江戸川乱歩全集 第9巻 黒蜥蜴 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
3.64
  • (28)
  • (30)
  • (76)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 305
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (685ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334735685

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「黒い虹」「黒蜥蜴」「人間豹」「石榴」の4作が収録されています。
    一番面白かったのは「人間豹」。乱歩のお家芸であるエログロ、明智と犯人との頭脳戦、小林少年の活躍、そして終盤のタイムリミットサスペンスといった盛りだくさんの内容が、非常にテンポよく展開していきます。大の大人の私でも童心に返ったようなドキドキ感の中で読むことができ、次のページをめくるのが楽しかったです。ミステリとしては細かい瑕疵がいくつかあり、乱歩本人も「子どもらしい読み物」と述べるなど、自他ともにそれほど高い評価は受けていない作品のようですが、私は本作こそが大衆作家・江戸川乱歩の原点であるように感じました。

  • 有名な『黒蜥蜴』はやはり黒蜥蜴の妖艶さとかわいらしさが魅力の話だと思う。
    展開としては乱歩の長編お決まりの展開なので驚くことは特に無いけど、黒蜥蜴のキャラが良い。
    終わり方も切なくて耽美で好き。

    『人間豹』はあまり期待しないで読み始めたけど、黒蜥蜴よりテンポとハラハラ感があって一気に読めた。
    ツッコミどころは相変わらず多いけど惹きつける文章力がすごい。
    ラストのあたりはちょっと無理やり終わらせた感というか駆け足感が強いかなあ…。

    『石榴』が話としてはいちばんしっかりしてるかなという印象。
    推理物をちゃんと書こうとした感じが伝わってくる。
    けど、すでによんだ『二癈人』などに展開などが似てるので新たな驚きが薄く、印象も薄くなってる感じがするかな。

    解説のあとにある『私と乱歩』がいちいち頷けてよかった。

  • 日本の名作。

  • 見返し
    収録作品
    黒い虹
    黒蜥蜴
    人間豹
    石榴

  • 2010/11/23

    一貫して、洒落ていて優雅な空気を纏った作品でした。

    探偵と女怪盗の抜き差しならない闘いであるという物語の筋に対して、
    緊張感の中で生まれる、純粋な愛が骨子にされていて、
    勿論、二転三転と欺いて裏を返して手玉にとって、探偵ものとしてもわくわくする。
    結末が美しかったな、と思う。

  • ・黒い虹…合作探偵小説初回
    ・黒蜥蜴…明智
    ・人間豹…明智
    ・石榴

  • 冒頭とラストの文章の美しさに酔う。
    映画(美輪明宏主演)を先に見たのだけど、どちらもそれぞれ異なってよかった。
    映画はソファーを突き刺すシーンの黒蜥蜴の心情の揺れ動きが胸に迫ったし、小説は泣きじゃくる黒蜥蜴がたまらなく愛おしい。

  • 「黒い虹」「黒蜥蝪」「人間豹」「石榴」の4編。
    「黒い虹」はやはりリレー小説の冒頭のみ。ううむ、なんだかこれも続きを読みたくなってきたなあ。
    「黒蜥蝪」は言わずと知れた名作だし、「人間豹」もインパクトの強い作品なのでかなり記憶に残っていた。一方あまり有名ではないだろうし(私が知らなかっただけかなあ)、さほど印象も強くない「石榴」だけど、これが案外好みかも。タイトルの意味にぞっとするしね。そしてここに出てくる「硫酸殺人事件」……「殺人鬼Ⅱだっ!」と思ったのは私だけではあるまい(笑)。

  • 21/11/22 70 エロ、グロと言えばそうかも。小学生には早いか?でも読んでたなー。

  • 『黒い虹』
    夫が嫌っているのを知りつつある指輪をしている涼子。徐々に離れていく夫。ある日夫の不在中に誘拐された息子・冬雄。脅迫状に指示されて男の元に向かった涼子。棺桶の中の冬雄の遺体。発見された棺桶の中の涼子と冬雄の遺体。死の直前、涼子が見た男の正体。連作の一部

    『黒蜥蜴』
    「黒蜥蜴」の刺青をいれた女。殺人を犯した男・雨宮を別人に仕立てあげ部下にする。大阪の富豪岩瀬氏の所有するダイヤ「エジプトの星」を狙う黒蜥蜴。「エジプトの星」を奪うために岩瀬氏の娘・早苗を誘拐しようとする黒蜥蜴。護に当たる明智小五郎。東京のホテルでの対決。緑川婦人として岩瀬氏に近づく黒蜥蜴。早苗の偽物をベットに寝かせて誘拐に成功したかと思われたが明智小五郎の勝ち。怪しい老人に仕事を依頼される桜山葉子。ある女性に変装して屋敷に入り込む。屋敷から早苗を誘拐する「黒蜥蜴」。屋敷に現れた酔っぱらい。長椅子に寝転び暴れる酔っぱらい。部屋から運び出された長椅子。明智小五郎の追跡。船上の対決。長椅子の中に閉じ込めれたまま水葬される明智小五郎。「黒蜥蜴」のアジトの剥製たち。監禁された早苗。黒蜥蜴一味の侵入者。水槽に入れられたはずの早苗が帰還したと報じる新聞。水槽に入れられた剥製。雨宮潤一の裏切りか?黒蜥蜴と明智小五郎の対決。

    『人間豹』
    明智小五郎シリーズ
    神谷芳雄がカフェ・アフロディーテで出会った怪人物・恩田。恩田に誘拐された恋人の弘子。監禁される神谷。目の前で繰り広げられる惨劇。恩田親子と豹。1年後新たな恋人・蘭子との出会い。再びの誘拐と明智小五郎の登場。蘭子の死。明智小五郎対人間豹・恩田。文代夫人を狙う恩田。蝋人形による罠。誘拐される文代。サーカス団に隠された罠。

    『石榴』
     警官が目撃した柘榴のように顔をとかされた遺体。遺体をスケッチする青年。刑事の友人である和菓子屋の妻からの告白。対立する2軒の和菓子屋。殺害されたと思われた琴野。対立していた妻の夫・谷内。しかし刑事の捜査から発見された指紋から被害者と加害者の入れ替りの可能が・・・。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1894‐1965。明治27年10月21日三重県に生まれる。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任。昭和40年7月28日死去

「2018年 『人間豹』 で使われていた紹介文から引用しています。」

江戸川乱歩全集 第9巻 黒蜥蜴 (光文社文庫)のその他の作品

江戸川乱歩の作品

江戸川乱歩全集 第9巻 黒蜥蜴 (光文社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする