Yの構図 (光文社文庫 し 5-10)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334711696

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  • 吉敷刑事シリーズ。
    ほんの少しの時間差で隣接した上野駅ホームに到着した上越新幹線と東北新幹線でそれぞれ死体が発見されます。
    この奇妙な偶然に吉敷刑事が事の発端となったかもしれないいじめ自殺の件を調べ始めるのですが、その地が盛岡。
    盛岡ではあれこれ普通の刑事らしく思い込み動いたり、まるで見当違いな想像を働かせたりと今までになく勘が働いていない様子で右往左往します。
    今まではあまりにも神がかり的な謎解きだったせいか、これが普通だよねと思いながら読み終えましたが、推理物としてはやはりスパッと安易でもご都合主義でもいいから劇的に犯人を追い詰めるくらいの方が面白いんだなと思いました。

  • 作品的な評価としては、それほど高くはならないと思う。

    ただ、個人的にこの作品けっこう好きかな。

    最初から最後まで吉敷竹史が出ずっぱりで登場していて
    「吉敷竹史」の物語としては楽しめたから。

    捜査や推理は迷走してしまうし、
    今回に限ってはかっこいい見せ場もないけれど
    こういう吉敷竹史もあるんだなあというのが
    読んでいてなかなか新鮮だった。

  • 相変わらず謎は派手だが、トリック自体は驚くほどではない。

    が、それによって本作の評価が落ちることはないだろう。
    この作品の主題は子どもたちの間での「いじめ」であり、そしてそれに対して吉敷竹史がどう向き合っていくかという一人の刑事の物語でもある。

    しばらく島田荘司作品を読んでいなかったが、読む度に島田さんの"読ませる力"を思い知らされる。

    ふと御手洗潔が恋しくなった。あまりしたことがないのだが、再読しようかなぁ...

  • 本作のメインとなる殺人事件は、実はさほど興味深いものではなく、真相もショッキングではあるが、私自身が予想していたそれとほぼ同じだった。
    だが読後の余韻は漠とした何かを残した。

    菊池刑事の、木山法子が瀕死の重体であるにも拘らず、傍にいられない無念さか、古川教諭の、生徒を思う心か、鳥越ゆかりの孤独か、それ以外かどうか判らない。それらは所謂ステレオタイプな設定だと思うからだ。
    しかし、何かは確かにある。

    やはり子供が人を殺したという事実への疎ましさだろうか。

  • 吉敷さんそっちじゃないよーって思いながら読んでた。
    しかしなんとなくはわかってたけどさすがにちょっと予想外の展開。
    それにしても昔っから変わらないねー。

  • 謎自体は魅力的ですし、クライマックスもそこそこ盛り上がり楽しめたのですが、吉敷刑事の行動が目に余りました。強い思い込みのせいで捜査を行き詰まらせたり、意味深な発言をする人物を保護せず見殺しにするなどの大失態を冒します。吉敷刑事は「不器用で真っすぐな人間味があるタイプ」というイメージでしたが、ここまで短絡的で間抜けな人間だとは思いませんでした。吉敷ファンとしては非常に残念でした。

  • いじめ問題を取り上げた、吉敷シリーズ列車もの。
    途中で犯人について、もしかして?もしかして……?と思っていたけれど、半分当たって半分はずれでした。
    現実のいじめ問題もよく反映されているのではないかと思いました。
    やりきれないです。

  • トリックの現実的な可否はともかく、物語としてなかなか面白かった。

  • 島田荘司先生の吉敷竹史シリーズの作品です。20年近く前の作品ですが古臭さが全然ありません!ぐいぐい引き込まれました。

  • いじめ問題を背景に、二つのやっかいな鉄道殺人が起こる。そして被害者の男児の両親を中心に聞き込みを始める吉敷を完膚無きまでの罠におとしめるトリックとは?

    ・・・んーこりゃ
    ちょっと無理がある?!

  • 吉敷刑事シリーズ。いじめ問題を取り上げた作品。

  • 2001.12

  • 吉敷竹史シリーズ。
    内容はなんとなく覚えている・・ウロ覚え〜
    列車?モノ

  • 吉敷竹史シリーズ
    新潟から来た特急で発見された女性の遺体。反対側の盛岡から来た特急にも男の遺体が。小淵沢茂と岩田登美子の遺体。盛岡で起きた木山秀之自殺事件のいじめの主犯格の少年の母親と担任の心中事件。疑問を感じた吉敷の捜査。木山秀之の両親に対する疑いを強める吉敷。木山秀之の父親違いの姉・鳥繁ゆかりがバイトするペンション付近で自殺をはかる木山法子。木山秀之の残した遺言と死の直前に所持していたお金の金額から浮かび上がる疑惑。新潟に住むいじめの主犯格・岩田雄治のもとを訪れる木山法子。

    新装版 2007年3月24日初読

  • 2005.2.10

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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