確率2分の2の死 (光文社文庫 し 5-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334702144

感想・レビュー・書評

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  • この作品はシリーズ一作目ではないのですね。

    この作品自体は、ちょっと小奇麗にまとまりすぎかなぁ、という印象。

  • う~ん、野球賭博と白いライトバンの後ろが連絡場所と何か関係あるのではないかとは感づいていたのだが、なるほど、誘拐事件が保険として絡んでくるとは読めなかった。

    『眩暈』、『アトポス』、そして『異邦の騎士』と、所謂島田流「本格ミステリ」が御伽噺めいた幻想性を前面に打ち出しているのに対し、この吉敷シリーズは市井の犯罪を描く贅肉を削ぎ落とした「本格推理小説」。
    この軽さがタイミング的に合っていて一服の清涼剤になった。

  • 吉敷刑事のシリーズ。
    野球選手の息子が誘拐されたところから。
    その誘拐犯人に指定された身代金を持って出かけた刑事でしたが、そこに公衆電話から一本の電話が。その後次々とかかってくる次の指定場所にかかってくる電話に出なければ子どもの命が危ない、となると、そりゃもう必死に限界まで走って指定場所まで駆けつけます。誰にも助けを求められず、構う余裕もなく、とにかくひたすら走るのです。誘拐事件は何とも唐突にわけのわからないまま無事に終了。関係者の疑問だけが残りました。
    それとは別にとある街を一台の車が同じ曜日、同じ時間にぐるぐる走ることを発見した主婦。何が起きているのかわからないが、街の人に聞いても誰もそんな車は見ていないという。おまけにとある日は自分の夫がその車を運転していることに気が付きます。訳がわからないまま不安な日々を過ごしていると、なんと夫が誘拐犯疑い。
    ここでようやく二つの出来事が意味を成すのです。
    そんなバカなと思いつつ、アイデアは非常に島田さんらしく面白かったです。

  • 一気に読んだ。
    派手さはないけどおもしろかった。

  • さらっと読める小作品としては、悪くない。

    序盤のスピード感のある出だしから、
    主婦目線の戸惑い・不安・困惑。

    誘拐だけじゃなくて、もう一つ別の要素と
    組み合わせて、ハイブリッドさせたやり方は
    なるほどと思わせる。

    ただ、そこまでの深さと長さもないので
    さらっと読んで楽しむ程度の作品止まり
    という面もある。

  • それなりのおもしろさだか、途中から、かなり無理あるなぁという感じ。その時代ならアリかな。

  • 島田さんの提示する謎は、いつもとても派手で魅力的である。しかし、それだけに「トンデモ解決にならないかな・・・?」と心配してしまう気持ちも毎回ある(^^;)。

    今回の謎はあまり派手さはなかったものの、とても不可解で魅力的だった。綿密に練られた誘拐計画、しかし犯人は身代金を受け取らずに、あっさり誘拐した子供を解放してしまったのだ。

    解決にはなるほどね、と思ったものの、問題→解決までの調子があまりにあっさりしていたので、もったいない、と感じた。これだけの謎と解決を考えたにしては、なんだか中途半端だなと思ったのである。もうちょっと膨らませるか、あるいはぎゅっと濃縮して、キレのいい短編にした方がよかったのでは。
    やっつけ仕事で書いた作品だったのかもしれないな、とも思った。クオリティはなかなか高い一品だけに、ちょっと残念である。

  • さらっと読める。

  • 車の目撃の場面、犯人の失敗などつじつま合わせの感はありましたが、物語の形式・謎の内容・解決ともおもしろかったです。やっぱりこの方面にはまると恐ろしい。

  • 9割程度まで謎のまま話が進む。さっぱりわからない。ラストで一気に点と点が結ばれて解決へと向かう。

    動機が私の不得意な野球関係であることとか、少しばかり強引で、現実的ではない部分が隠れ見えするのが残念だが、グロさも無く気軽に読める短編である。

    今回は感動するほどの冴えは確認できなかったものの、なんでも書ける天才作家の作品だけに楽しみだったし、まぁまぁ満足だ

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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