猫の舌に釘をうて (光文社文庫)

著者 : 都筑道夫
  • 光文社 (2003年7月10日発売)
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  • 6レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (567ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334735159

猫の舌に釘をうて (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「探偵であり、被害者であり、犯人であり」という試み、回答としては成立してるとは思う。

  • <青春篇>と副題がつけられた短編集。

    表題になっている「猫の舌に釘をうて」は、そのタイトルと内容がまったく違うというところがミソだ。主人公である男が、事件の「犯人であり、探偵であり、そして被害者」でもあるという話だ。彼は、その事件のあらましを「都筑道夫」という作家の束見本(くみあがりのページ数だけ使用する印刷紙を製本したもの。中身は白紙である)に記述している。なぜこんなことをしたのかといえば、外側からみたらただの小説に見えるからである。「被害者」にもなる主人公は、この束見本に事件のあらましだけでなく、ある工夫をして「ダイイングメッセージ」も残している。一人3役というその内容だけでなく、その凝った本の構成もわくわくさせてくれるストーリーになっている。

    また、<青春篇>というだけあって、いくつもの短編にさりげなく都筑道夫本人が登場することがある。英語のミステリーを翻訳していたときの彼や、小説家の彼などが、その時代の情景とともに登場する。たいていは、ただの通りすがりと言っていいほどの脇役なのだが、私の知り得ぬ戦後の時代とそこで暮らしていた都筑道夫さんの生活を垣間見れたことができた気がして面白かった。

  • 表題作。せっかくこんなにトリッキーなのに、他の作品と抱き合わせになってることが残念すぎる。

  • 最初の一行の印象が強烈。
    恋愛色が強くて、無理矢理感はあるけど、最初のインパクトで最後まで読み切ってしまった。

  • 何作かの作品が収録されております。
    表題作の「猫の舌に釘をうて」は犯人、探偵、被害者が同一人物という1人3役の派茶滅茶な設定です。
    被害者と犯人が同一人物という作品なら多々あるとは思いますが、さすがに1人3役はこの作品しかないのではないでしょうか。
    束見本に主人公が手記を書いているという設定になっていますので、題名と内容は関連がありません。
    その他の作品はミステリ的なものではないので少し退屈でした。
    昭和の恋愛話もありました。
    文体に古さを感じます。

  • その小説という媒体の使い方の常識を打ち破った書き方、そして探偵、犯人、被害者の一人三役という超アクロバットに加え主人公の切ない恋の話まで加わってどんどん感情移入してしまう。またそのアクロバットをジャンプリゾのように記憶喪失という手段を用いることなく、そしてフェアな手掛かりに読者への挑戦状まで入った本格ミステリ的にしっかりと成立させてしまっている。脱帽。同時収録の「哀愁新宿円舞曲」も良かった。泣ける、感動、笑えるなどなど。バラエティたっぷり。

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