硝子の家―本格推理マガジン (光文社文庫)

制作 : 鮎川 哲也 
  • 光文社
3.09
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本棚登録 : 39
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334723712

感想・レビュー・書評

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  • これどうなんでしょか?

    今では読むのが大変な作品なのでしょうが、殆ど資料的価値しかない作品のような気がする。

    表題作はあまりに登場人物が現実離れし、トリックは拙い。二作目はアリバイが複雑すぎる。三作目、殆ど印象に残ってない。

    唯一読書ガイドのみ役に立ちそう。

  • 〇 概要
     旧「宝石」という雑誌に掲載され,単行本化されることがなかった,幻の作品「硝子の家」など,中編,短編を併せて3編収録した作品。加えて,ヴァン・ダインの「探偵小説作法20則」,ノックスの「探偵小説十戒」,山前譲の「必読本格推理三十編」が掲載されている。

    〇 総合評価 ★☆☆☆☆
     どの作品も,正直,面白くなかった。過去の名作だということで,頑張って読んだのだが…。古い作品でも面白い作品はあるのだが,そういった作品は「古典」として読み継がれている気がする。隠れた名作というものは,隠れてしまった理由があるというか…。そもそも,掲載されている作品が古すぎるというのもあるかもしれない。古い作品でも,翻訳モノはそれほど違和感なく読めるのだけど,古い日本のミステリは,古臭さが目立ってしまう。読書を楽しむというより,ミステリの教養として読むイメージか。評価としては★1で。 

    〇 サプライズ ★☆☆☆☆
     どの作品も,全く驚けなかった。「離れた家」はよく読まないと理解できないし,「鬼面の犯罪」も分かり肉。

    〇 熱中度 ★☆☆☆☆
     どの作品も,頑張って読んだ。古い作品は,どうしてもあまり,熱中して読めない。

    〇 インパクト ★☆☆☆☆
     分かりやすい作品の方がインパクトがある。どの作品も,一読して分かりにくい部分があって,そこまでインパクトに残らなかった。時代が違うと,文化的なものが違ってくるので,仕方がないのだろうが。

    〇 読後感 ★★★☆☆
     よくも,悪くもない。

    〇 キャラクター ★☆☆☆☆
     「硝子の家」は登場人物が幼稚というか稚拙すぎる。「離れた家」は,それなりに人間が書けているとは思うが,これも古臭いからかもしれないが,やや幼稚に感じる。「鬼面の犯罪」はさすがに身近過ぎて,キャラクター性まではない。
    〇 希少価値 ★★★☆☆
     手に入りにくい本であるのは間違いないと思う。

    〇 メモ
    〇 硝子の家 (島久作)
    探偵役
     伝法義太郎(私立探偵)
    被害者
     大峯幸一郎 刺殺(密室)
     大峯幸之進 地下鉄で電車にひかれて死亡
     加戸雲子 橋から落ちて死亡
    トリックなど
     犯人は,大峯幸次郎。大峯幸一郎殺害の犯行の動機は, 大峯幸一郎殺害で,密室ができた理由は,幸一郎の臆病な性格を利用したもの。幸一郎は,外で刺され,自ら
    密室に入り,鍵を掛けて死亡した。
     大峯幸之進の殺害時には,アリバイトリックを仕掛けている。警察が監視しているのを利用し,向いの家の医者のフリをして家を出入りしたというもの
     加戸雲子の殺害は,雲子の眼鏡に細工をし,橋から落ちるように仕向けたというもの。
     いわゆる,「犯行時、被害者が室内にいなかった」タイプの密室モノ。全体的に見て,古臭さは否めないが,「僕が完全犯罪をするので,捜査したまえ」と探偵役の伝法に挑むところは,やや面白い。全体的に見てリアリティはないし,冗長に感じる。トリックも密室モノとしては陳腐だし,2番目,3番目の殺人のトリックはひどい。トータルで見ても★2程度。隠れた名作というほどではないと思う。

