翼の翼 (光文社文庫)

  • 光文社 (2025年2月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784334105662

作品紹介・あらすじ

見ていたアニメのCMがきっかけで、有泉円佳の息子、翼は塾の全国模試を受け、中学受験を目指すことになった。中学受験に縁のなかった円佳だったが、難関校も狙えるという翼の成績に期待は膨らみ、息子への愛おしさと共に、成績への渇望が入り交じっていく。
入試問題頻出作家が、中学受験に挑む親子がたどる凄絶な道のりを描ききった、圧倒的な家族小説。

感想・レビュー・書評

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  • く、苦しい。
    読んでいて息が詰まった。
    中学受験ってこんなに大変なの?
    こんなにも親が一緒に頑張るものなんだ。
    むしろ親の方が必死にならないと、良い結果に繋がらないのか。
    子ども自身がよっぽどその中学に行きたいと思わない限り、苦行以外の何物でもない。
    親も子も追い詰められてしまう。
    本当に厳しい世界なんだ。

    何が正解かはわからない。
    中学受験とは無縁の我が家だったが、息子たちは順調に人生を歩んでいる。
    進んだ道を正解にしていくのは自分自身だ。

    ラストはようやくほっとできた。
    翼が楽しく中学校に通ってくれるといいな。

  • 自分がまだ未経験の世界。
    自分としても親としても。
    これは別世界の話なのだろうか。
    それとも望めば訪れる世界なのか。

    謙遜や優越感、妬み、焦りなどの心理的な描写は秀逸。
    途中は受験戦争という魔物に大人が取り憑かれるというホラー。
    最後は家族としての成長譚。

    子供とこの世界を共に経験したいか、、、
    クレヨンしんちゃんを笑いながら観ているまだまだ小さな子の背中を見つつ読了。

  • 親の気持ちに応えたい小学生の息子。
    受験によって蝕まれていく。
    どんどん壊れていく。
    楽しくはない。ただただそこには中学受験のリアルな様子が描かれている。

  • <加藤千恵の新しい朝、新しい本>愛ゆえに 中学受験の恐ろしさ:北海道新聞デジタル 会員限定記事2025年7月6日
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1181647/

    【本】中学受験小説「翼の翼」の感想 - うちの子、天才かもしれん。2022-02-05
    https://www.tensai-banzai.com/entry/tsubasa

    【中学受験と親の役割】小説「翼の翼」著者・朝比奈あすかさんへの10の質問【記事一覧】 | 東京すくすく 2022/08/31
    https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/message/59557/

    中学受験 ネット情報に翻弄される親も『翼の翼』朝比奈あすかさんに聞く 親の心構えは | NHK 2024年2月9日
    https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20240209b.html

    朝比奈あすか(あさひな あすか)-直木賞大衆選考会-推薦候補作家|直木賞のすべて
    https://prizesworld.com/naoki/senkoh/senkoh158AA.htm

    朝比奈あすか | プロフィール | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/reviewer/article/705966

    作家の読書道 第184回:朝比奈あすかさん - 作家の読書道 2017年6月21日
    https://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi184_asahina/

    escocse | Instagram
    https://www.instagram.com/escocse18/

    escocse
    https://escocse.thebase.in/

    翼の翼 - 光文社
    https://books.kobunsha.com/book/b10131706.html
    (単行本2021年)
    https://books.kobunsha.com/book/b10129673.html

    ****
    向き不向きがあるだろうから、無理し過ぎないで良い受験だと良いね(甘~いって一蹴されそう)ᓚᘏᗢ

  • テンポよく一気に読み終えた

    後半感情移入し過ぎて(⁉︎)涙が滲むような場面もありながら
    たくさん考えさせられた

    ある程度大きくなった子どもの親として
    子育てし直せたら今と違う風に成長させられたのではないかと反省すること度々だけれど
    過去には戻れないから
    今この瞬間が本当に正しいのかを心に留めながら
    子どもに接していけたらなと思う

  • 息苦しかった。
    中学受験をキーにした小説はこれで3冊目。受験自体を否定するつもりはないし、一生懸命頑張ることは必ずプラスにはなるけれど、問題は受験する本人に心からのやる気があるかないかだと思う。
    親の主観や思いが全面にたったらダメ。本書もそのパターン。

