- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334713225
感想・レビュー・書評
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「北アメリカ大陸先住民族の謎」スチュアート・ヘンリ著、光文社文庫、1991.04.20
198p ¥510 C0122 (2018.07.31読了)(2009.02.08購入)
エスキモーに関する本を三冊ほど読みました。
「アラスカ物語」新田次郎著、新潮社、1974.05.25
「カナダ=エスキモー」本多勝一著、朝日新聞社、1981.09.20
「エスキモー 極北の文化誌」宮岡伯人著、岩波新書、1987.02.20
エスキモーやインディアンについての本が積読の中にあったのを思い出し、この機会に読むことにしました。
第1部では、極北に住むエスキモーとアリューシャン列島に住むアリュート民族の生活について紹介しています。
エスキモーについては、イヌイット・ユイット民族と呼んでいます。
「エスキモー」とは、北方インディアンがツンドラの住民を指して言っていた言葉でカナダでは、蔑称とされています。(26頁)
第2部の【先史時代編】は、北アメリカの先史時代について記し、【インディアン編】では、北アメリカ各地のインディアン部族の特徴について記しています。
インディアンというのはインド人と云う事ですから、アメリカ・インディアンというべきところなのでしょうけど、インディアンで通称になっていますね。
インディアンというのは、イヌイット・ユイットとアリュートを除いた、新大陸の先住民の総称である。(120頁)
「インディアン」はいくつものグループ(民族)に細分され、言語をはじめ文化、社会、生活様式にわたって共通性はない。「インディアン」とされる人々には五〇以上の語族、もしくは孤立言語集団、すなわち相互関係のないグループに分類され、一六世紀初頭には二五〇~三〇〇の言語があったと推定されている。(120頁)
生活についても同じことだ。トーテム・ポールで有名な北西沿岸地帯のように漁撈を中心に首長を含む貴族、奴隷の存在する階層社会もあれば、東部のように農耕と狩猟を基盤に複数の民族が同盟関係を結んだ広域政治社会もあった。一方、ロッキー山脈の麓では、小動物の狩猟と野生植物の採集に立脚していた少人数のバンド社会もあった。(121頁)
第3部では、西洋人がやってくるようになってから、インディアン社会がどのように消えていったかを記しています。わずかながら残った人たちがいますが、何とか残そうという努力も思うように実績を上げることは難しいようです。
【目次】
はしがき
第1部 オーロラに抱かれて生きる
第2部 先住民族文化謎事典
2-1 先史時代編
2-2 インディアン編
第3部 苦難の時を越えて
主な参考文献
☆関連図書(既読)
「最初のアメリカ人」ブリュネル著・増田義郎訳、創元社、1971.04.01
「アラスカ物語」新田次郎著、新潮社、1974.05.25
「カナダ=エスキモー」本多勝一著、朝日新聞社、1981.09.20
「エスキモー 極北の文化誌」宮岡伯人著、岩波新書、1987.02.20
「イニュニック[生命]」星野道夫著、新潮文庫、1998.07.01
(2018年7月31日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
1万数千年前の昔、私たちと同じアジアを旅立ち、シベリア、ベーリング海峡、アラスカを越えて、アメリカ大陸の北の果てから南の果てまで旅した人々がいた。豊かな大地で、彼らの育んだ文化とは?彼らの目に映った西洋人による侵略とその建国とは?彼らが野蛮人のレッテルを貼られたわけは?本書では北アメリカの忘れられたもう一つの歴史を探求する。詳細をみるコメント0件をすべて表示