古書店アゼリアの死体 (光文社文庫 わ 10-3)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334735463

感想・レビュー・書評

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  • たて続けに悲惨な目にあった相沢真琴は、
    長年の夢「海に向かってバカヤローと叫ぶ為」に
    葉崎市の海岸に行き着いた。
    しかし、叫んだ直後に波に押し出されてきたのは
    死体だった・・・

    真琴が発見した死体は葉崎市の名門・前田家の
    家出して消息不明になっている息子らしい
    お家騒動絡みの事件に巻き込まれ、更に新たな死体が・・・

    軽快な会話も楽しいけど、ハラハラドキドキさせられるし
    事件は一応解決するんだけど、安堵したと思ったら、
    最後に2回もどんでん返しが待っている。
    そのどんでん返しがゾッとする。

    ロマンス小説好きには、色んな作品の紹介が
    文中に出てくるから、楽しいと思います。
    最後に、文中に出てきたロマンス小説の解説を
    登場人物の紅子さんがしてくれてます。

  • 倒産、火事、新興宗教…相次ぐ災難で不幸のどん底にいた女が、葉崎市の海岸で、海に向かって「バカヤロー」と叫んだところに思わぬものが流れ着いた。それが騒動の始まりだった…。葉崎コージー・ミステリの2作目。余計な飾りをつけずスパイスを利かせた文章と話の運び方が良い。ロマンス小説カルトクイズのやりとりも卓球のピンポンのようにテンポよい。そして結末では、ただのハッピーエンドで終わらせないところが心憎い。ちなみに“コージー・ミステリ”とは“恐ろしい事件が起こっても、それが解決すると再び平穏な平凡な日常生活に戻っていけるという安心感に支えられたミステリー”のことだそうだ。(1作目の「ヴィラ・マグノリアの殺人」は未読)

  • 葉崎シリーズ。
    ロマンス小説にとんと縁がないというか興味がない私でも、
    ちょっと読んでみようかなという気にさせられる古書店アゼリア。
    なんにしても矜持のある古書店はいいなぁ。

  • 勤め先は倒産、泊まったホテルは火事、怪しげな新興宗教には追いかけられ……。

    不幸のどん底にいた主人公は海岸で変死体を発見してしまう。

    運よく、古書店の店番の仕事にありつくが……。


    ツイテない主人公が段々ツキを取り戻していく過程がなんとも微笑ましい一冊。

    ロマンス小説専門店が舞台なだけに、巻末に納められたロマンス小説注釈は必見である。

  • ★あらすじ★なぜか不幸な目にばかりあってしまう主人公・相澤真琴が辿り着いた神奈川県葉崎市で、彼女は身元不明の死体の第一発見者になってしまう。その死体は長く行方不明だった地元の御曹司のものらしい…
    ★感想★作品のシチュエーションや登場人物の会話に重点を置いたコージーミステリ。地元の資産家一族や、ロマンス小説専門の古書店「「アゼレア」を経営する前田紅子など、登場人物たちのユニークさがいい。謎解き部分が弱いかなとも思いますが、こういう雰囲気を楽しむミステリがもっとあってもいいですね。「ロマンス小説の定義」にラストで納得されられます。

  • ストーリーも語り口も好みだし、紅子さん大好き。ロマンスカルトクイズのくだりとか最高だし、キャラも好感持てる。しかし、のめり込めない。原因は、人間関係がめっちゃ複雑なお話なのに肝心のキャラが被ってることと、あまりにもあっさりと話が先に進んでいってしまうことだ。解説の池上冬樹も同じように感じているらしく、全然褒めてない解説が笑えた。うーん、もう1冊読むまで評価は控えるか…

  • アゼリアの店主前田紅子おばあちゃんがインパクトのあるキャラで、おもしろおかしくテンポ良く読めるよ。若竹さんの作品中ではかなり好きだなぁー。

  • 私が初めて讀んだ若竹七海の本。<BR>
    <BR>
    いろんな不幸が身に振りかかる、ついてゐない主人公は、海へ出かけた。<BR>
    海に向かつて「バカヤロー」と叫ぶことで、氣を晴らさうとしたのである。<BR>
    しかし、そこで主人公が出會つたのは、溺死體であつた。<BR>
    こんなシーンから、この物語は始まる。<BR>
    <BR>
    ユーモアあふれる筆致で、ストーリーは輕快に進められてゆく。<BR>
    <BR>
    卷末の解説によれば、この本は「コージー・ミステリー」といふジャンルに分類されるのださうだ。<BR>
    確かに「コージー」、つまり居心地が良い。<BR>
    本格的なミステリーを望む人にはお薦めできないが、氣晴しに讀書でも、といふ時にはうつてつけの一册である。<BR>
    <BR>
    2003年11月2日讀了

  • 勤め先は倒産、憂さ晴らしに泊まったホテルは火事、怪しげな新興宗教に追いかけらる等と、散々な目に会った相澤真琴は、葉崎市の海岸で海に向かって「バカヤロー!」と怒鳴ってた。そこへ溺死体がどんぶらこ。第一発見者である真琴は事情徴収を受け、葉崎市で足止めを食らうこととなる。受付の女性より近くに古書店があると聞いた真琴は、興味を覚えその扉を潜った。店主の前田紅子より怒涛の如く質問を受けるやいなや、店番を任せられた真琴。
    一方、真琴が見つけた死体は、葉崎市で有名な前田真知子の甥である秀春という見解が下った。だが彼は12年間も失踪し音沙汰が全く無かった。


    テンポも良くて、面白いです。笑いあり、ユーモアあり、読みやすくてライトミステリーな感じなんですが、どんでん返しがビシッと入っててミステリーファンの私はご満悦でした。
    でもって、紅子さんが良いです。物凄く好きなキャラ。
    ロマンス小説に疎いので、この辺りの掛け詞が理解出来なかったのが無念。
    久し振りに若竹著を読んだが、「海神(ネプチューン)の晩餐」に継いで琴線に触れました(個人的に)

  • 神奈川県にある葉崎市で起こる殺人?自殺死体?事件。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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