やさしすぎる悪魔 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334737948

感想・レビュー・書評

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  • 前回読んだ、「吸血鬼はお年頃」シリーズに続き、今度は、「悪魔」シリーズにしようと思い、近所の図書館に行ったが、あったのは二冊のみ(これと、次作の納骨堂)で、今回選んだ本書は、シリーズ六作目にあたります。

    ちなみに、当時連載されていたのが、「サスペリアミステリー」という、少女漫画雑誌で、このシリーズがユーモアミステリーで、やや現実離れした娯楽性の強い展開なのも、若い方をターゲットにしているからだと思われます。

    まあ、現実離れといっても、赤川さんの場合は、ある程度読めば、こんなもんだと気にならなくなるので(「セーラー服と機関銃」の設定しかり)、却って、気兼ねなく楽しみたい時には、これが爽やかな読後感を生むわけです。
    もちろん、きちんと大切なことも教えてくれるわけですが。

    悪魔シリーズは、花園学園高校二年生の、いわゆる「名物三人娘」が様々な事件に遭遇するのが、メインで、その三人娘とプラス一人をざっと紹介すると、

    矢吹由利子
    姉御肌で、度胸満点。大らかな性格だが、自ら主人公であることを意識しているせいか、親友の言葉を皮肉と感じとってしまう、繊細な一面も。

    弘野香子
    家が桁外れの大金持ちで、半年、年上の由利子を「お姉様」と呼ぶ、文武両道のお嬢様。

    桑田旭子
    役者志望で、演技力の高さに定評のある、人情家。

    矢吹真由子
    由利子の妹。本人は三人娘ならぬ四人娘だと思っている、おしゃまな十四歳。

    彼女たち四人が遭遇する、今回の事件も様々な危険に満ちているが(刑事ドラマ顔負け)、すっかり慣れている(!?)彼女たちにとっては、なんとか切り抜けつつ、大抵は香子の活躍で解決に近づくことが多い中、今回は意外にもその香子がまさかの判断ミスか!?

    といった、これまでのシリーズとはまた違う面白さがあり、久々に読んだが、思いのほか、当時とは異なる発見が多くて楽しかったです。
    また、真由子の活躍が、より多いのもポイントです(ついでに書くと、由利子と真由子の熱い姉妹愛も感動的)。

    また、悪魔シリーズの「悪魔」は、犯人のことを暗示しているように感じられ、本書の犯人の、「やさしすぎる」という言葉には、考えさせられるものがあり・・・香子の、「人生に正解も間違いもないのに」という言葉が的を射ており、たった一つの道に固執することの怖さを、若い方へのメッセージとして、赤川さんが提示しているように感じられました。

    それから、もう一つ、私が印象的だったことは、
    「身なりや外見をきちんとすることで、気持も変わる」という言葉に、救われた人がいたこと。

    更には、
    「それをよく知っているのは、私たち女の子です」
    という、この素敵な台詞!

    赤川次郎さんは、何故、こんなに女の子の気持ちが分かるのでしょう?

  • 久しぶりに読んだんですが、サクサク読めて面白かったです。名物高校生3人組弘野香子、矢吹由利子、桑田旭子が事件を解決する。今回は、香子の別荘の管理人千恵の姿が消えた。土の中から見つかった彼女は刺されていたが命をとりとめたが、次々と彼女を狙う魔の手が迫る。香子の落ち着いた判断力には関心します。そして、ミスをしても責めない。大人になったらすごいやり手になると思います。しかし、宗教では無かったが教祖のような存在になった彼女が命令すれば殺人もやるとは本当に怖いです。

  • 高校生の3人組うち一人はリッチなお嬢様という変わった設定。3人は事件に巻き込まれながらも高級フレンチを食べながら事件について話し合う。香子の別荘管理人が殺された。それは謎の組織の仕業らしい。3人は高校生らしからぬ行動力で事件を解明に導く。今回も楽しく読めました。こんなに危ないことは普通の女子高生には無理かなぁ。

  • 勧められて読み、本が好きになったきっかけの大切な一作。
    シリーズ化しているが、比較的どこから読んでも楽しめる!

  • 2016.8.1(月)¥150(-2割引き)+税。
    2016.8.5(金)。

  • 週末の軽井沢。花園学園高校二年の名物三人組・由利子、旭子、香子、プラス由利子の妹・真由子の四人は、香子の家の別荘を訪れた。が、管理人の千恵の姿が見えない。なんと、彼女は胸を刺され、庭に埋められていた!幸い命をとりとめた千恵だったが、入院先の病院に殺し屋が!執拗につけ狙う犯人の正体は!?女子高生探偵たちが活躍する人気シリーズ第六弾。

  • 休憩本。
    赤川さんの本はスラスラと読める。

    難しい本を読むとき、気分転換になるので
    あいだあいだに読んでいます。

    今回もお世話になりました。

  • 由利子、旭子、香子の3人組と,
    由利子の妹の真由子で繰り広げるどたばた悲劇(喜劇)。

    3人組のお葬式の際の,真由子の行動が不明。

    解決の糸口はどこにあるのだろう。
    犯人側の分裂の根拠がちょっと希薄。

    話の展開は面白いが,人間の感情の機微がおおざっぱな気がしました。

  • 三姉妹探偵団と感じが似ている。
    でも、面白い。

  • 犯人の動機とタイトルにあまり共感できなかったなぁ…

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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