森のなかの海(上) (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334737405

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず宮本輝の本は、季節も、景色も、味も、香りも、全てを共に体感する事ができる。
    終始落ち着いて共に考えながら読み進める。
    それなりにストーリーは動くし、登場人物も今回は多めだが、なんだか静かなんだよなー。
    音は自然が奏でるものだけ。
    私は何をする時にも音楽をかけるタイプだが、宮本輝の本にはそれは邪魔になる。
    下巻も雪が積もる音だけを聞く様に読み進めよう。

  • 宮本輝の長編小説。
    阪神淡路大震災で奇跡的に無事だった希美子が、離婚し、息子と震災孤児たちと森の中で生活を始める。
    人の縁と、その人が本来持っている人間性といったことを考えさせられる。
    下巻が気になる。

  • 内容の紹介文を読んだ時点でワクワクしながら読み始めて前半はページはめくる手が止まらず読書の世界に浸りきりました。後半、7人の娘が森に転がりこんだあたりからちょっと中だるみのような気がして…展開が早いのでラストまで下巻もこのまま読みすすめたい!

  • ドンドンと読み進めてしまわせる作者の筆力は相変わらずだと思います。ただ、登場人物が多すぎて、ボヤけた感じがします。それと、震災以降、少し説教臭さが鼻につきます。下巻にどのように続いていくのか楽しみです。

  • 下巻にて

  • やっぱいいよぉー、宮本輝は。
    キレイな文章に、キレイな関西弁、飽きさせないストーリー展開に、なんといっても魅力的な登場人物。どれをとっても上質な大人の小説って感じするわ。


    舞台は多くの人が犠牲となった阪神大震災直後。
    震災から命からがら逃げ延びた主人公を待っていたのは、夫の浮気による離婚。それを機に大きく人生が変わろうとしている主人公が力強く生き、周囲の力を得ながら自分のなすべきことを見つけていく様子が描かれています。

    読んでて気持ちがよくなる小説で、この勢いで一気に下巻を読んでしまいます。

  • 最初はただの離婚話で、どーした?てなったけど、結局読ませるよね〜宮本輝

  • まだ上巻ですが、面白くって一気に読み終わってしまいました。

    出だしこそ阪神淡路大震災の被害状況のあまりのむごさに、ちょっと読む手がとまりかけたのですが、夫と姑の不実から離婚へ、ひょんなことから奥飛騨の山荘に住むことになり…と、どんどん先が気になってしまいます。

    冷静に考えると、ちょっとした知り合い程度の老婦人からいきなり広大な土地と山荘を譲り受けるなんてことはないでしょうし、その後の展開も主人公がというよりも、主人公の父が資産家で博学で懐の大きな人であることが大きなポイントとなっており、そこまで恵まれた人というのもあまりいないとは思います。

    でも、震災の後、まだ家に閉じ込められている人が近所にたくさんいるなかで、それを見捨てて自分達だけが知り合いを訪ねて西宮から大阪に向かったことをずっと気にしていた希美子が、裏のアパートに住んでいた三姉妹が奇跡的に生き残ったが引き取る人がいないと聞いて、自分の家に迎え入れようとする気持ちはわかる。
    その後まだまだ同居人が増えていくのにはびっくりしたけれど。

    これは希美子の再生の話なのか、それとも遺産をくれた毛利カナ江のミステリアスな人生の謎を追う話なのか、はたまた身寄りのない少女たちの成長物語なのか。
    テーマが多すぎて先が読めないけれど、とにかく続きが気になってぐいぐい読める。
    満足、満足。

  • 阪神大震災が絡んではいるがあまり関係ないかな? 多くの遺産をタダで他人に渡した女性の謎が解き明かされていく話。

  • まずは前半読了。

    初めは鬱々とした話題が多く、読むのも辛かったが、森での暮らしが始まってからは少しずつ引き込まれた。

    カナ江さんのミステリー要素も今後楽しみなところ。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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