ブルータスの心臓: 完全犯罪殺人リレー (光文社文庫 ひ 6-4)

著者 :
  • 光文社
3.28
  • (136)
  • (596)
  • (1100)
  • (207)
  • (40)
本棚登録 : 6764
感想 : 500
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334717391

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 古本屋で50円で売っていたのを見て買った一冊。

    殺人リレーの話しだった。

    30年くらい前の作品ってのかびっくりした。
    あんまり古さを感じなかった。

    殺人リレーという珍しい話しで話でよかったが、なんか最後があっけない。

    殺人事件の内容がわかったが、その他の事が中途半端に終わった。

    好きではない終わり方

    気になる事が多く残った小説でした。

  • 死体リレーというプロットから
    引き込まれた。

    著者の作品は、後半尻上がりに
    一気に伸びていく印象があるが、
    序盤から楽しめた。

    映像化時の末永が、藤原竜也って、
    ピッタリすぎるでしょ?笑

  • 末永拓也というロボットエンジニアが主人公だ。
    この男は、人間よりもロボットの方が優れている、心なんていらない、という考え方の持ち主。そしてすごく野心家である。
    専務(次期社長)の次女の婿候補になって舞い上がり、社内で気に入らない人物がいると「将来こいつを左遷してやる」と考える…けっこうヤバいやつ。

    拓也が関係を持っていた社内の女性(康子)が妊娠したことから、事件ははじまる。
    康子と関係をもっていた男3人が集まって、康子殺害計画、死体をリレーして大阪から東京に運ぶ方法を実行しようとする。
    結果的に、康子ではなく、この計画の発案者である直樹(専務の息子)が殺されてしまうんだけど、直樹が死んだ後、会社内で直樹は結構いいやつだったのかな?と思う場面もあったけど、結果的には人の弱みにつけこむ相当の悪人だった。
    そりゃそうか、そもそも殺人計画立てるほどの人だもんね…。

    ラストは、拓也が愛でていたロボット「ブルータス」に拓也が襲われる…というところで急に終了。
    事件自体は凝っていたし、犯人も動機も当初からは予想できなくて、ミステリーとしておもしろかった。
    他方で、気になっていたこと(康子の子どもの父親は誰?、警察が死体リレーに気付いたきっかけ)の説明が、雑だったなぁ…。
    橋本が死んだのも、かなり凝ったトリックのわりには、そんな動機?勘違い?って肩透かしでした。
    本作のメイントリックである「死体リレー」は、Nシステム、防犯カメラの普及により、現代では即バレのトリックだ。個人的に、この本のような昔の推理小説を読む時、発表当時はなかった技術が現在にはあることで、新しい技術によるトリック潰し…というノスタルジーを感じるのです。

    タイトル「ブルータスの心臓」とは。
    ブルータスはしょせん心臓のないロボット。
    「操縦された通りに動くロボットは人間より優れている」と考えていた拓也が、自分を殺そうとする人間によって操られたブルータスによって殺される…という皮肉をこめたタイトルなんだろうか。
    終盤の拓也は「自分には未来がある」と思って、邪魔な相手を排除しようとするけど、実はその時点で拓也は専務から邪魔者扱いされており、拓也が思い描いていた「未来」はすでになかった、というのも皮肉でよかった。

  • 終盤までの流れは秀逸。犯人本当分かりませんでした(考察しながら読んではいないので当然なんですが)
    本当に残りページわずかでもまだ真相が掴めず、ここからどうやって物語終わらせるんだ!ってドキドキしてたのですが思ってたよりあっさり終わってしまいました。。警察関係のその後も知りたかったな…

  • ラスト失速。
    惜しい。

  • 死体をリレーするって発想が、いかにも推理小説的だが面白い。今はNシステムがあるため即バレてしまうトリックなのも良い。直樹は用意周到なはずなのに、女子社員の前で時刻表見てたりするのに違和感。それより時刻表やブローチというワードにノスタルジーを感じた。しばらく平成ミステリーを読み漁りたい。
     本書も何度目かの再読にも関わらず、犯人を覚えておらず、新鮮な気持ちで読めた。犯人は直樹たちを殺してしまわなくても良かったのでは?邪魔者はすべて殺した上で彼女と幸せに暮らそうと考え、計画を利用したんだろうか。殺人のハードルが低く感じる。