  • 「ここまでやったのに。これまでやってきたのに。」っていうのと「現状」は切り離して考えないといけない。コンコルド効果って勉強になったなあ!
    現状どう考えてもおかしいんだったら、すぐ打開しないと。私からすると母親がどんどんズレていくけど、そのズレに全く無自覚なことが怖い。
    子どもを子どものままに、その子らしくって本当に大事やなと。好きなことを思う存分納得するまでさせてあげたい。得意を伸ばしてあげたいなあ…。

    メモ
    遠くまで、見渡せる、高い高い、そのてっぺんの空気の薄さに緊張する。

    母親の願望は、隠そうとも表情や語尾からにじみ出て子どもに見抜かれている。

    そう言われた時、ほんの一瞬、心が引っかかれた感じがした。

    コンコルド効果

    我が子の羽ばたきは、当たり前の空気の中の光の粒を素敵に弾けさせ、円佳の世界をいっそう明るくしてくれた。そして、その光は全て、まごうかたなき本物だった。自分が、本物の光たちを貪欲に書き集め、比べたり、凝視したりして、もっともっと増やそうとしたことを思った。光は光のまま、ただ抱きとめてあげればよかった。

  • 母親の我が子への愛情と期待…
    子供の中学受験(小説内ではチュウジュと呼称していた)を目指し、教育熱心な母親の心労を描いたお受験小説。(ネタバレあり)

    円佳(まどか)には小学校三年生の一人息子である翼(つばさ)がおり、地元の素行の悪い子がいる公立中学へ進ませることを躊躇し、義父母からのプレッシャーもあり、チュウジュ(中学受験)を翼と共に闘っていくことを親子で誓いあう。円佳はママ友やSNSでの情報収集をし、難関校への進学実績の高い有名塾に翼を通わせ、励まし続ける。しかし翼の塾のクラスが降格したり、悩みは尽きない。
    母親としてできる限りの後押しをして、塾のクラスが最高峰のクラスになると涙を流し喜ぶ…やがて見かねた父親までが翼の勉強について口を出すようになり、スパルタ指導で暴力を振るう。翼も怒られるのが嫌で塾の試験で不正をする。このシーンは胸が痛んだ…やがて親の期待に応えられる成績が取れない翼は心が病んでしまう…

    わからなくはないけどなあ…これが読み終えた後の感想だ。
    言葉を選ばす言うとチュウジュは正直言って親の自己満足みたいなものであり、子供は言われるがまま、競争意識を煽られ、親を喜ばせたいから努力するような気がする…。

    我が家は2人の息子がおり、もう2人とも成人しているが、昔のことを思い出してみても、息子たちを塾には通わせたけど、カミさんも僕もガミガミ鬼のように勉強しろ!と言った記憶は無いなあ。(新しいドラクエが出たら、一緒に夜遅くまで攻略していたアホな親父でしたし)

    この小説はチュウジュをする(した)親御さんにはバイブルとなり、懐かしく思える内容なのかな。
    しかしその経験の無い僕のような親には、ここまで教育に熱心で盲信的な親は『やりすぎ』であり、ちょっと滑稽にも思える。子供がそのまま真っ直ぐに育つかなんてわからないしね…優秀な人の集まる環境は刺激になるかもしれないが、偏差値の高い学校には優秀な層の中での競争があり、そこで劣等感を感じることもあるはずだ…もちろん親は素晴らしい人生を子供に送らせたい一心は当たり前の感情だが、結局は自分の人生の責任は自分にあるということが、今の僕の年齢になれば何となくわかる。

    なかなかの問題作であることは間違いない…

  • 中学受験を経験した、元小学生です。
    小1から塾に通い、テストで悪い成績を取るたびに
    成績表やテキストをビリビリなんて日常茶飯事でした。

    両親ともに中学受験未経験者でしたが、
    特に母はこの本の円佳や真治のように
    ヒステリックになることが多かった思います。
    (あとから聞いた話ですが、父親は受験に興味沸かなかったみたい。)

    当時こそ悔しい、なんでビリビリにされなきゃいけないのか、悲しい、辛い。
    いろんな気持ちが頭をぐるぐるしてた記憶。
    本当に辛かったけど乗り越えて勝ち取ったからこそ見える景色、楽しい青春があったなと。
    今でこそ思えます。

