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- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334724573
感想・レビュー・書評
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2014/6/14読了。
仕事柄、様々なジャンルの本の中を見る機会があるが、中でも一番バカバカしいと思っているのが、プロスポーツや芸能界について語った評論的エッセイの本だ。最近で言うと、長年お昼の帯番組の司会をやってきた男や、徒党を組んで歌って踊る48人の少女たちや、このたび地球の裏側の国で大会が行われる玉蹴り遊びについて評論気取りの体裁でもって書かれた本などが該当する。スポーツにも芸能人にも1ミリも興味がない者からすると、ああいう本の字面を追うのは仕事とはいえ苦行に等しい。
本書もそれに類する本だ。よくまあただのカメラについてこんなに思い入れたっぷりに語れるものだ。カメラ、それも外国の特定のメーカーのカメラ。1ミリも興味のない人には紙屑同然という代物だろう。いったい誰が読むんだこんなもの。
僕が読むのである。僕以外にも、少なくとも、たかが玉蹴り遊びを理論がどうだ悲劇がこうだと言いたがる人々と同じくらいの数の人が読むだろう。趣味の本とはそういうものだ。こういう本が存在できる世の中というのは歴史的にも地理的にも貴重だと思うので、僕も玉蹴り遊びの本を触る苦行に精々励まなければならない。
さて、本書。小難しさを装ってないのが救いだった。ライカが好きなおやじがライカが好きだとひたすら言い続ける与太なエッセイ。バブルの残滓な雰囲気も懐かしい。玉蹴りの本に触る仕事の合間にちびちび読んで心を癒すのに好適な本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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