天狗の面 新装版 (光文社文庫 つ 2-24 土屋隆夫コレクション)

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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334733193

感想・レビュー・書評

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  • 第3回江戸川乱歩賞最終候補作だが江戸川乱歩の推薦文付き(ここに再録あり)で、受賞には至らなかったが出版されて単行本デビュー作になった。
    受賞作の仁木悦子「猫は知っていた」のモダンな明るさに比べると確かに古さは否めない。探偵役も、衒学趣味の金田一もどきって、魅力皆無(笑)。仁木兄妹にそりゃ負けるわな。

    しかし、「土屋先生の作品に出てくる男性は例外なくエロいことを考えてる」の法則は最初からなのか(笑)。

  • 著者の処女長編作品です。
    個々のトリックは小粒でシンプルですが、「天狗」という奇怪じみた存在と、村の土俗宗教からなる異様な雰囲気が目眩ましとなり、意外性を生んでいます。特に「毒殺トリック」は鮮やかですし、それに関する「毒殺講義」は大変興味深く楽しめました。初期の傑作だと思います。

  • 著者の第一長編です。土屋さんの作品は何冊か読んでいますがこの作品はそれらとは趣が変わっています。さくさく読めるので結局推理はできませんでした。
    ラスト近くに出てくる

    「一言にして言えば、探偵小説とは、割り算の文学である。しかも、多くの謎を、名探偵の推理をもって明確に割り切った場合、そこにはいささかのあまりがあってもならない。

    事件件÷推理=解決

    この数式に示された解決の部分に、剰余、すなわち未解決の部分や疑問が残されてはならないのである。」(光文社文庫 p232-233)

    僕がミステリーとして高く評価するのはあまりが0か少ないかということだったんだなと納得しました。

    なお、本書にはいろいろなタッチの7つの短編と4つのエッセイも収録されています。

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