    中学受験は親子ともに大変なイベントでしたが、
    後悔は全くない。いろんな意味で成長できましたし、金銭面含め併走してくれた母には感謝してます。

  • 自分は子供の側で中学受験を経験した。まぁ翼くんみたいなゴリッゴリの最上位校を受けたわけではない(当時星波のモデルになった学校の過去問を試しに解いたら意味がわからなすぎて寝込んだ笑)し、20年以上も前の話なので今ほど苛烈な時代ではなかったが、それでも中学受験にかかる受験生の負担は痛いくらいに分かる。同時に、当時の親の年齢に近づいた今親がどのような気持ちで自分を見ていたかも分かるようになってきた。
    この親を「見栄や意地で自分や子供のキャパシティを考えられずにコンコルド効果で受験戦争から抜け出せない無能な親」と切り捨てる事は簡単だろう。しかし中学受験というのはそれだけの魔力を秘めている。これは経験した人にしかわからない。自分はこの一家を笑う事はどうしてもできない。
    一度親にも薦めてみたいと思う。今ならどういう感想を抱くだろうか。

  • 2025.09.29〜10.18

    親の勝手な思い込みで翻弄される子。大変だね。
    大きな翼で羽ばたける、視野の広い子になってね、つーちゃん。

  • 現象だけみたら、まさか自分がこうなるわけない、と思えるほどの親の執着なように思えるが、小さなきっかけが積み重なり、我が子のため、にエスカレートしていく。親も子も今までやってきたことに執着し、アイデンティティを偏差値に染められていってしまう、、自分はこうはならない、と言い切れないリアリティがあり、軽く考えないようにしないと、と覚悟した

  • 父親も母親も子供も、みんなが一生懸命だった。
    胸が熱くなった。
    特に子供は頑張って頑張って頑張って勉強して……あんなに頑張ったことが私の人生であっただろうか、って思った時に今どれだけぬるま湯にいるかわかった。
    勉強もスポーツも、そこまで突き詰めて頑張ったことはない。。
    頑張っても頑張っても報われないことが世の中にはあって、頑張りすぎると心が潰れてしまう。。
    特に子供だと難しいですね、どこまでがその子の為で、どこからが親の"所為"で、になるのか、、。

    でもこの本に書かれたような家庭は実際にたくさんあるんだと思う。

  • 胸熱くなったな。本人が主体的に選べる環境づくりが重要。それが小学生だと難しい。客観的に見たらなんてバカなことするんだろうと思うけど、当事者になったらわからないんだろうな。

  • 子育て中の親なら共感するところがたくさんありました。
    子供のことで、母親は死ぬほど一喜一憂してしまうんです。それがだめってわかってもそうなんです。子供は親が好きだし、意思なんてあるようでなくて、期待に応えようと追い詰められてしまう。
    この本を初めて読んだ時、決して親主導で受験を始めるまいと戒めになった本です。

  • 中学受験の闇?子どもたちは常にパパママの期待に応えようと必死なのね。#読了

  • 同じくらいの子を持つ親として読んだ。
    途中、苦しくて苦しくて、何度も涙した。
    私も子どもの翼を守らないと…そう気持ちを改めた。

  • 中学受験にのめり込んでいく母親の心境の解像度が、すごかった。
    私自身、子どもの受験はまだ(関係あるかもしれないし、関係ないかもしれない)なのに、自分が経験していると錯覚するくらいに、リアルだった。
    読んでいてすごく苦しくなるけど、ちゃんと救いがあるので読後は爽やか。
    一気に読んだ!

  • 中学受験に、ついて考えさせられる話でした。
    子供、親視点から、どちらも共感しました。
    我が子も、小学4年生。
    受験も、視野に入れていますが、やはり、成績に一喜一憂してしまう、自分がいます。
    楽しくやれるよう、思う毎日です。
    最終的には、やらせるのではなく、自分がどうしたいのか?だと思います。頑張って欲しい気持ちは、強いですが、受験するかしないかは、子供に任せたい思いです。
    翼くんは、結果的に、良い結末で良かったと思います

  • 中学受験がテーマ。マンガ『二月の勝者』を読んでたので衝撃はそこまでではなかった。

    子どもに中学受験させるなら、親は二月の勝者なりこういう本なりを読んで「覚悟」した方がいいと思う。

    うちの子はまだ低学年で運動はできないけど、勉強は正直できる方で、好きでテストを受けるような子。
    夫はここに出てくるようなタイプじゃないけど、成績や私は同じような道を辿る可能性が大いにある。

    一喜一憂しない、いつでも引き返す覚悟、メンタル優先。自戒しないと。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』など多数。

「2021年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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