- Amazon.co.jp ・本 (685ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334735685
感想・レビュー・書評
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「黒い虹」「黒蜥蜴」「人間豹」「石榴」の4作が収録されています。
一番面白かったのは「人間豹」。乱歩のお家芸であるエログロ、明智と犯人との頭脳戦、小林少年の活躍、そして終盤のタイムリミットサスペンスといった盛りだくさんの内容が、非常にテンポよく展開していきます。大の大人の私でも童心に返ったようなドキドキ感の中で読むことができ、次のページをめくるのが楽しかったです。ミステリとしては細かい瑕疵がいくつかあり、乱歩本人も「子どもらしい読み物」と述べるなど、自他ともにそれほど高い評価は受けていない作品のようですが、私は本作こそが大衆作家・江戸川乱歩の原点であるように感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「黒蜥蜴」だけでいいのに、と思いつつ他の収録作も読む。
「黒い虹」、途中で終るだろうと思ったら、案の定、リレー小説の第1回。風呂敷を広げるだけでよいから、乱歩には肩の荷が軽い仕事だったはず。
「黒蜥蜴」、三島由紀夫による戯曲版が、かなり原作に準拠していることに気づく。
「人間豹」、フーダニットをなげうった通俗長編はサクサク読める。獣人恩田の出自さえ投げっぱなしで物語は疾走する。乱歩の語り口は色褪せない。なお、望月三起也「ワイルド7」で、明智夫人あわや!のピンチが脚色・再現されていた。
「石榴」、こと本格になると乱歩の姿勢は敬虔そのもの。自作解説からも、本格に懸けた想いがうかがえる。 -
長かったけどついに読了!以前に子供向け版の江戸川乱歩は読んでいましたが、いわゆる大人向けの乱歩は初だったかも。とにかく当時の風が感じられるところが好き☆トリック云々よりも、当時の情景が古くさくて良い。※褒めてますf^_^;黒蜥蜴はスカパーで、天知茂さんと小川真由美さんのコンビを見てましたが、違うバージョンもあり、それを脳内再生しながら読みました。作者のあとがきも興味深い☆このシリーズ読み進めたいです!
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有名な『黒蜥蜴』はやはり黒蜥蜴の妖艶さとかわいらしさが魅力の話だと思う。
展開としては乱歩の長編お決まりの展開なので驚くことは特に無いけど、黒蜥蜴のキャラが良い。
終わり方も切なくて耽美で好き。
『人間豹』はあまり期待しないで読み始めたけど、黒蜥蜴よりテンポとハラハラ感があって一気に読めた。
ツッコミどころは相変わらず多いけど惹きつける文章力がすごい。
ラストのあたりはちょっと無理やり終わらせた感というか駆け足感が強いかなあ…。
『石榴』が話としてはいちばんしっかりしてるかなという印象。
推理物をちゃんと書こうとした感じが伝わってくる。
けど、すでによんだ『二癈人』などに展開などが似てるので新たな驚きが薄く、印象も薄くなってる感じがするかな。
解説のあとにある『私と乱歩』がいちいち頷けてよかった。 -
見返し
収録作品
黒い虹
黒蜥蜴
人間豹
石榴 -
2010/11/23
一貫して、洒落ていて優雅な空気を纏った作品でした。
探偵と女怪盗の抜き差しならない闘いであるという物語の筋に対して、
緊張感の中で生まれる、純粋な愛が骨子にされていて、
勿論、二転三転と欺いて裏を返して手玉にとって、探偵ものとしてもわくわくする。
結末が美しかったな、と思う。 -
・黒い虹…合作探偵小説初回
・黒蜥蜴…明智
・人間豹…明智
・石榴 -
冒頭とラストの文章の美しさに酔う。
映画(美輪明宏主演)を先に見たのだけど、どちらもそれぞれ異なってよかった。
映画はソファーを突き刺すシーンの黒蜥蜴の心情の揺れ動きが胸に迫ったし、小説は泣きじゃくる黒蜥蜴がたまらなく愛おしい。 -
21/11/22 70 エロ、グロと言えばそうかも。小学生には早いか?でも読んでたなー。
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「黒蜥蜴」は、メチャクチャおもしろくて、一気に読んでしまいました。
「夜の夢こそまこと」といっていた乱歩の本当に自分が存在して見たかった世界というのは、こういう世界なんだろうなぁと思います。
そして、その勢いで「人間豹」を読み出したら、全然、前に進まなくて困ってしまいました(笑)
すげえ、作品の出来に、差があるなぁ乱歩。
明智小五郎がでてきて、やっと、お話が動き出した感じで読めました。
でも、明智小五郎が出てくると、急に敵が弱くなったような印象をうれます。
ところで、何で、「豹人間」ではなくって、「人間豹」なんだろう?
「石榴」は、好きです。
悪と滅びにも、美学がある。そして、もちろん、正義がある。そんな世界が、きっと楽しいのだと思います。
全集ということで、1冊が分厚くて、1冊読む間に2冊ずつぐらい刊行されています。
どこまで、読めることやら……。 -
正しく明智小五郎VS女盗賊。タイトルは聞いたことがあったのですが、実は高階良子の少女漫画だと思っていた有様です。美輪明宏の黒蜥蜴とどういう関係なのかなーと思っていたり。長年の謎が氷解しました……そして自分の無知さ具合も痛感しました。
黒蜥蜴の登場シーンがすごいキャッチーで、頭の中で緑川夫人というと登場シーンの宝石踊りと次のシーンの黒服美女のギャップがぐるぐる。1つ1つのシーンが絵になるお人だったなぁと。キャラに突飛さはないと思うのですが、なんかあの妖艶さは他作品にはない。幼少期にあれ読んだらインパクト強すぎるだろうし、今読んでもクラクラしました。
それだけに、潤ちゃんの頼りにならなさが泣ける。カッコいい相方が欲しいぁと。女の子でも男の子でもいいから。……でも、それだと明智さんが負けちゃうか。 終盤の追い詰められるところは、なかなか切なかったです。そんくらい気付けー、って。あそこで気づいちゃったらどうしようもないのはわかるのですが、黒蜥蜴がいぶかしがったり勝ち誇ったりする度に、うしろうしろー、って気分でした。
「人間豹」も、頭に浮かぶ画像のインパクトが凄かったです。紙芝居やさんの口上を聞いてどきどきする子どもの気分。とりあえずヒロインが被害に遭いすぎです。明智夫人とか、この人だけは大丈夫だと思ったけど、あまりにあまりの展開に呆然としちゃいました。いいのかあんなシーン描写して! -
黒蜥蜴を名乗る女対明智さんのお話。私の中の黒蜥蜴イメージは杉本彩(笑)
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これぞ乱歩な謎解き!黒蜥蜴の妖艶さにやられます。
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舞台では美輪さんの黒蜥蜴が有名ですよね
妖艶な黒蜥蜴の世界をぜひ皆さんも堪能してください -
「黒蜥蜴」はなんとなく哀愁漂う感じです。
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明智小五郎と黒蜥蜴の拮抗した戦いが見物。独特の乱歩ワールドが形成されている感じ。
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ほんとうは春陽堂のやつを読んだんだけど。この話は黒蜥蜴の、恐怖美術館がすごいおもしろい。わらった。
明智小五郎のさいごのチューがダンディ! -
表題の黒蜥蜴は、舞台化・映画化されたものをご覧になった方も多いと思う。(私が初めてこの作品を見たのは、三輪明宏さんのものだった)美しい女盗賊と稀代の名探偵との対決は、ページをめくるのに思わず息を詰めてしまう。他に人間豹・黒い虹・石榴を収録。