マヤ文明・インカ文明の謎 (光文社文庫 れ 2-6 グラフィティ・歴史謎事典 6)
- 光文社 (1988年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334707804
感想・レビュー・書評
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写真や図がたいへん豊富で(かなり貴重なものもあるのでは?)、写真を考慮して全ページが上質なので、写真の解像度が高くとても良いのですが、それでも文庫サイズで写真枚数を増やすために、サイズが小さくて残念な写真もあります。
タイトルはマヤ文明・インカ文明ですが、メキシコ・ペルーを中心とする古代王国栄枯盛衰の複雑な歴史をサラッと流して学べます。
また、古代から現代(といっても1980年代まで)へヨーロッパ侵略にも消滅せずに受け継がれている文化人類学的な話題を学べます。田舎の様子も今では、かなり変わっていそうな気がします。
歴史謎事典シリーズの一冊ということで、章題にマヤ文明謎事典、インカ文明謎事典とありますが、歴史の概観という印象なので「謎」は違うかなという印象。各トピックの内容も広がりがありつつも網羅的でも無いので、「事典」という言葉も違うのでは、という印象です。
タイトルの違和感は無視しても、内容は初心者にはサラッと学べて興味深いものでした。特にインカ文明謎事典の章の各々のトピックは、コンパクトかつ的確なポイントを上手くまとめてあると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新書文庫
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「マヤ文明・インカ文明の謎」4
著者 落合一泰、稲村哲也
出版 光文社
p69より引用
“だがインディオ側は、それまでの宗教観にキリスト教の教義や
十字架・洗礼などのシンボルをいち早く取り込み、「民俗的カト
リシズム」とよばれる合成的な宗教を作り上げた。”
文化人類学者である著者二人による、マヤ・インカ文明につい
て書かれた一冊。
遺跡のカラー写真から各文明の年表まで、詳しい解説と共に紹
介されています。
上記の引用は、スペインの植民地政策について書かれた項での
一文。古くから伝えられてきた文化や宗教というのは、それほど
簡単に踏み潰されてしまうものではないのかもしれません。
解説の文章と写真の量が半々位に思ってしまうほど、ふんだん
に写真が掲載されているので、写真を目当てに購入してもいいの
ではないでしょうか。
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インカ帝国展にいって興味がわいたので、文庫サイズで図と写真が多いものを探して。
マヤ・アンデス文明は、目に楽しく興味深い。神殿の写真、神様の図、土器のほか、現代にいきる古代文明の名残の紹介もあり、おもしろかった。
もっとキープ(ロープの結び目で記録をとるもの)の記述があればよかったな。 -
(2007.07.30読了)(2002.06.28購入)
「グラフィティ・歴史謎事典」シリーズ
古代文明というのが好きで、遺跡の発掘というのにも興味をそそられます。
ギリシャ・ローマの遺跡、アステカ・マヤ・インカの遺跡、ヨルダンのペトラ・シリアのパルミラ、エジプトのピラミッドなど現地へ足を運んでみてきたものもあります。
○○文明展とか、○○遺跡発掘展、などがあるとつい見に行ってしまいます。
見に行ってもすべて見て覚えてくるわけにも行かないので、時々本を読んで、思い出してみたり、新しいことを学んだり、新しく分かったことなどを読んで驚いたりしています。
新しい発掘によって分かったこと、整理しなおして分かったこと、視点を変えて今までの考えと違ったことが分かってきたとか、実物を見るのと同じくらい、本を読むのも楽しいことです。
ユカタン半島を中心としたマヤ文明も、南米アンデス山脈西側に栄えたインカ文明も16世紀のスペインの侵略によって滅びてしまいました。
多くのものが、キリスト教徒にとって不可解ということで、破壊され、焼却され、金製品は、鋳潰されてしまいました。
石に刻まれたもの、スペイン人にとって無価値なもの、土中に埋もれていたものは、かろうじて残り、発掘整理によって、少しずつマヤ文明、インカ文明、アステカ文明について分かってきています。
マヤ文明では、多くの石の浮き彫り、マヤ文字が残されています。マヤ文字の解読は困難を極めているようですが、少しずつ解読は進んでいるようです。
インカ文明には、文字はなかったようですが、縄の結び目で意味を表す、キープというものがあったようです。
タバコ、ジャガイモ、トウモロコシなどは、中南米からもたらされたものです。
カラー写真が多数使われ、マヤ文明、インカ文明についての基本的なところは説明してありますので、入門書としては、適しているのではないでしょうか。
この本は、歴史謎事典シリーズの⑥です。
☆歴史謎事典(既読)
①「古代エジプト文明の謎」吉村作治著、光文社文庫、1987.08.20
③「古代ローマ帝国の謎」阪本浩著、光文社文庫、1987.10.20
⑤「コーランの世界」吉村作治著、光文社文庫、1988.03.20
(2007年9月9日・記)