灰 夜 (光文社文庫)

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  • 光文社
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レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334736910

感想・レビュー・書評

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  • 鮫島は、彼がキャリアのコースから外れる契機となった同僚の宮本の七回忌に出席し、そこで宮本の幼なじみだった古山と木藤という二人の男と出会います。古山は、地元でいくつかの店を経営しており、そんな彼の案内で鮫島は一夜をすごすことになりますが、麻薬取締官の寺澤という男が古山の身辺を調べていることが判明します。

    その後鮫島は、とつぜん何者かに拉致されてしまい、古山とその妹の栞によって救出されます。鮫島は、自分の身代わりになった古山を助けるため、タイム・リミットが定められているなかで古山らの人間関係をたどり、事件の真相へせまっていくことになります。

    今回は宮本の遺書にまつわる事実が明らかにされることになるのかと期待したのですが、あまり新しい情報はあたえられていません。ストーリーにかんしても、完成度の高かった前巻にくらべると、錯綜しているわりに出たとこ勝負のような印象を受けました。

  • 新宿鮫シリーズ第7弾。
    自殺したかつての同僚・宮本の七回忌に彼の故郷を訪れた鮫島は、思わぬ時間に巻き込まれる。
    プロットは相変わらず複雑で、登場人物も多く警察とヤクザ同士の駆け引きなど手に汗握る展開です。
    私は元々この小説で舞台になった土地に住んでいた経験があるため、それぞれの場面場面が鮮明に思い浮かんで懐かしさを感じました。
    惜しむらくは、最後の終わらせ方が少しびっくりするくらい雑だった事。
    登場人物もキャラ立ちしていて最後のエンディングを楽しみにしていただけに、肩透かし感は否めない。。

  • 新宿鮫は、面白い。今のところはハズレ無し。

    哀愁漂う結末と、“宮本の遺書”の残す暗い陰り………。
    シリーズとしての“動き”を感じた一作だったが、この文庫化が2004年で、2012年現在もまだまだ
    終焉を迎える気配は無し(笑)。

    ま、気長に楽しみながら、少しずつ読み進めるとしましょう。

    しかし、“宮本の遺書”って………。大沢さんの中では、すでに構想はできあがっているのだろうか?

    ★4つ。8ポイント。

    2012.07.30.了。

  • シリーズにあって異色作的位置づけか?海外TVドラマ『24』風の限定された時間内でのスピード感ある事件展開(ただし本作にツイストはない)。悲劇的結末(決着=事件解決)はバッサリと片づけられたような印象で、ご都合主義が感じられたられもののさすがの筆力で最後まで物語に引きつけた。本作シリーズは特に主人公の立ち位置にハードボイルド色づけ(雰囲気)がされてはいるけれど、警察小説としてその借景に施されるリアリズムへの腐心(主に着想)には度々感心させられる(特異さ際立つ『炎蛹』にはちと狙い過ぎの感を持ったけれど)。

  • 新宿鮫シリーズは安定して面白い

  • 新宿鮫シリーズ7。
    今作の舞台は鹿児島。
    宮本の通夜に出席するためにやってきた鮫島が、現地で次々とトラブルに巻き込まれます。
    桃井や藪などいつもの面々は登場しませんが、見知らぬ土地、見知らぬ人々という舞台ならではの哀愁が漂っているのが良いです。
    まさに孤軍奮闘する鮫島の姿に手に汗握ります。

    今作では初めて宮本の人物像についての描写がありました。
    親友だからこそ鮫島は宮本の遺書を預かったのだと思っていましたが、二人の関係はそれほど深くはなかったようで、鮫島は完全に巻き込まれた形で気の毒。
    宮本はなかなか酷い奴です。

    しかし、鮫島が宮本の父親や友人たちと故人を偲ぶ場面にはグッとくるものがあります。
    まったく知らぬ者同士、宮本という今はいない男を介して、鮫島と古山がたった一晩で友情のようなものを築き上げるのがかっこいい。

    穏やかな夜を過ごし、早く東京に帰って晶に会いたい、なんてかわいいことを思う鮫島が突然拉致監禁されて緊迫した展開になるのにはワクワクしました。
    全くわけがわからない状況から、徐々に真相が見えていく展開が素晴らしい。

    鹿児島という舞台設定を存分に生かし、国際的な問題を提示し大きな事件にしながらも男同士の友情を絡ませて切ないドラマに仕上がっています。

    ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・











    みんな死んで終わりという決着のつけ方はあまり好きではありませんが、真相を知るは鮫島のみという幕切れには切ないものがあります。せっかく古山兄妹と親しくなれそうだったのに。
    古山の言葉が響くラストが凄く良いです。

    それにしても強烈な登場人物がたくさんいました。北朝鮮の工作員は怖いし、悪徳警官もよっぽだし。でも監禁場所にいたヤクザの弟がシリアルキラーみたいで一番怖かったです。

  • 宮本警視の7回忌に 郷里(鹿児島)にいく。
    そこで、宮本 の親友 古山、木藤に会い
    古山と 親交を深めることで、鮫島は 事件に巻き込まれていく。

    僅か 二日間の出来事で、大きな展開を見せる。
    麻薬取締官 寺澤が 追いかけていたのは
    北からの 麻薬の お金の動きだった。

    福岡のヤクザ 十知会 井辻。
    鹿児島のヤクザ 鹿報会 諸富。

    抗争で浮かび上がったのは 上原だった。

    ふーむ。
    これだけの短い時間で 事件の真相を解明してしまう
    鮫島の すごさ。

    美人 栞 と 平良マリーがでてきたが
    からむには 時間が短すぎたね。

  • 実に久しぶりに手に取ったシリーズだった。
    こんなに面白かったっけ? とあらためて過去の作品を記憶から引っ張り出し、やはり面白かったことに気づいた。
    とにかく手に汗を握って一気読みした。

    これまでちょくちょく語られてきた今は亡き宮本とのエピソードだが、今回は彼の七回忌に九州のとある街に訪れたことをきっかけに事件に巻き込まれることになる。

    舞台がいつもの新宿ではないから、雰囲気が違うかな? とも思ったけれど、四作目の「無間人形」も確か地方都市で物語が展開されるのではなかったっけ? 

    地方都市の繁華街も味わい深い。その街に根付いた人間たちの生き様が交錯し、今作は稀に見る複雑なプロットだ。 
    四つ巴? 五つ巴? とにかく勢いがほとばしるバトルロワイアル状態で物語が進んでいく。

    鮫島の前に立ちはだかる悪役があまりに悪徳すぎて、読んでいるこちらも鮫島への肩入れが半端ない。怒りだけで突っ走る鮫島の鬼気迫るタフさに心がしびれる。何しろ三日間ほとんど眠らずに地方都市を駆け回るのだ。

    熱量が大きいストーリーだったので、やがて訪れた静かな結末の後の余韻はいつになく深かった。

  • シリーズ7作目。今回は、新宿鮫シリーズでは珍しく九州のある街での出来事。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou2214.html

  • 新宿を飛び出し、新しい展開だった。内容は、安定感あり。鮫島は相変わらず格好いい。

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著者プロフィール

1956年、名古屋市生まれ。79年『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞しデビュー。代表作に『新宿鮫』(吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞長編部門)、『無間人形 新宿鮫IV』(直木賞)、『パンドラ・アイランド』(柴田錬三郎賞)、『海と月の迷路』(吉川英治文学賞)、近著に『覆面作家』『俺はエージェント』『爆身』など。

「2018年 『ニッポン泥棒(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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