出雲伝説7/8の殺人 (光文社文庫 し 5-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334707224

感想・レビュー・書評

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  • バラバラ死体があちこちの駅に撒かれているというショッキングな事件。
    時刻表トリックは難しくてついていくのに必死だったけど、それでもトリックは楽しめた。


    吉敷さん好きなんだけど、本作ではあまり個性はなかった。けど、実際に出雲1号に乗り込んで実践してみる行動力はさすが。

    この本で時刻表トリックは日本独特のものだと書かれていてなるほどとなった。日本の鉄道は時間厳守だからこそ出来るトリックなんだ。

  • 吉敷刑事シリーズ。
    出雲の話がメインで、それに絡んで寝台車を利用した殺人事件。
    でもこのばらまき方、今の監視カメラの多い時代じゃちょっと無理かな。それさえなければかなり面白い処理の仕方だと思うのですが。
    そして、そこまで車内でできるもんだろうかと思いつつ、島田作品はできるできないを突っ込むのではなく、そういう話の流れを楽しむものだとようやく悟ってまいりました。
    でも心の中ではやっぱり突っ込むけどね。

  • 島田荘司全集で読了。これもトラベルもの。山陰地方の列車に首以外の7つの部位のバラバラ死体がばら撒かれる。被害者と容疑者は交わらない別の寝台特急に乗っていた、、という時刻表アリバイもの。いやー面白いっす。またバラバラか!またアリバイか!という思いはあるものの、相変わらず変態的な不可能犯罪です。主人公の吉敷刑事が、ところ変わらずあの分厚い時刻表をパラパラするところも最高です。
    本作は、出雲の歴史解釈をバックボーンにしており、解釈もかなり面白くためになります。登場人物の人情味もあり、傑作ではないでしょうか。

  • 島田荘司はむかーし御手洗シリーズは読んでたんだけど、アトポスで脱落してそれっきりだった。
    それが最近二時間ドラマをよく見るようになったら吉敷刑事シリーズがおもしろくて。
    とにかくトリックがド派手でいいのよ。
    それでちょっと本も読む気になった。
    この本もバラバラ死体がローカル線の終着駅で次々発見されるっていう気になる始まり方で。
    途中ヤマタノオロチの話もまあそんな興味ないけどそこそこおもしろかった。
    解決するところもなかなかスリリングでよかったなー。
    他の本も読みたい。

  • 出雲神話になぞられたバラバラ事件。何故犯人は死体をバラバラにしたのかが見所の作品です。島田氏らしい派手で猟奇的な事件と、時刻表トリックがうまく融合しています。犯人のアリバイ工作が綻び始める展開はとても面白かったです。
    精密なトリックを計画した用意周到な犯人が単純なミスで捕まった点と、犯行に至った経緯が説明不十分だった点が不満です。

  • 最近読み始めた島田荘司の中で「出雲伝説」つまり古代史に関わっているので読んでみた。

    改めて思ったのは「自分は列車ものは好きじゃない」、というか殺人事件のトリック自体に興味があまりないんだろうなあということ。むしろ、殺人を侵す程の激しい感情や他人には一見理解され難い理論的な動機を読み解いていくような話が好きなんだろう。高田崇史が歴史9ミステリー1とすると、本作は歴史1ミステリー9といったところ。そういった意味でも自分は高田好みだと思う。

    ただ、大山噴火説はありそうで面白いと思った。

  • トリックは面白い。
    この時点では主人公(吉敷)のキャラクターが弱く、まだまだ未完成な印象。

  • 古典解釈に全く興味が湧かない、路線図がサッパリといろいろ不満もあったが、トリックはまぁまぁ(←偉そう)

  • このシリーズ読んでますが、その中ではそれほどでもなかったと。
    面白くなかったわけではないんですけど、このシリーズ読んでてこの台詞を言うのもアレですが、時刻表よく分からないんですよねぇ~。

  •  途中でトリックが解った。つまり、話の進め方に無理がある。とても名探偵とは思えない。名探偵ならいい加減に気が付けよ、と言う感じ。
     犯人は最初の方に解っている。「刑事コロンボ」と同じ。犯人が解っていて、でも証拠がなかったり完璧なアリバイがあったり。そのトリックをどうやって崩していくか、犯人との駆け引きがが見所。そこは同じだが、「刑事コロンボ」とレベルが違う。細々としたところに無理が多すぎる。
     でも、面白かった。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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