    〇 離れた家 山沢晴雄
     交換殺人を利用したアリバイトリックもの。被害者は馬場欣造と城戸美津子。非常に込み入ったアリバイ工作がされている。
     細川亮吉は,城戸美津子を殺害する。城戸は,大槻健一をマジックでだますという仕掛けを用意しており,細川と大槻は,城戸にそっくりな「鮎子」という女性を用意し,城戸を殺害した。大槻は,馬場欣造を殺害している。
     交換殺人をしている上に,非常に登場人物が多いアリバイ工作をしている。真相を知るきっかけが,大槻が偶然火災で死亡し,その手記として細川とのつながりがわかったというものであり,全体的に見て「推理クイズ」っぽい作品。その推理クイズが,さっぱりエレガントでない。解説を聞いてもよく分からないほど。★1。

    〇 鬼面の犯罪 天城一
     石月龍一が殺害される。ガラス板に映った影を鬼に見せかけたというトリック。一見しても内容が分かりにくい。トリックもつたないし,凡作だと思う。★1。

    〇 ヴァン・ダインの「探偵小説二十則」とノックスの「探偵小説十戒」
     ひと昔前であれば,この実物を読むことは難しかったと思うが,今はネットで簡単に検索できる時代。本で読む価値はないかな。

    〇 必読本格推理小説30選 山前譲
     本陣殺人事件(横溝正史),不連続殺人事件(坂口安吾),黒いトランク(鮎川哲也)などの誰でも知っている古典から,殺人鬼(浜尾四郎),船冨家の惨劇(蒼井雄)
    など,それなりにマニアックなものまで幅広く紹介されている。時代も昭和7年のものから昭和39年のものまで,幅広い。読んでいない作品も多いが,「危険な童話」(土屋隆夫」などは,正直,今読むとそれほど面白いと思えなかったので,古典として読むべき作品もあるのだろうが,今読んでも面白い作品もあるかも。聞いたこともない作品もあるんので,案外,貴重なリストかもしれない。
     

  • 探偵小説作法二十則、探偵小説十戒が面白かった

  • 単行本化されなかった本格推理の名作を集めた一冊。
    第二部として、ヴァン・ダインの推理小説作法二十則、必読本格推理三十編なども収録。

    戦後、紙不足のために作品原稿枚数に制限があったとは知りませんでした。
    戦前の文学抑制、戦後の物資不足…。その中での本格推理復活!
    収録されている作品も、物資不足で刊行出来なかったものがあるそうです。
    こうして、沢山の本に触れられるのは、幸せなことなんですね。

    北村薫さんの著作で題名だけ知っていた、ヴァン・ダインの作法二十則を見る事が出来たのも、感激です。

  • 私立探偵の伝法義太郎の事務所に、ある朝、大峯と名乗る青年がたずねてくる。
    愛知県知多半島の突端にある、叔父の幸一郎の家に、自分と一緒に行ってくれないかと言うのだ。
    しかもそこで大峯は、遺産をすぐにも手に入れるために、幸一郎を殺すと言うのである。警察にも絶対バレない完全無欠の殺人方法で!
    さらにタイトルからもわかるように、幸一郎の家というのが、天井も柱も壁も床もガラスでできた、ガラスの家なのである。
    その一室で起こる密室殺人。
    被害者は幸一郎。毒を塗った短刀で背後からひと突き。部屋のカギは被害者が手に持ち、中の掛け金はしてあった。
    事件の謎を解くために、伝法はなぜかこれから毎日、動物園へ通うと言いだす(笑)
    その後、容疑者たちが警察の監視下に置かれた状況で起こる…逆密室殺人や遠隔殺人の卑劣…。

    けれども読み終えたこの胸を一番につかむのは、じつはそれらの殺人のプロット以上に、被害者幸一郎が《なぜこのようなガラス張りの家をつくり、ガラス張りの部屋に住み続けたのか》…その理由こそが、この小説の最大のミステリであり、タイトルに二重に秘められた意味・仕掛けだったと知る点にあるのでしょう。

  • イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387162041.html)
    (収録作品)離れた家(山沢晴雄)/鬼面の犯罪(天城一)/硝子の家(島久平)

  • 『硝子の家』
     自らの叔父を殺害すると宣言した青年小説家。そして殺害される叔父。しかし青年自らのも被害者となった。3つ目の殺人。探偵伝法義太郎の推理。

    『離れた家』

    『鬼面の犯罪』

    『探偵小説作法二十則』

    『探偵小説十戒』

    『必読本格推理三十編』

     2009年8月9日購入

     2009年8月14日初読

  • obtnd

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