繭の季節が始まる (光文社文庫)

  • 光文社 (2024年6月11日発売)
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本 ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784334103385

作品紹介・あらすじ

新型ウイルスに対抗するため、政府が定める期間、外出を禁じられ「巣ごもり」を強制される《繭》の仕組みができた日本。しかし警察官の水瀬アキオは、仕事柄、繭の外に出なくてはならない。ある日、アキオは、相棒のAI搭載の猫型マシン・咲良とパトロール中に、無許可で外に出ている犬を見つける。飼い主宅を訪ねると、死体が発見され……。外出禁止下でもなぜか事件が起こる街で、一人と一匹が謎に迫る話題のクライシス・ノベル。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの「繭」は、パンデミックに対するロックダウンをよりシステマティックにした感じのもの。つまりエッセンシャルワーカーなど一部の人以外は外出が禁止(犬の散歩はOKというのが面白い)されている状態で、交番勤務の警察官の奮闘を描いています。
    パンデミックを経験している我々なので、描かれていない部分も含めて状況がなんとなく想像できます。あと忘れてはいけないのは、相棒であるネコ型ロボットの咲良です。ただ猫小説ではあるものの、猫要素は薄いかも。

  • 表紙も可愛いし、コロナ禍を思い出す設定なので、どんなお話なのか読んでみたいと思った。
    新型ウィルスに感染しないように「繭」に入るシステムができた近未来の日本、主人公は「繭」外で勤務のある警察官アキオ。猫型ロボット(AI)といっしょにパトロール中出会う事件は、禁止された外出をしている人や工場への不法侵入など孤独感や絶望からくる身近なものばかり。
    AIについても考えさせられる文章がたくさんあった。
    自分なりに一生懸命、誠実に働くアキオの姿が素敵で、猫型ロボットの咲良が犬のタンタンと仲良さそうにしている描写がとても可愛くて和んだ。

  • 世界をコロナ(COVID-9)の感染拡大が襲い各国がロックダウンによる都市封鎖やワクチン接種によって危機を脱出してから数十年後の近未来が舞台。
    人々を感染から守るための繭システムの外で働く警察官アキオと相棒の猫型AIロボット咲良。
    ふたりが出会い解決していく日常の事件。ほのぼの系と見せかけてその裏に描かれる社会的問題にこそ注目すべし。
    そして読後も残る作者が仕込んだ宿題。始まりの終わりの始まり。

  • 逃げた犬と正しい《繭》の入りかた/
    止まらないビスケットと誰もいない工場/
    消えた警察官と消えない罪/猫の手は借りられない/
    引きこもる男と正しい《繭》の終わらせかた/終章

    新型ウイルスに対抗するため外出自粛のお願いをするのではなく、「巣ごもり」を強制する仕組みをとる日本。
    どんなやり方にも長短あって、この人はあれがいいけどあの人はこれがいいと意見も様々。
    では このやり方は??

  • 2.8。自分と絶対気の合う猫型ロボ、何の心配も無く友達と通信で会いながらおこもり、誰もいない町中散策、羨ましい限りでちっとも疎外感を感じそうに無い私にはピンとこない部分が多々。

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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