天使が消えていく (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 60
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334728007

作品紹介・あらすじ

台風が九州を縦断した夜、ホテル玄海で宿泊客の男が絞殺された!その後、ホテルの経営者も青酸カリの入った牛乳を飲み、不審な死を遂げる。さらに、容疑者として浮かんだ重症心臓疾患児ゆみ子の母・神崎志保の凄惨な死。ゆみ子をいとおしむ婦人誌の記者・砂見亜紀子は、志保の死因を探り、真相に迫る。限りない愛と献身をテーマに描いた、感動の長編サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 読売の追悼欄で知る。この作者、美人と不倫書かないことには落ち着かないみたいね。女性が書いてるとは思えない!!

  • さすがです。

  • 先月、惜しまれつつ亡くなりました夏樹静子さんの作品であります。
    第十五回江戸川乱歩賞の候補作品となり、一躍注目を浴びた、いはば出世作と申せませう。(このときの受賞作は、森村誠一『高層の死角』)

    砂見亜紀子は、地元福岡で婦人雑誌の記者をしてゐます。取材先の病院で、難病の赤ん坊(ゆみ子)を知り、「天使のほほえみ」に魅せられて何かと世話を焼きます。難病ゆゑ、手術にはお金がかかるのだか、どうやら母親にはその余裕がないやうです。
    ゆみ子のことを記事にしたところ、早速反応があり、年配男性が35万円を持参してくれ、お陰でゆみ子の手術は成功します。
    しかし、現れた母親、神崎志保は「余計な事をしてくれた」とばかりの対応で、けんもほろろであります。ゆみ子は退院後、母親の志保と暮らすのですが、亜紀子は志保には任せておけないとばかりに、家まで押しかけてゆみ子の面倒を見るのでした。

    一方、博多の繁華街にある「ホテル玄海」で、殺人事件が発生します。被害者はやはり地元博多の電機会社の、宮﨑支店長。続いて、「ホテル玄海」の社長もまた変死を遂げ、博多署の捜査一課警部補である巽四郎が捜査に乗り出します。

    砂見亜紀子と巽四郎の視線が交互に繰り返されながら、物語は進んでいきます。この両者が、どこでどんな風に交はり、謎が解かれるのか。まことに目が離せぬ展開なのであります。

    亜紀子は考へます。神崎志保の、ゆみ子に対する冷たい態度は、本心なのだらうか。しかし生後三か月の赤ちやんに、300万円の生命保険までかけてゐることまで分かつたのであります。
    亜紀子は実は妻子ある男性とお付き合ひしてゐます。テレビのディレクターで、彼女は信頼を寄せてゐますが、その彼にして「子供を愛さない母親って、あるかしら」といふ亜紀子の問ひに、「あると思うね」と答へるのであります。

    夏樹静子さん自身が、長女を出産して子育てをする経験を経てゐるだけあつて、「天使」といふ表現にはまことに実感がこもつてゐます。事件を解明する鍵も、やはり「母性」が決め手だつたと申せませう。
    最終章の神崎志保の手記を読んで、心が動かぬ人はさうありますまい。如何なる小説でも、必要なものは「感動」であると喝破した夏樹さん。従来の男性作家では決して書けなかつた作品だと存じます。注目を浴びたのも当然でせうね。ぢや、また。


    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-622.html

  • 結末が、こういうもので良かった。。

  • 蒼林堂古書店へようこそ、より

  • 夏樹さんのデビュー作。最後の最後に明かされた真相に感動しました。社会派推理小説とヒューマンドラマを描きながら、そこにアクセントとして本格ミステリの要素をプラスしている。

  • 「病気の赤ちゃんに心を奪われる記者」「ホテルでお客が殺害される事件」「そのホテルの経営者の毒殺事件」の三つを絡めていきます。伏線が巧く散りばめられていますし、ミスリードも巧妙です。
    そして、構図が反転していくラストはお見事の一言。森村誠一氏の「高層の死角」と江戸川乱歩賞を争い惜しくも敗れたということですが、同時受賞でも納得出来る作品だと思います。

  • 作品の世界は、執筆当時の古さがあるけれど、ミステリとしては、時代を超えた面白さがある作品。
    思いがけないつながりに、驚かされたり。
    スリリングな展開に、はらはらしたり。
    何がどうなっていくのか気になって、一気に読んでしまう。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-442c.html

  • 最後の手紙にちょっと救われた。

    何十年も前に出版された本だけど、あまり時代性を感じることなく、さらっと読めた。

  • 僕には社会派は向いてないのかもしれない。

    でも文章や構成はうまいなぁって思った。こういうのを「小説」がうまいっていうのかな。

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著者プロフィール

一九三八(昭和一三)年東京都生まれ。慶応大学在学中に長編『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補に選ばれる。七〇年『天使が消えていく』が再び同賞の候補になり、単行本化され作家デビューを果たす。七三年『蒸発』で日本推理作家協会賞、八九年に仏訳『第三の女』でフランス犯罪小説大賞、二〇〇七年日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『Wの悲劇』『』や「検事 霞夕子」シリーズなどがある。二〇一六年没。

「2018年 『77便に何が起きたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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