ロボットの夜 (光文社文庫 い 31-2)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334730840

感想・レビュー・書評

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  • 「ぼっこちゃん」に始まるロボットを主人公にしたオムニバス。ロボット禁令を逆手に取った殺人論理など様々な発想が楽しめた。

  • 「ロボット」がテーマながら、単にSF系の作品ばかりでないのがこのシリーズならでは。

    確かにからくり人形もフランケンシュタインも、ロボットのカテゴリーに入るといえば入る、わなぁ……。

  • テーマはもちろん「ロボット」。ロボットというからにはSF偏重かと思いきや、どちらかと云えば寓話や怪奇ものが多く、そのへんは流石に異形だなあと今更ながらに感心。
    冒頭を飾る、草上仁「サージャリ・マシン」からして、AIの思弁(苦悩)がSF的ではあるが、ストーリーの畳み掛けかたは、まんまホラー。ここより始まる異形流・ロボット譚への期待を高めてくれる佳作。
    ちなみに、平山夢明「卵男(エッグマン)」、菅浩江「KAIGOの夜」に関しては、それぞれの著作(「独白するユニバーサル横メルカトル」「五人姉妹」)で既読だったが、成る程、このロボットの夜の中でも抜きん出た傑作だった。特に「卵男」は氏の「SINKER 沈むもの」を彷彿させる怜悧なダイアローグが秀逸。当然、鬼畜。
    前半で良かったのは、菊池秀行「保が還ってきた」。全体を包むダークな雰囲気。ざらりとした物語。救いのないラスト含め、ノワールな仕上がりでぐいぐい読ませる。フェルマーの大定理をモティーフにした堀晃「背赤後家蜘蛛の夜」の不穏さもいい。そして、眉村卓「サバントとボク」、岡本賢一「LE389の任務」というテーマ性の類似した二編も良かった。暗く救いのない物語が多いなか、力強いラストを提示する。同じくラストで鮮烈な印象を残してくれたのは、渡辺浩弐「2999年2月29日」。これは一般の読者にも訴えかけられるであろう普遍性をもったストーリー。後を引く心地良さは「ロボットの夜」中ナンバーワン。
    後半は異形らしく怪奇ものが目白押し。なかでも良かったのが、横田順彌「木偶人(ぼくゆうびと)」。実在のSF作家・押川春浪に架空の弟子を配して語られる不可思議なおはなし。明治末期という時代背景を活かしながら、春浪とその弟子の回顧で綴られていくという構造。文体も巧みだし、やはりベテランはひと味違う!
    タイトルの割りには薄気味悪いストーリーの奥田哲也「虹の彼方に」も妙に胸に引っかかる。ラストと締め括る竹河聖「角出しのガブ」のホラー度、怖さはこの編随一だった。

  • 小壺ちゃん(梶尾真治)

  • SFショート・ショート集。

    自分は渡辺浩弐氏の『2999年2月29日』を読むためだけに購入してしまったので、
    申し訳ないことに、他の作品は読んでいないor覚えていない。

  • この巻は何気に良作ぞろいだと思う。「サージャリ・マシン」がなんか流石だと思わせてくれる。「卵男」は平山夢明の中じゃ一番好きな作品。他に「KAIGOの夜」、「背赤後家蜘蛛の夜」「小壺ちゃん」等が面白い。「サバントとボク」「LE389の任務」はなんか手塚治虫の漫画みたいな話だね

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著者プロフィール

鳥取大学大学院 医学系研究科

「2019年 『公認心理師 実践ガイダンス 2.心理支援』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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