フリークス (光文社文庫 あ 20-3)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334729707

感想・レビュー・書評

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  • 夢魔(むま)の手
     母が隠していた幼い自分が書いた日記。
     自分の首を絞めるのは、一体誰なのか?
    四◯九号室の患者
     夫婦が乗った車が事故に遭う。夫は死に、妻は顔に火傷をおう。
     だけど、この妻は本当に妻なのか?夫の愛人?
    フリークス
     J.Mを殺したのは誰か?
     人体改造により醜いき畸型者(フリーク)を造り出す。

    ミステリーというよりはホラー要素が強かったー。
    どの話も精神科病棟にいる患者が関わっており、
    何が本当なのか分からなくなる話だったよー。
    でも、「四◯九号室の患者」のオチは分かった!!
    いろいろ合ってなかったけど、最後はあってたー笑

  •  作品解説:「J・Mを殺したのは誰か」―そんな一文で終わる原稿を、私はもてあましていた。入院患者が書いたそれは、"解決篇"のない推理小説そのものだったのだ。極度の容姿コンプレックスに憑かれた男、J・M。彼は五人の子供たちに悪魔じみた人体改造術をほどこし、森の奥深くの屋敷に幽閉していた。ある日、そのJ・Mが屋敷の地下室でずたずたに切り裂かれて殺害された。犯人は子供たちのうちの一人なのか。私の友人である探偵・彼は、この難問にどう挑む。

     「病院の患者」というモチーフで構成されている作品集。全部で3つの物語がありどれも良いのだが、ミステリファンとしては表題となっている「フリークス」が特に面白く、読後の満足感にも問題がない。

  • 綾辻さんの作品の中でも、すごく好きな1冊。
    精神病院の3人の患者にまつわる短編集。

    【夢魔の手  三一三号室の患者】
    【四〇九号室の患者】
    【フリークス 五六四号室の患者】

    異形(フリ―クス)の描き方が、とても好きです。
    綾辻さんを好きになったきっかけの1冊。

  • 気をつけて読んでいても騙される!
    気持ちいいわぁ。

  • 香山リカさんの解説にもありますが、
    ‘塀の向こうの精神科病棟には、何があるのだろう。’






    わたしの中で、どうしても、避けれないところです。

    まぁこれはお話として楽しめました。



    ‘ホラー’は苦手だけど、猟奇的な殺人は、本の中でなら平気。

  • 「J・Mを殺したのは誰か?」。私が読んだ患者の原稿は、その一文で結ばれていた。解決篇の欠落した推理小説のように……。J・Mは、自分より醜い怪物を造るため、五人の子供に人体改造を施した異常な科学者。奴を惨殺したのは、どの子供なのか?――小説家の私と探偵の彼が解明する衝撃の真相!(表題作) 夢現、狂気と正常を往還する物語。読者はきっと眩暈する!

  • 私もフリークス。貴方もフリークス。

  • 3.5

  •  とある綜合病院の精神科病棟を舞台にした3編収録の連作中編集。
     自分は何者か?というある意味普遍的なテーマを伏線にドラマが展開されている。3編ともに入院患者の日記や小説が提示され、それを基に謎を解明していくという構成になっている。精神科という前提で読み始めると、どこまでが真実か疑わしくなるが、それは先入観なのだなと気づく。同じ情報であっても、受け取るときの先入観によって大きく情報の内容は異なってしまうことに改めて気づかされた。

  • 精神病棟を題材にしたサイコミステリ。正常な人間(果たしてそんな人がいるのか)ならば、考えも及ばない物語で、読み終えた後もスッキリしたという感覚はなく、心に何かシコリが残ったような感覚になった。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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