首なし人魚伝説殺人事件 (光文社文庫)

  • 光文社 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784334721848

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  • かつて住んでいたことのある愛媛の離島を舞台にした作品という事で、期待したが、二時間サスペンスドラマの題材に過ぎない内容でガッカリした。

    冒頭の幻想的(?)な謎の提示―首の無い死体が首の代わりに置かれていたマネキンからつかの間の瞬間、髑髏に変わる―、論理的解明、さらには犯人の手記で物語が終わるといった構成は師匠と崇める島田荘司氏の創作作法に則っているのだが、パンチが弱い。

    ただし、約240ページの薄さに収められた謎はかなりの量である。
    先に述べた首の挿げ替えられた謎、同時刻に被害者が20キロ海を隔てた地で目撃されている事、45年前に起きた胴無し死体の謎、骨食らう鬼の正体、更なる首無し殺人事件の発生、といった具合に畳み掛ける。
    それを補完するように、戦後の混乱に乗じた御家乗っ取り、閉鎖された離島での因縁深い人間関係、男と女の恋情沙汰なども散りばめられている。しかも主人公の敷島にも小さい頃育った沖縄で米兵と母親との間の苦い思い出のエピソードがあり、キャラクターを印象付けようとしている。
    しかし、これらが何か薄い。
    小説作法の方程式に当て嵌めて、ただ単純に作ったという印象が拭えないのだ。

    小説としてのコクはなくとも、じゃあ、謎解き部分はどうだ、というと、これもさほどでもない。
    確かに色々散りばめられた謎、犯人、どれも私の推理とは違ったが、カタルシスを得られたかというとそうではない。
    一番ビックリしたのはいきなり最終章で犯人が犯行について独白し始めた事だ。これは一番嫌な謎解きシーンである。
    その後の展開から、この犯人は真犯人ではなく、共犯者だという事が解るのだが、はっきり云って興醒めした。
    このシーンで探偵役の敷島が、単に迷走していただけになってしまったかのような印象を受けた。

    この作品も初版はカッパノベルスであり、駅のキオスクで売られるであろう版型である。しかし同じノベルスでも東野作品と比べると、作者の力量の差がいやでも解ってしまう。
    酷な云い方だが、ブレイクする作家とそうでない作家の違いが如実に解ってしまうような作品だった。

  • 瀬戸内に浮かぶ流島の海辺で首から上をマネキンに置き換えられた惨殺死体を見つけた男は、その場に女を残し警察へ連絡をしに行く。再び現場に戻った男は、マネキンの首が髑髏に置き換えられている事実に愕然とし、残した女もまた事切れていた事に呆然とする。
    ところがその惨殺死体の被害者は、同時刻、愛媛県松山市の自宅で何ものかに襲われ重傷を負っていた。海を挟んだ20キロも離れている場所に被害者はどうやって移動したのだろうか……?


    45年前の事件とリンクさせていく様にこの作家の持ち味が出てる感じ。
    でもまぁ、同時刻に同一人物が別の場所には存在するはずないので、そこら辺りを考えて読んでゆけば犯人は浮かび上がってきますかね。

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