麻宮に興味を持ち、親しく話をするようになります。
    しかし、村人の目は麻宮に冷たく、新型コロナを持ち込んだという理由で、麻宮を排斥するようになります。

    そんなとき鬼哭山が哭き、次の日草川老人が亡くなっているのが発見されます。
    草川の次男の康二は「悪い気を東京から持ち込んだ」という噂を流しコロナと祟りを持ち込んだ人物は麻宮だと言い始め、麻宮の家や車が荒らされるようになります。

    裕也は村の昔の事件を調べ始め巌尾利兵衛と麻宮の顔が瓜二つだということに気づきます。
    果たして本当に草川老人の死は鬼哭山の祟りなのか…。
    そして、また鬼哭山が哭き、被害者が出ますが…。




    感想としては、きっと誰かが科学的に祟りを解明してくれると思っていました。
    謎は科学で解明されます。
    麻宮の正体も判明します。
    そして最後のオチは…。
    うーん…。

  •  なんか、怖そうなタイトル((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
     でも読後、あれ?そんなに怖くはなかったかも…と、思いました。

     物語の舞台は岡山県姫野村、人口300人足らずの限界集落で、約70年前に村人6人を惨殺したとされ世間を騒がせた巌尾利兵衛の呪縛に囚われていた。それは、数年に一度鬼哭山から利兵衛の咆哮が轟くと、村人が死ぬというというものだった。時は流れて令和2年…村の人々は新たなる恐怖、新型コロナのパンデミックに晒される中、東京から転地療養として移住した麻宮…、この地域に息がつまっていた隣家に住む中学生の天木裕也は麻宮と親交を図るようになっていった矢先、鬼哭山から咆哮が轟き、村人が不審な死を遂げてしまう…。

     コロナ禍ぁ…この頃のことを思い出しました。私の住んでいる地域もまぁ田舎なので、県外ナンバーの車を見た!とか、あの人がマスクしていない!最初の感染者だけにはなりたくない!とか、心当たりがありすぎて(;・∀・)!でも、ここまで排他的ではなかったと思ったり…。エンディングはちょっとした驚きもあったけど、なんとなくよめちゃったかな…主人公の天木少年の今後が明るいものであるといいと思います。

    • kuma0504さん
      「フロントライン」観てきました♪
      あの時、豪華客船の窓から「クスリ足りない」と訴えていた人たちは、「元気が有り余っている」人でしかない、とい...
      「フロントライン」観てきました♪
      あの時、豪華客船の窓から「クスリ足りない」と訴えていた人たちは、「元気が有り余っている」人でしかない、という事実を初めて知りました。あの頃、あれほど毎日豪華客船の報道しかしていなかったのに、どうしてそういう情報を一度も私は観たことがなかったのか。
      情報の洪水が如何に恣意的なものなのかをまざまざと考えさせられました。反省しきりです。
      2025/06/16
    • かなさん
      ultraman719さん
      「フロントライン」私も是非見たいです!
      以前に高梨ゆき子さんの「命のクルーズ」って
      本を読んだことがありま...
      ultraman719さん
      「フロントライン」私も是非見たいです!
      以前に高梨ゆき子さんの「命のクルーズ」って
      本を読んだことがあります。
      DMATには感謝しかありません…。
      未知のウィルスに対応するって、命がけですものね…!
      2025/06/16
    • かなさん
      kuma0504さん、おはようございます。
      kuma0504さんも観たんですね!!
      私も観たいと思ってます!
      あの時連日ニュースから豪...
      kuma0504さん、おはようございます。
      kuma0504さんも観たんですね!!
      私も観たいと思ってます!
      あの時連日ニュースから豪華客船の様子流れてきましたもんね…。
      薬が足りないっていう貼り紙を外に見えるように掲示してたの、
      よく覚えてますが…そうだったのですか??
      それは、私も今になって初めて知りました!!
      教えてくださってありがとうございます。
      2025/06/16
  • 戦後間もなく、巌尾利兵衛の六人殺しの惨劇が有った、姫野村にある、地図にも名前が載らない山。
    誰言うともなく「鬼哭山」と呼ばれているその山には「鬼が哭く夜は死人が出る」そんな言い伝えがあった。

