七十五羽の烏 ―都筑道夫コレクション<本格推理篇> (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334734558

感想・レビュー・書評

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  • 表題の「七十五羽の鳥」は、謎を解くすべてのカギは読者に提供されるという「本格推理」の形を取っている。
    物語は物部太郎というものぐさ太郎の祖先だという男が、父親に「一年だけ働け」との命令を受け、「客のこなさそうな」サイキック・ディティクティブの事務所を構えるところから始まる。物部太郎はこの事務所で、十分にぐうたらして過ごしていたが、そこに瀧夜叉姫の呪いに関する事件が持ち込まれ、ものぐさな太郎は事件に巻き込まれていく。
    事件の最中でも、そこから逃げ出すことを第一に考えているという奇妙な「探偵」役を主人公にした本格ものとなっている。

    また、この「七十五羽の鳥」には、不思議な事件が大好きだという日本語が片言の外国人キリオン・スレイを探偵役とした短編、退役した刑事が現職にある息子を通じて知った事件を解決する安楽椅子探偵形式の「退職刑事」、そしておなじみ「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズの2編が収録されている非常にお得な一冊だ。
    いずれも都筑さんのミステリらしく、どんなに謎に満ちた事件でも、論理的に説明ができるという素晴らしい作りになっている。最後には、都筑さんがこの「七十五羽の鳥」を執筆するにあたって気をつけたことなどを記したエッセイもあり、非常に考え抜かれたストーリーであるということを再確認することができる。

  • 「星降り山荘の殺人」に触発された先行作品として記載されていた。

  • 表題作の三番目の事件の真相に、もったいないことをするものだと登場人物ならずも思った。シリーズの他作品はしばらく読めそうにもないのが残念だが、他シリーズに手を伸ばしてみようとは思う。ことに解説で持ち上げられていた「黄色い部屋はいかに改装されたか?」が気になる。

  • 饒舌な本格派。
    怠けるつもりで始めた探偵業。断り切れずに関わった旧家の幽霊騒ぎが殺人事件に発展して。
    エラリークインのように、手がかりは主人公と読者に平等に与えられます。解けるかどうかは、貴方次第。

  • 2003年3月20日、初、並、帯なし、
    2013年5月11日、伊勢BF

  • まあまあ、かな。

    読んだ本の画像がなかったので、こちらで代用。
    「七十五羽の烏」以外にも収録されているようなので、そのうち読んだみたい。

  • なめくじに聞いてみろがよみたいんですけどー

  • 米澤穂信の100冊その99:そして、「解決したがらない名探偵」で〆。

  • 持っているのは、古本屋で買った昭和47年発行のソフトカバーだけど、さすがにamazonになかったのでこちらで代用。

  • 80426

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著者プロフィール

(つづき・みちお)1929-2003。東京出身。10 代から時代ものを発表していた読物雑誌の衰退に伴って海外ミステリ翻訳家に転向、『E
QMM(エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン)』日本版編集長を経て、1961年『やぶにらみの時計』を刊行、推理作家となる。トリッキーな趣向を凝らした作品の一方、ユーモラスなアクション小説、捕物帳を含む本格推理、ハードボイルド、SFミステリなど多彩な作風をもつ。永く無冠でいたが晩年に日本推理作家協会賞、日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2022年 『都筑道夫創訳ミステリ集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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