盲目の鴉 千草検事シリーズ [新装版] ―土屋隆夫コレクション (光文社文庫)

著者 : 土屋隆夫
  • 光文社 (2003年3月12日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334734572

盲目の鴉 千草検事シリーズ [新装版] ―土屋隆夫コレクション (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 初の土屋隆夫。
    僕の勝手な印象でパズラーに特化した鮎川タイプの作家かと思っていましたが、物語に重点を起き、その中でミステリを構築する好きなタイプの作品でした。(別に鮎川が嫌いというわけではないので悪しからず)こうと知っていればもっと早くに手を出していたのに。
    内容はというと、時代的な物を感じる部分はあるものの、随所で出てくる「鴉」というワードが物語をより一層不気味なものにしており、主人公の幼少期に起きた官能的な体験も相まって、非常に掴み所のない厭な小説となっています。
    後半になって明かされるアリバイトリックは正直チープだと思いますが、本書は間違いなく本格であると思いますし、それを取っても余りある小説としての面白さを堪能できる良作でしょう。

  • 読み応えがあった。序盤から心地よい陶酔感があり、途中で我に返ると物語の中にどっぷりと浸かっていた。事件関係者のそれぞれの背景が根底にねっとりとまとわりつき、それが作品全体を支えている。登場人物の心の闇を浮き彫りにするというのは「社会派」のイメージだけれども、本作品は間違いなく「本格」。鍵となる人物や、小さな手がかりから拡がっていく推理のプロセスは、容赦のない本格そのもの。「ミステリ」ではなく「ミステリ“小説”」──読者が飽きない程度にエピソードやシーンを深く掘り下げ、奥行きのある展開へと持っていける筆力の持ち主。

  • 相変わらずうまいなぁ。最初から最後まで、こういってはアレだけどミステリらしからぬ文学的な雰囲気というか空気というか、そういうものが文章や物語から漂ってくるようだった。事件の関係者に文芸評論家を使用することで、うまくその文学的な空気がミステリに融合していて違和感はまったくない。むしろ最後の場面の検事と刑事さんの話なんかは胸が熱くなった。もちろんミステリ的な仕掛けもシンプルながら効果的な使われ方がされていて驚く。見事。

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