津和野殺人事件 (光文社文庫 う 1-5)

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  • 光文社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334708214

感想・レビュー・書評

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  • 【古き良き日本を感じさせる推理小説の傑作】

    昨夜の雨より気温がぐんぐんと上がって・・・優しい陽射しが
    照りつける今日ってホントに爽やかで気持ち良いですよね!!

    しかも今朝なんか街全体にうっすらと朝靄がかかってて・・・
    すぐそこまで来ている春を感じて心が洗われた気がするかも??

    えっ、彼女はともかくおっさんがそんなこと言うなって??

    あはは・・・そうだよね、ごめんね、ごめんね~!!
    ↑かば焼き三太郎風に・・・(笑)

    そんな今回は気持ち良い一日にふさわしい内田康夫さん作品を
    お勧めします!!

    そんな今回は事件モノながらも爽やかな日に相応しい内容を誇る
    浅見光彦シリーズの中でも傑作の『津和野殺人事件』をご紹介
    しちゃいましょう!!

    やっぱりね、前回、前々回といくら素晴らしい内容で皆さんの為
    になる作品とはいえ、内田さんの本分は推理作家なので・・・
    王道の推理作品をご紹介しないと気持ちが収まらないっていうか、
    何だかモヤモヤしちゃうので・・・許してねっ(笑)

    本作は百冊以上ある内田さん小説の中でも彼女のお気に入りベスト
    3に入る秀逸な作品で・・・読後は爽やかで清々しい印象を与えて
    くれる傑作なのでホントにおススメですよっ!!

    そんな本作の主人公は勿論、浅見光彦さん!!

    著者曰く”少しトウの立った永遠の33歳”とはいえ、彼の全ての
    行動と思考が爽やかで格好良すぎるっ!!

    しかも背がスラっとしてて格好良いっ!!

    現実にいくらあの怖いお母さんがいて、実家とはいえ超エリートの
    頭が上らない賢兄に居候させてもらってて、いつもソアラのローン
    に追われてるフリーのルポライターでその日暮らしに近い生活をお
    くっていても・・・そんなの全然、気にならないっ(笑)

    あ~~~っ、お友達になりたいっ!!
    あはは・・・現実逃避しちゃったっ(笑)

    そんな魅力的な主人公は怖過ぎるお母さんが東京都染井霊園にて
    死体を発見、通報した事から事件に巻き込まれてしまいます。

    ・・・って、”巻き込まれて”じゃないよね??

    いつも身近に事件が起こると自分から首を突っ込んでるし、本作も
    最初っから首を突っ込みたくてウズウズしてたよね??

    なので母親から”警察に協力しなさい”って言われた時も、本心は
    嬉しくて堪らなかったのに躊躇して見せたりして・・・まあ、浅見
    さんの立場からいうとそれも仕方ないと思うし、それで経費が出る
    事になったんだから、結果、オーライって感じかな(笑)

    そんなこんなで事件を追っていくうちに、表題の津和野に事件の
    ルーツがある事に気がついて・・・

    と、本当は書きたい事が沢山あるんだけど・・・ネタバレしちゃう
    と推理小説って読む楽しみがなくなっちゃうよね??

    ホント、今更だけど推理小説ってレビューするのが難しい!!
    なので、舞台となった津和野の素晴らしさをご紹介・・・

    って、”旅と歴史”じゃないんだからって、浅見シリーズを読ん
    だ事がある方しかわからないよね~っ(笑)

    一応、本文から抜粋して・・・

    山陰の小京都と呼ばれる津和野町は島根県の西南に位置し、人口
    は八千人余り、町を縦貫する錦川の清流を挟んで東に青野山、西
    に城山を有している。開祖吉見頼行が封地されて以来、吉見氏十
    四代、坂崎出羽守16年、亀井藩主十一代の居城として殷盛を極め
    た。

    ちょっと面倒くさくなっちゃったので、この先の要点を掻い摘ん
    で書くと・・・

    津和野は小国ながら政治に優れ、戦国時代の列強に臆する事
    なく津和野を守り、明治時代には津和野大学を持って明治政
    府の政策をリードする大役をも担った勤勉で実直、理を理解、
    実施できる素晴らしい人材を育成してきた土地柄を持った
    地域であり、その風景は正しく小京都と呼ばれるに相応しい、
    侘び、サビに溢れた素晴らしい佇まいで古き良き日本を感じる
    のに最高の地域の一つである。

