半七捕物帳〈2〉 (光文社時代小説文庫)

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  • 光文社
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レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334732301

感想・レビュー・書評

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  • 明治の代に、つい最近まで岡っ引きをやっていた半七老人の昔話を聞くというスタイルが2重に時間旅行をしているよな、いっそうリアルな感じをかもしだして大好きなシリーズ。討幕の動きで不安定な世情の描き方など、あっさり描かれていますが、まだ、江戸の面影を色濃く残す明治生まれの作者だからこその描写がすばらしいです。髷と着物だけの設定の現代時代劇(?)にはないリアリティー!

    今回は暗闇が多かった江戸の夜を中心に怪談話をテーマにした捕物が多いです。子供のころの祖父の茅葺の家が思い出されます。囲炉裏もあるから基本的に煤や漆の黒など、必ず部屋の隅は暗さが残るのです。何か潜んでいるような感じ・・・迷信深いということで片付けられないあの感じが思い出されます。

    あの当時、子供は遠くに奉公にだされ、刑罰を受ければ追放。400年前の日本はまさに異世界。

  • 2019年9月8日、読み始め。
    144頁まで読んで、返却。

    ・「鷹のゆくえ」
    御鷹所(おたかじょ)という単語が出てきたので、調査しておいた。千駄木と雑司ヶ谷にあったようだ。

    御鷹部屋は二箇所あった。戸田家が管理する千駄木御鷹部屋と、内山家が管理する雑司ヶ谷御鷹部屋。

    ・「三河万歳」
    三河万歳は、みかわまんざい、と読む。
    この三河万歳は何か、それを知らないで読むと、よくわからない話になってしまう。

    ---以下、引用---

    万歳(まんざい)とは、烏帽子に素袍を着た太夫が、才蔵の打つ鼓に合わせて、 かけあいで、めでたい文句をとなえ歌い舞えば、歌のとおりになる、と信じる予祝の芸(祝福芸の一つ)をいいます。古くは800年前、大和国(現在の奈良県)の祈祷師が、京の宮中へ出かける千秋万歳が知られています。

  •  さて、宮部江戸物読みつくしてしまい、目が行ったのが、半七捕り物帳。読み出したら面白い。これ、大正時代の作品が多い。岡本綺堂作。全6巻。読めるが、書けない漢字って多いのですが、これは、読めない字が結構あります。辞典要りますよ。
     江戸捕り物ですが、リアルタイムな話でなく、隠居してからの若い記者への昔語り風。
     日本のよさを感じます。

  • 江戸末期の雰囲気が地名や言葉遣いから伝わる、本物の時代小説であり探偵小説だ

  • 半七シリーズでは江戸末期から幕末、現代までに渡っての時間軸が据えられており、私は知らなかったけれど、私の祖父母くらいならば普通に使っていたかもしれないと思える言葉がよく出てくる。
    「因果者師」
    「とんだ保名の物狂い」
    「売僧」
    そんな言葉が出てくるたびにスマホで検索になる。

  • このシリーズ、時系列で編纂されてるのか知らないのだけど、2巻は怪奇譚が多かった。
    当時の萌え要素は唄や踊りの小粋なお師匠だったようで、半七の妹も常磐津の師匠という設定である。

  • 「鷹のゆくえ」から「化け銀杏」まで13編収録。鰻食べたい。何気に顔のない死体トリックが使われていてほほうってなった。辻斬りといえば刀だと思い込んでい た。刀で斬りかかられるだけでも怖いけど、夜道歩いてたらいきなり槍が突き刺さってくる場合もあるのか。自由すぎるだろ。侍道かよ。

  • 江戸末期に岡っ引きをしていた半七親分が明治になってから事件を回想するという昔語りです。明治の半七老人の穏やかな語り口が好きですね。
    この巻では怪異な始まりの事件が多いという印象ですが、最後には人間の犯罪して終わります。捜査の過程をもう少し詳しく知りたいところですが、納得のいく結末になります。先が読める話も少なく、90年近く前に書かれたとは思えないですね。
    ただ、これは作者には全く関係がないことですが、解説がひどすぎます。引用がやたら多いし、推理小説なので詳しくは書けないが、と断りつつ後で若干ネタバレしてます。
    また江戸時代は容疑者を捕えれば拷問で犯人としてでっち上げられる時代、それなのに現代のような捜査をしているから面白い……などと致命的なことを書いてます。
    作者にも当時の与力、同心にも失礼でしょう。こんな解説、あんまりです。他にもっとマシな人いなかったんですか?
    (ちなみに拷問には老中の許可がいります)

  • 半七捕物帳の二巻目。一巻目に比べ、幽霊話や動物が関わる事件などが多く、中には落語の滑稽話のようなオチが用意されている作品も入っています。こうした「人外のものによると思われる事件」については、読む側の推理の余地が極端に狭くなってしまう(と個人的には思う)のが少し残念で、その分だけ☆を引いてますが、それでも半七の推理の冴えを楽しめることについては一巻目と遜色ありません。

    相変わらず日本語は流麗で繊細、かつ彩り豊かです。今の人が憧れるほど江戸の暮らしは好くはなかった、という史実もたくさん出てますが、それでも半七捕物帳に描かれているような、四季の風景や一日の中の天気の移り変わりの鮮やかさには憧れます。恐らく、その色彩を今の日本で感じるのはかなり難しくなっているでしょうから。

  • 半七老人の昔がたり捕物帳。淡々とつづられる物語の中で、半七の推理やひらめきが冴えるのが見せ場なのだが、江戸の常識に通じていないとなるほど、とは思いづらかったりすることもある。納得いかないというよりは、へぇ、そうだったのか、という感じではあるが。

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著者プロフィール

岡本綺堂

一八七二年(明治五)東京生まれ。本名は敬二。元御家人で英国公使館書記の息子として育ち、「東京日日新聞」の見習記者となる。その後さまざまな新聞の劇評を書き、戯曲を執筆。大正時代に入り劇作と著作に専念するようになり、名実ともに新歌舞伎の作者として認められるようになる。一九一七年(大正六)より「文藝倶楽部」に連載を開始した「半七捕物帳」が、江戸情緒あふれる探偵物として大衆の人気を博した。代表作に戯曲『修禅寺物語』『鳥辺山心中』『番町皿屋敷』、小説『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談』『半七捕物帳』など多数。一九三九年(昭和十四)逝去。

「2019年 『玉藻の前』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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