    閉鎖的な村に一人の新参者がやって来た。
    村人達は、彼を受け入れず、追い出そうとする。
    新参者は、そんな事にも、我関せずを続ける。
    村を嫌い、村人を嫌い「大きくなったら、村を出る」と思っている中2の男子。

    そんなある日、鬼が哭いた。

    面白かったけど、このどんでん返しはどうよ。

  • 岡山県姫野村の限界集落では、令和の現在も70余年も前に起こった村人6人惨殺事件犯・巌尾利兵衛の呪いを恐れていた。
    数年に一度、鷲尾が逃げた鬼哭山から咆哮が響くと村人が死んでいる…というまるで呪い殺されたかのような伝説が今も噂されている。

    新型コロナ感染症の最中に東京から一人の男が移住してきたことをきっかけに、呪いの犠牲者と思われる死者が出て…
    すべてを余所者のせいだと決めつけられ…。

    東京から来た麻宮と近所に住む中学生の裕也の交流、嫌がらせを受けている最中にやってきた麻宮の友人の吹邑。


    心理戦に長けた株屋の麻宮と手先が器用でフィールドワークにも強い学者の吹邑のコンビが、とても良い仕事をしている。


    最終、そうきたかぁ…と唸る。
    すっきりとはさせてくれないところが憎い。




    次々に新作を出す中山七里さんに読む方も追いついていかない。
    シリーズ物もあるし、いったいどれを読んだのかわからなくなってしまう…
    積み本、予約本ありなのに時間が…。




  • 『鬼が哭く夜は死人が出る』。嵐の夜、「鬼哭山から巨大な生き物が笑っているような泣いているような大音声が」轟くとき、鬼哭山に入った人が必ず死ぬ。これが巌尾利兵衛の祟り。

    岡山県の寂れた山村・姫野村に移住した証券マンの麻宮は、住民から敵視され、嫌がらせを受けながらも、巌尾利兵衛の祟りの謎解明に果敢に挑む。「祟りだとか呪いだとか理屈に合わない謎の種明かしをしたい。なるべく長くすんでいたいからね」。村で唯一麻宮と親交を結んだ隣家の中学生・裕也は、麻宮を何かと庇い、サポートするが、麻宮を巡る村の状況は悪化するばかり。

    コロナ禍での偏屈で狭量で幼稚な村人達の振る舞いが強烈! 麻宮がこの状況を冷静に分析していて興味深かった。麻宮曰く、「仲間になろうとしない者は閉鎖的コミュニティにとっては異物でしかない。異物だから弾こうとするのは当然の本能だよ」、「知識が偏って社会的常識にも疎くなった人間が最初にする行為は、部外者の排斥だ」、「世情が不安になれば人は自分と色の違う人間を排斥しようとする」…。

    ラストのどんでん返しは、取って付けたようでちょっと不自然だったな。

  • 読んでいて、コロナ禍の息苦しさが再びよみがえってきた。閉鎖的な村でコロナでさらに鬱屈がたまり…でもああいうラストになるとは思わなかった。結局一生村に縛られちゃうのかな。

  • 祟りは科学的に解明されたけど、鬼とは一番縁遠いと思われた人物が実は鬼だった…
    「いずれ誰かが気づくに違いない」
    これから秘密を抱えて生きていくことができるのだろうか。

  • 利兵衛の祟。山からの哭き声で人が死ぬ伝承。連続不審死を余所者のせいにして攻撃する排他的村人が許せない。事件は科学的解明でスッキリ。闇に潜む殺人者にとって不都合なサービスに怖気づく。もはや呪い。

  • #読了 #鬼の哭く里 #中山七里
    終戦直後、中国地方の寒村で起きた事件。姿を消した犯人の呪いにより、今も犠牲者が出ているというが。
    驚愕の呪いの真相とは⁉
    呪いによる恐怖とコロナ禍の疑心暗鬼。ここまで時代錯誤で同調圧力の酷い所は無いと思うけど、近いのはあるのかな…
    話が通じない…

  • 中山さんの本はだいたい好きなんだけど…これはハマれなかった。

    半分まで読んでもイマイチ盛り上がれない。最後まで読んでも…うーん…

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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