クロスファイア(下) (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334733711

感想・レビュー・書評

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  • 超能力ものは好きじゃないのに・・・おもしろかった!
    さすが宮部みゆき。

  • 『燔祭』は凄く印象が強い短編だったので、この本が出ているのを知ったときは嬉しかったです。
    特に<下>はどんどん引き込まれました。

    念力放火能力という超能力を持つ女性の話ですが、おとぎ話では決して終わらない。社会で罰せられることの無い罪を個人が裁くことの是非について考えさせられました。
    そしてそれ以上にこの小説は孤独な女性がやっと見つけた愛の物語だと思います。彼女が本当に大切な人を見つけたとき、すごく嬉しかった。それは彼女が「ずっと寂しかった」ことを、私も知っていたから。結末を読み終えても、やっぱり彼女は彼に出会えて良かった、と思いました。

  •  「念力放火能力(パイロキネシス)」を持つ女性、青木淳子の物語。

     追跡と処刑のための戦闘がだんだん大きくなり、自ら処刑のための戦闘なのか、力を使いたいだけなのか自問自答する状況で、警察にも真相に近づいている者がいる…カタストロフィが迫っています。
     もしかして、自らの炎で自らを焼くようなことになるのではないか、と固唾を呑んで読み進めたのですが、さらに残酷なラストが待っていました。

     でも、青木淳子が信じたとおり、木戸浩一も寂しかったのでしょう。最後に「淳子」と叫んだ彼を、独りにさせず、彼女は連れて行きました。彼女にとっての安息の死は、彼にとっても同じだったのでしょう。

     一つ不満を。
     結構真面目に超能力戦闘を描いている中で、能力者同士の衝突が、「銃での不意打ち」で決着してしまっているのがちょっと艶消しです。どうせだったら宮部みゆきの描く異能バトルを読んでみたかったなあ。

  • 読了!★★★★☆ 宮部みゆきサイキックミステリ下巻。

    残忍で人ならぬ犯罪者達に制裁の炎を。

    裁きと自分に言い聞かせ殺戮を重ねていくうちに、人らしさを失ってしまった青木淳子に、心を揺さぶる出来事が次々と起こる。

    得体のしれぬ組織まで絡んできて、謎の量はとても多い。
    上巻でナツコを殺したのは誰なのか。それがずっと気になっていた。

    力を持つ事そもそもが不幸なのか。
    このような力を持ったら、どうすればいいのだろうか。
    この本を読む限り、幸せになれる力とは到底思えない。


    印象深い一文
    「「だけどあなたは笑わないで。あたしのこと、笑わないで」」


    初めて人を信じようとする青木淳子の葛藤が窺える。

  • 下巻に入ってのスピード感が凄い。
    主人公の青木淳子に関しては、ちょっとモヤモヤした気持ちを抱いていたのだけれど、木戸浩一との《恋愛》物語が始まってからは、ぐいぐい引き込まれた。
    ガーディアンと、どのように折り合いをつけていくのかと思ったら、まさか、まさかの展開に…。
    結末は、こういった形にしかならないのだろうなぁとは思った。
    でも、本当に切なかった。
    やっぱり、宮部みゆきは読ませるなぁ。
    かおりちゃんには幸せになって欲しい。

  • 図書館で借りてきた。
    旅行の予定があったので、持ち運びに便利な文庫本をと思って この本を選んだ。

    念力放火能力! Sキングやん。
    なんて思いながら読んだ。

    読んでて、これってもしかして何か前編みたいのがあったのかなって思った。
    なんとなく、雰囲気が続きっぽい。
    青木淳子がなんていうか、完全に出来上がった能力者って感じなのも 何か前に話があったんじゃ?
    読後、あとがきをみてやっぱり…。

    「鳩笛草」に収録されている中篇小説「燔祭」
    青木淳子と多田一樹の話らしい。
    ああ、先に読んでおきたかった。

    とにかく、火をつける超能力を持つ女性が 悪と立ち向かうって話なんだけど その女性がなんだかすごく人間味が出てて なのにガンガン突き進んでいく姿は読んでてとても痛々しかった。
    おばさん刑事の石津ちか子や牧原刑事とか、 出てくる人みんな個性的で最後まで飽きることなく読めた。
    どちらかというとミステリっぽいつくりになってて ストーリーがすいすい進むので読みやすかったし。

    面白かったです。
    ものすごく切なかったけど。

  • なかなか面白かったです。宮部さんの他の本も読みたくなりました。

  • 下巻まで読了。以前に読んだことがあるはずだが、その内容の記憶はほとんど下巻に入っていた。どおりで「燔祭」を読んだときにこの話と記憶が繋がらなかったはずだ。「燔祭」のイメージは上巻のイメージと直接に繋がる。今回も女王感は少し意識に残らなかった。解説のとおり主人公との恋愛小説としても読めるとすれば、上巻の位置づけは? なぜ私に上巻は意識に残らないのだろう。この下巻のストーリーはなんともいえず悲しいお話としてとても面白いのだが。

  • 読んだことあったかなー、と思いながら読み始めたけど、やっぱり読んでなかったかな。
    最後の方は、あ、そういえば。があったり、でも種明かしが早すぎる気がしたり。最後の最後でバタバタっと、ちょっと雑な感じで終わっちゃってる、そう感じちゃうところがちょっと残念。

  • 前半部の話の方が好き。ラストシーンの救いのなさが悲しい。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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