    って、これだけじゃ何だか寂しいよね??
    なので差支えない程度にご紹介しちゃいます(笑)

    樋口久美の遠い記憶に微かに残っている”赤いトンネル”・・・
    それにこだわり続ける母に実加代は津和野へ向かう決心をする。

    赤いトンネルがある山複の茶屋で母娘は一人の老婆と出会う。
    驚きの表情で実加代の顔を凝視する老婆。

    気になった実加代は翌日、老婆を訪ねるが・・・

    と、ここまででストップ!!
    これ以上、書いちゃうと面白くなくなっちゃう!!

    でも、遠く離れた東京で発見された染井の事件も含め、全ては
    津和野に原因があり、その大本は吉見氏から連綿と続く津和野
    らしい古き良き日本らしさにあったのです!!

    こう改めて書いてみると内田さんの小説っていつも奥が深い!!
    だから面白すぎて時間を忘れて読み進んじゃうのかな??

    それでこの機会にぜひ言っておきたいことが・・・

    よくTVで内田さん作品のドラマがやってますよね??
    二時間ドラマとか、映画化された”天河伝説殺人事件”とか。

    私も何度か見た事があるんだけど、ホントに面白くない!!

    っと、彼女は面白いって言ってるので・・・これは私、むう
    だけの意見ね(笑)

    映像作品は小説のドキドキ、ワクワク感を殺しちゃってるし、
    酷い場合には内容すら変えちゃってて・・・

    いくら”レビューしてみたら”って彼女に言われても、全く
    レビューする気になれないのです!!
    ていうか・・・ホントにダメでしょっ(怒)

    内田さん作品の良いところって風景の描写とか、登場人物の
    ちょっとした仕草とかがさりげなく描かれているので、脳裏
    に鮮明にイメージでき、まるで自分が浅見さんになったよう
    な気分で読み進められるのが良いのだけど・・・

    映像になるとその文章の間の捉え方が一方的過ぎ、もしくは
    全く捉えきれておらず、通り一遍になってしまっているので
    あらすじ的な印象になってしまっていて・・・

    正直、皆さんに薦められる作品は無いかもって勝手に思って
    ます!!

    あはは・・・また暴走しちゃった!!

    ”最近、暴走しすぎだよ?”
    って、よく彼女から言われてるんだよね(泣)
    折角考えてくれてるのに・・・概要に沿うように頑張ります!!

    と、いう事で是非、皆さんにはこの機会に”小説”を読んで
    もらいたいのです。
    それで最初に読むならやっぱりこの『津和野殺人事件』!!

    古き良き伝統と風習を感じられる本作なら、どなたでも
    満足できること、間違いありません!!

    内田さん作品をほぼ全巻持っている・・・むう達でした!!

  • 大切にしたい人の感覚。
    ただそれゆえ、想いが乱れる。

  • 浅見光彦シリーズ。お家騒動みたいな感じだったと思う。波乱万丈。(2006/12月読了)

  •  かなり以前に読んだ内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。
     ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“浅見光彦シリーズ”の制覇にトライしてみようと思い始ました。
     この作品は「第4作目」です。舞台は“津和野”。
     ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品はシリーズの中でもかなりの力作の部類だと思います。

  • 山陰の小京都・津和野、ここで隠然たる勢力を誇る旧家・朱鷺家には、ある秘密が隠されていた。一族をめぐる連続殺人。名探偵・浅見光彦は、「赤いトンネル」の記憶に呼び寄せられたと語る樋口母娘と出会い、ともに奇怪な陰謀に巻き込まれていった…。連続殺人の謎と意外な犯人像。憂愁の気配漂う津和野を旅し、深い感銘を与える旅情ミステリーの傑作。

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著者プロフィール

1934年東京都北区生まれ。1980年に自費出版した『死者の木霊』で衝撃的デビュー。主人公の信濃のコロンボこと竹村警部が活躍する作品に加え、1982年に刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』で初登場した浅見光彦を主人公にしたミステリー作品は大ベストセラーに。映像化作品も多数。2018年逝去。

「2022年 『箸墓幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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