  • 壮大なトリックと、最後までわからない真犯人を予想しながら読み進めるには、ものすごく読み応えのある作品だった。
    大阪~名古屋~東京間、死体を3人で輸送するというトリックを使う予定が、共犯者が死体となってしまったことで早々に進路変更を余儀なくされ、さらには他の共犯者も殺されてしまう。
    主人公たちの思惑と真犯人の思惑が交錯し、よりトリッキーになっていて面白かった。
    ただ、最後のシーンは予想できてしまう終わり方だったことが残念だった。

  • 両親のいない 出世欲の強い 末永拓也。
    雨宮康子の誘いに乗り そのうえ妊娠させてしまった。
    しかし、末永拓也には 専務の次女の仁科星子を射止めるチャンスがあった。
    あぁ。これは 古典的な 『アメリカの悲劇』のパターン化と思ったが、
    東野圭吾はそんなに簡単な物語はつむがない。

    末永拓也はなんとかしなければならないと思いながら
    ある時 専務の長男 仁科直樹によばれた。
    同僚の 橋本もいた。
    3人とも 雨宮康子と関係していて、誰の子どもなのか
    よくわからない状態だった。
    雨宮康子と言う 放埒な女性が 
    それだけでない関係を持っていたのだ。

    仁科直樹は 雨宮康子を殺すための提案を
    末永と橋本にして,実行することになった。
    ところが、末永が運ぼうとした死体は 仁科直樹だった。

    青い毛布が 甘いのでは。
    青酸カリの使い方が ガス化させて殺すと言う方法がいい。
    それにしても、出世欲で 人を殺すということが、
    現実的に あるのだろうか。人間って魔物だ。
    雨宮康子にしてみれば、誰かよくわからないにしても
    一番 カネ持っているものだけに 脅せばいいはずなのだが、
    4人平等に 脅すので,このようなキケンがあるのでしょうね。
    狙いは しぼったほうがいいと思うよ。

    推理小説って、人を殺す正当性を 明らかにしようとする小説ですね。

  • 初めて読んだ東野圭吾作品。
    数々の作品が映像化されているけれど
    実は読んだことはなかった。


    主人公拓也は、不幸な生い立ちのためか
    人間への敬意もなく損得のみで考える。
    欲を捨て成功のみを夢見て
    ロボット開発の世界でのしあがる。
    勤め先のMM重工で
    確固たる地位を気づくため
    専務の娘星子に近づく。

    専務の情報を得るために利用してきた
    康子の妊娠がわかると身勝手にも
    その存在を消せないかと考える。

    康子も強かな女で
    拓也の同僚の橋本、専務の息子の直樹とも
    関係を持っていたことがわかる。
    直樹の誘いにより、康子を邪魔だと思う
    三人の男たちで殺人を計画する。

    その殺害計画は3人で分担することで
    各々のアリバイを作るというものだった。
    Aが大阪で殺し、名古屋へ運ぶ。
    Bは名古屋から厚木へ運ぶ。
    Cは厚木から東京へ運び、遺棄する。

    Bを担当した拓也がCの橋本に
    死体を受け渡すとき、
    その死体が、計画の発案者である
    Aつまり直樹であることが発覚する。

    この衝撃のシーンでぐっと引き込まれた!

    どうなるどうなる?と読み進めていくが
    登場人物も多くて
    なかなか真相が見えてこない。

    橋本が死に、自分も殺されるのでは?
    と不安になる拓也。
    当初の目的の康子殺しも遂行され…。

    MM重工まわりでおきた
    殺人事件を追う警察に感情移入しながら
    本の残りページが減っていく中
    最後の最後まで
    見えない真犯人に想いを巡らせる。


    なるほど真犯人はこの人で
    トリックはこうなっていたのか
    と理解はするものの…
    読後感は最悪のラストだった。

    身勝手な登場人物たちにも
    同情する余地もあり
    なんとも言えない人間味が
    ロボットにより強調される。




  • 面白い。
    末永の執念が怖い。

全500件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×