半七捕物帳〈4〉 (光文社時代小説文庫)

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  • 光文社
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334732448

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず、安定して面白い半七捕物帳。どの作品も、自分のかつての手柄話を語る半七老人の柔らかい口調と、実際に捕物をしていた頃の若き日の半七の江戸っ子口調とを見比べながら読むのもまた一興です。

    まだこの一連の作品群の5巻と6巻を読んでませんが、恐らくどの作品においても共通するのが、その短編のテーマとなる事件が発生した時点の年号と月日がきちんと設定されていること、だと思います。特に幕末になってくると、徳川の泰平の世が崩れていく不安な空気が庶民の間にも伝わっていたことがそれとなく書かれていたりして、非常に興味深いです。

    この4巻に収録されている事件は、推理小説として読者が自力で解決するにはちょっと難しいものが多いかな、という気はします。が、先にも述べたように江戸の風俗がきめ細やかに描かれているという点で、推理小説ではなく時代小説として楽しめます。

    それにしても、江戸の人は健脚だったんですね。今の時代、神田から川崎大師に歩いてお参りに行って、その日のうちに歩き通しで戻ってくるというのはちょっと辛いかな。

  • 「仮面」から「妖狐伝」まで11編収録。ズウフラとは結局なんなのか。2m弱の伝声管みたいなもの?個人で何に使うの?ごはんできたよーとか?と気になって全然集中できなかった。半七老人の「ここまでお話をすれば、もう大抵はおわかりでしょう」はある意味、読者への挑戦状であることにここまで読んできてやおら気付く。

  • 明治30年代の「わたし」と半七老人の世間話から始まる昔語り。物語が進んでから明治に戻って最後が明かされる話が多いですが、無駄のない話運びでうまいですね。怪異な話もきちんと理詰めで解き明かされます。黒船や異人が出てくる話もありますが、騒然とした世相というよりは落ち着いた江戸情緒が感じられます。
    派手な斬り合いなどなくても面白く、引き込まれる話ですね。

  • 収録されているのは、「仮面(めん)」「柳原堤の女」「むらさき鯉」「三つの声」「十五夜御用心」「金の蠟燭」「ズウフラ怪談」「大阪屋花鳥」「小雪の絵馬」「大森の鶏」「妖狐伝」。

  • TVや映画で見るより想像が膨らむのが書籍のよさ、と思う。とはいえ、映像もみたくなる本です。

  • 江戸時代に岡っ引だった半七が話し、筆者がそれを書き留めるといった設定はずっと引き継がれているが、読むものを飽きさせない軽快なリズムや細やかな情景描写。この間では比較的長めの短編が収められており、ついつい引き込まれる。

    黒船が到来し、舶来のものや外人が日本に少しずつ入ってくる時代の話も多い。見慣れないものや人は、ときに怪談のネタにさえなる。
    閉鎖されていたところで住んでいた人々が、新しいものに出会う過程で驚いたり、あるいはしたたかにそれを利用して金儲けをしたりする、そんな人々の姿をみることができる。

    科学捜査のできないこの頃には、容疑者を脅したり叩いたりという荒っぽい方法が多々使われており、半七もときにそのような方法を使用するものの、半七の人情溢れる人柄が、むしろ読後感を心温かなものにさえするのである。

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プロフィール

一八七二年(明治五)東京生まれ。本名は敬二。元御家人で英国公使館書記の息子として育ち、「東京日日新聞」の見習記者となる。その後さまざまな新聞の劇評を書き、戯曲を執筆。大正時代に入り劇作と著作に専念するようになり、名実ともに新歌舞伎の作者として認められるようになる。一九一七年(大正六)より「文藝倶楽部」に連載を開始した「半七捕物帳」が、江戸情緒あふれる探偵物として大衆の人気を博した。代表作に戯曲『修禅寺物語』『鳥辺山心中』『番町皿屋敷』、小説『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談』『半七捕物帳』など多数。一九三九年(昭和十四)逝去。

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