映画で読み解く イギリスの名門校 エリートを育てる思想・教育・マナー (光文社新書)
- 光文社 (2024年12月18日発売)
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感想 : 7件
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784334105105
作品紹介・あらすじ
イギリスで多くの生徒が入学を望むパブリック・スクール。その人気は今や海をも渡り、2014年に37校だった海外キャンパスは2024年には100校以上に。日本でもすでに3つの分校が開学している。時に年1000万円を超える高額な学費にもかかわらず、なぜパブリック・スクールはこんなにも熱望されるのか。その秘密を長年イギリスの学校教育を研究してきた著者が、『ハリー・ポッター』をはじめ7つの映画作品を切り口に探る。
感想・レビュー・書評
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イギリスのパブリック・スクールとは、独立学校(インデペンデント・スクール)と呼ばれる私立学校です。独自の経営と教育を行っている寄附基金立学校で寄宿制であることもあり、学費は高く、1年間の学費は1千万円以上(イートン校)です。卒業まではこの額の5倍が必要とのことです。
この本は、パブリック・スクールの特徴がよく表されている7作の映画を取り上げ、寄宿学校の暮らしやカリキュラム、公立学校との比較など、更にはイギリス社会の特徴が説明されています。おなじみの「ハリーポッター」のホグワーツも取り上げられています。
パブリック・スクール(例えば世界的に有名なザ・ナインと呼ばれる学校群)は、イギリス社会に長きにわたってエリートを輩出してきました。ハウスと呼ばれる寄宿寮は、それぞれに顕著な特徴があり、言葉遣いなども異なります。イギリスにおいて、言葉の発音やアクセントは、上流階級と庶民を分ける指標であり、映画「マーガレット・サッチャー」でサッチャー元首相が徹底的に上流階級の発音を訓練していたシーンや、映画「マイフェア・レディ」で花売り娘のイライザが、言語学者のヒギンズ教授の特訓を受けて、上流階級の社交界デビューを果たす例を思い出す方も多いでしょう。
オックスフォード大学で修士号、東京大学で博士号を取得した、イギリスの高等教育を研究する秦由美子(はだ ゆみこ)さんが、パブリック・スクールの光の部分と影の部分を説明してくれます。
イギリスの社会・政治・経済の動きを理解する参考になるかもしれませんし、日本の教育を考える方にも、あと映画好きの方にもオススメします。
目次
第1章 パブリック・スクールと学校生活 「ハリー・ポッター」シリーズに学ぶ寄宿学校の暮らし
第2章 パブリック・スクールと古典 『いまを生きる』に学ぶ生徒の育て方
第3章 パブリック・スクールとマスター 『チップス先生さようなら』に学ぶ理想の教師像
第4章 パブリック・スクールとジェントルマン 『キングスマン』に学ぶノブリス・オブリージュの精神
第5章 パブリック・スクールと公立学校 『ヒストリーボーイズ』に学ぶイギリスの教育制度
第6章 パブリック・スクールとプリーフェクト制度 『if もしも…』に学ぶ歪んだ子弟関係の歴史
第7章 パブリック・スクールとパストラル・ケア 『アナザー・カントリー』に学ぶ負の歴史詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イギリスの階級制度とか、アクセントや嗜む趣味、住宅の種類で自分の階級が一種のアイデンティティになるのほんとイギリスで好き。
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読む限り軍隊に近い寄宿舎だが、1人の教員に対する生徒数が10名程度と少ないため距離が近く、教育との相性さえよければ、生徒が楽しめる環境になっていると思います。
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東2法経図・6F開架:372.33A/H11e//K
著者プロフィール
秦由美子の作品
