- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334733865
感想・レビュー・書評
-
あの時、こうだったら、こちらを選んでいたら、誰でも考えることが描かれています。林檎を買いに5分で戻る予定だった彼女が姿を消してしまう。作者は、物語を通じて、何を語りたかったんでしょうか。全ての選択が今の自分を作り上げているのだと考えるべきだと言いたいのかなあと思っています。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「リンゴを買って五分で戻ってくるわ」と言い残して失踪した彼女。行方を追い始めるが、奇妙な出来事と彼女の関係者に翻弄される「僕」。そして、主人公の「僕」にも彼女に隠している真実があり・・・。
失踪が自らの意思なのか、それとも事件に巻き込まれたのか?真相が判るまで主人公以上にドキドキする。リンゴなど小道具の使い方も巧みで、小説の真髄を味わえる。 -
いろいろと考えさせられる小説でした。
何がきっかけで人生が変わるのか。
今その瞬間の判断、行動が今後の人生を
大きく変えるかも。
解らないからこそ人生は面白いのかな。 -
リンゴを買いに行ったまま失踪してしまった彼女を捜索するお話。
恋愛に重要なのは「タイミング」「フィーリング」「ハプニング」だとよく言われるが、本作はその「タイミング」に関しての要素が強いかな。
佐藤正午作品はこの一作のみしか読んでいないが、いま小説を書かせたらNo.1の実力と言っても過言ではないと思う。女性視点で読むと違和感が残るような気もするが、男の心理描写は抜群に上手い。
読んでていちいちイライラさせる主人公の優柔不断な部分は、きっと同族嫌悪なのだろう。終始、痛いところを突かれたような感じを抱えながらも、読了。 -
やめようやめようと思いつつ、ここまできたからには全作品読んでやろうかとも思いながら、それは時間つぶし以外のなにものでもないことに気付いている、そういう佐藤正午作品の一つ。
りんごを買いに行くといって失踪してしまう女性に取り残された男の話。結局人生なんてタイミングを逃せばそんなもの、そのタイミングはほんの些細なもの、そういうことが書いてある。だから一瞬一瞬を大切に生きよう、と思わせないところが、佐藤氏の凡庸な素晴らしさですが! -
うーん、そんなに面白くなかったな。種が気になって読んだけど結局種明かしはつまらなかったなー。確かに意表はつかれたけどさ、こんなレッドヘリングはつまんないな。これ読んで「女性は怖いな。女性は強くもあるな。」とか思うほどウブじゃねーよ。読ませる力は流石だけどね。佐藤正午は津田伸一ものしか面白くないのかなあ?
-
佐藤正午は好きな作家でしたが、この本知りませんでした。
相変わらず面白い展開で、寝不足になりました。 -
一つの選択で、その後の人生ががらっと変わる事がある。そんな人生の分岐点について考えさせられる話でした。
展開や設定は興味を引きましたが、流れが何というか緩やかで、もどかしかったのが正直な感想です。 -
4.0
-
あなたのためのリンゴを買って5分で戻ると言って失踪した南雲みはる、その理由を知ろうとする三谷。
篠崎は「ナグモが連絡を取るとしたら真っ先に三谷さんだと思うな。あたしじゃなく三谷さんがナグモの話しを聞くことになるのよ」と言ってくれていたのに、実は、僕の前から姿を消したがっていたと気づく。
その答えは5年後に唐突に訪れる。
結局は結ばれなかった二人、ある意味そういう運命というか、そこまでの関係性じゃなかったのかな、とも思った。
あの時こうしていれば…、あーしていれば‥、人生に大きくも小さくも色々な転機が転がっている、そんなお話。
謎にたどり着くまでミステリみたいで、やめられない、三谷のもんもんとする描写もよく伝わってきた。そしてその謎が明かされる時、なるほど、そういうことかと、腑に落ちる。
これはこれでなかなか面白かったです。