ハムレット狂詩曲 (光文社文庫 は 20-1)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334730819

作品紹介・あらすじ

『劇団薔薇』新劇場のこけら落としで、「ハムレット」の演出を依頼された、元日本人で、英国籍を取ったケン・ベニング。ケンにとって、出演者の一人である歌舞伎役者の片桐清右衛門は、母親を捨てた男だった。ケンは、稽古期間中に、清右衛門を殺そうと画策するが…。様々な思惑の交錯、父殺しの謎の反転、スリリングな展開。結末は…真夏の夜の夢。

感想・レビュー・書評

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  • 劇場のこけら落とし公演の演出に
    招かれた曰く付きの演出家の復讐劇。

    途中までは少し退屈に思えたが、
    終盤は急展開で一気に面白くなった。
    予想外の結末には、してやられたなぁという感じ。
    小菊ちゃんのキャラがとても魅力的で可愛い。
    この演出家、この劇団でのハムレットが
    実際に観てみたくなった。

  • 読み終えた今、壮大なお芝居を観たあとのような気持ち。明確な殺意や謎の脅迫が描かれ、本当に人が死ぬのか?いつ殺人が実行されるのか?舞台は成功するのか?…ハラハラしながら読み進める。結果的には大団円。驚きはそれほどでもないが、物語としてのまとまりが素晴らしく、爽快な気持ちになる。シェイクスピアの作品の絡ませ方も良い。

  • 良かった。後味がとても良い作品。
    最初、読み始めたときはこんなエピローグになるなんて思ってなかったので、ハムレットってそっちなのね!と思った。
    何だか読み終わって、とても良い気分になったね。

    読みやすい感じでサラサラ読めてしまう。この人の話には転調がよく見られるのだけれど、この話は割りとゆっくり変わっていく感じで、最初に見ていた目線からどんどん違う目線に変わっていったのが印象的。
    耽美な表現は散りばめられているけれど、そこまで強くは無い。でも、読み耽ることができた。

    小悪魔って、ええなぁ。

  • 面白いといううわさだったのですが、基本的に私は舞台にあまり興味がないのであまり入り込めませんでした。知識もないし。ハムレットも、むか~しちょろっと読んだだけだしなあ。それがそもそもの間違いですね(苦笑)
    あと、個人的に供述者が犯罪を企てている系の小説は好きじゃないんです…すいません。

  • 切り裂きジャック1888と比べると、ずいぶんと描写やら口調がさらりとしたお話で読みやすい。
    構造や配役の妙が面白いのだが、やや描写に現実感が希薄だけれど、これは2人のハムレットのモノローグだと言う気もする。
    タイトルの通り、ハムレット狂詩曲にふさわしい、読後感が爽やかなお話。
    物語のための物語の好きな方にお勧め。

  • ラプソディのように入り組む人間関係にめまいが。でもラストがよかった。甥っ子たちに振り回されてる演出家がかわいい。ガラスの仮面が読みたくなるねえ。

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著者プロフィール

1948年生まれ。版画家。日仏現代美術展でビブリオティック・デ・ザール賞受賞。『時のアラベスク』で横溝正史賞を受賞しデビュー。著書に『この闇と光』、『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)など。

「2019年 『最後の楽園 服部まゆみ全短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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