黒いトランク: 鬼貫警部事件簿 (光文社文庫 あ 2-36 鮎川哲也コレクション)
- 光文社 (2002年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334732639
感想・レビュー・書評
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複雑で緻密なトリック。作者の苦労が感じられる力作である。純度100%のトリックまさにその通りである本格ミステリであった。クロフツの「樽」好きとしては、このプロットは至高。
最強犯人のシナリオ。鬼貫警部との対峙。結末…勿論、私は真相にたどり着けなかったが、敬服する。只々恐れ入りましたと頭が上がらないのであった。
真相に近づけた読者はいたのだろうか?解説の図をみて、大体の構図を理解できたくらい難解であった。 -
トリックの派手さはないご、アリバイ崩しとしては傑作と言っていいのではないか。緻密に組み立てられていて、読み終わっても、中々全てを理解するのは難しかった。時間があったら何回か読み返してみたい。
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黒いトランク
1 幕あき
2 逃亡
3 目覚めざる人
4 或る終結
5 古き愛の唄
6 新しき展開
7 トランクの論理
8 対馬
9 旧友二人
10 膳所のアリバイ
11 蟻川のアリバイ
12 ジェリコの鉄壁
13 アリバイ崩る
14 溺るる者
15 解けざる謎
16 遺書
17 風見鶏の北を向く時
講談社「書下し長編探偵小説全集13 黒いトランク」 1956年7月
黒いトランク 鮎川哲也
立風書房「鮎川哲也長編推理小説全集1 黒いトランク」 1975年7月
代作懺悔 鮎川哲也
推理文学 1971年7月
エッセイ 原田裕
奇人・変人・大人
解説 山前譲
鮎川哲也と「黒いトランク」
解説 芦辺拓
「黒いトランク」 その物語とトリックの全て -
鮎川哲也 「黒いトランク」を読みました。
うーん時刻表がでてきました。
私の今迄のミステリー読書で意外にも初めてでした。
今まで西村京太郎も読んでいませんから。
何しろ未知なる挑戦なのですから。
ミステリーベスト◯をすべて読みたいと思ったのがきっかけでした。
まず入手しなくてはいけない本リストに入りました。運良く本をゲットしました。
それから数ヶ月、次何を読むか気分とか、タイミングとか、目についたものだとか、手近にあったりなどの末、お待たせしました。完読しました。
鮎川哲也 本屋とかではあまり見かけません。
しかし有名です。名前は以前から知っていました。
ミステリーの重鎮のような方。本格推理小説。
他の作品も入手しなくてはならないリストにはいりました。
まず鮎川哲也と見たらゲットします。
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スピード感はなく話そのものは地味だけど、凝ったトリックで面白い。
じっくりとダイヤを確認しながらの推理はあの時代ならではという感じで、それだけでノスタルジックな感傷を覚える。
ただ最後まで鬼貫は好きになれなかった。
時代や作者の観念が手伝って、女性に対する考え方がとても偏ってる。
昭和なのだからと理解していたけど、終盤に鬼貫の女性観が吐露されていたことで、読後感は正直イマイチだった。
あとがきからも思ったけれど、作者は女性に何か恨みでもあるのか…
良くも悪くも昭和の推理小説。 -
難しかったー。
時刻表とか行動表なんかは読み飛ばしてしまったせいもあるけど。
人入れ替わったりトランク入れ替わったりがもう全然ついてけなかった。
まあでも難しい難しいと思いながら読むのもなかなか楽しかった。
鬼貫さんの女性観もなかなか。