江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (740ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334737160

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  • 二銭銅貨
    一枚の切符
    恐ろしき錯誤
    二廢人
    双生児
    D坂の殺人事件
    心理試験
    黒手組
    赤い部屋
    日記帳
    算盤が恋を語る話
    幽霊
    盗難
    白昼夢
    指輪
    夢遊病者の死
    百面相役者
    屋根裏の散歩者
    一人二役
    疑惑
    人間椅子
    接吻


    江戸川乱歩の初期の短編集。面白かったのは『心理試験』と、『二廢人』だろうか。

    『心理試験』は、大学生で頭のいい犯人が金目当てに老婆を殺し、いかにバレないか知恵を絞る、という話。その過程で心理試験にかけられることになり、彼は完璧に練習して心理試験に臨んだのだが、その完璧さがかえって仇になってしまった、という話。この大学生(蕗屋)は、「下手に隠し立てしない」主義だが、結局それも失敗の素。老婆から盗んだお金を「財布を拾った」とか言って交番に届けたから、心理試験なんか受ける破目になったのだ。この蕗屋。優秀そうで、どこか抜けている。何事も練習、準備が大切なのはそうなのだが。

    『二廢人』は、自分が夢遊病者だと思い込んでしまい、人を殺してしまった、と信じ込んでしまった男の悲劇。
    乱歩作品は「でも、それを知っている(証言している)のは◎◎だけですよね」(←つまり根拠としては弱い)パターンが多いのだが、この作品もそう。


    大正時代に書かれたミステリー集で、日本におけるミステリー黎明期の作品だから、今から見たら暗号だのなんだの稚拙なトリックに見えるが、それにしても面白い。有名な明智小五郎が登場する作品も何作かあるが、彼の犯罪オタクぶりも読みごたえがある。
    一つ残念なのは「夢オチ」が多いことかな。「全部ウソでした」「なんちゃってね」という、今までの積み重ねをあまりのも強引になかったことにする。『人間椅子』は途中まで面白かったのに、最後の最後で興ざめした。『赤い部屋』もその部類。

  • メモ…一枚の切符、恐ろしき錯誤、双生児、心理試験、黒手組、赤い部屋、日記帳、算盤が恋を語る話、幽霊、盗難、白昼夢、指環、夢遊病者の死、百面相役者、一人二役、疑惑、接吻

  • 子供向けにリライトされたものを遥か昔に読んだ記憶がある。本物は初めて読んだ。

  • デビューからすぐの初期短編集。しかも全作・自作解説つき。贅沢!!「傑作選」(新潮文庫)で既に読んでるものも多かったけど、自作解説も読めるしとても楽しめた。再読でも「赤い部屋」と「人間椅子」は絶対的に素晴らしい…大好きな二編!他には「一枚の切符」「心理試験」「白昼夢」「一人二役」が今回は好き。

  • 何回読んでもいい。

  • この光文社では、乱歩自身の解説も掲載されている。自分で愚作だとか、無理な話とか書いてるので、笑える。確かに偶然がないとこれは無理だなと思う話が多く、乱歩自身の解説も愚作だと認めていてにやっとしてしまう。それでももっと読みたくなるのは乱歩の独特の世界があるからか?

  • 「まあ…全部俺の作り話なんだけどね☆」オチになんか拍子抜けする

  • ニ銭銅貨
    ビブリア4よりこれを読む。本当に『「あの泥坊が羨ましい」』で始まっている。松村の解法も私の解法もすこぶる気持ちよく、また牛込が出て来るのもうれしい。
    乱歩の自作解説もホクホクだ。

    一枚の切符
    事実ってなんだ。本当はなんだ。わからない。物事は視点に依ってしまう。面白いと言っていていいのか。わからない。

  • 二銭銅貨、一枚の切符、恐ろしき錯誤、二發人、
    双生児、D坂の殺人事件、心理試験、黒手組、赤い部屋、
    日記帳、算盤が恋を語る話、幽霊、盗難、白昼夢、
    指環、夢遊病者の死、百面相役者、屋根裏の散歩者、
    一人二役、疑惑、人間椅子、接吻

  • 基本的に短編は苦手なので(先がわかってしまうから。)
    全部読むのには根気がいりましたが、何とか読了。

    『人間椅子』は既読だったのですが、それでもやっぱり良い!!!
    天下の名探偵、明智小五郎の登場のお話も読めて良かったです♪

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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