いつでも夢を (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334738563

感想・レビュー・書評

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  • 心優しい人たちが集まった、なんとも穏やかな世界よ。衆人環視はちょっとやだけど、私も誰かの心を照らす光になりたい。

  • 辻内作品は重厚な文体では無いので非常に読み易く、子供から大人まで十分楽しめる。そしてその愛溢れるメッセージ性の高い物語についついホロリとしてしまうのだ。この作品もしかり。心の病んだ孤独な女の子に中年貧乏小説家が『心の薬』になるというお話はひたすら優しさとは?を考えさせられる。惚けてるのか悟ってるのか良く分からない小説家、心に傷を持つヤクザ、人情味溢れる元警官夫婦と各キャラも際立ち物語に彩りを添えている。誰しもがきっとコミカルな純愛映画として頭の中で映像化されるだろう。

  • 学校の先生が貸してくれた。人から借りると、その人の好みが分かって面白い。

  • 『セイジ』を読んだ時も思ったけど、頭の中で、映像が浮かびやすい。
    シンプルなんだけど、その分登場人物の心情に入り込みやすい。

    最後はずいぶん無理やりだったけどww
    面白かったです。

  • 久しぶりに恥ずかしくならない純愛小説を読んだ。
    登場する男どもが実にかっこいい!特に、人生という言葉から「虹」を連想するジローの器の大きさと懐の深さに憧れる。
    そして、愛する女性から「わたし、うまれてきて、よかった」って言われるなんて男冥利の極みである。

  • 週末に再読しました。この本も良いです。良い話を読みたいと思った時、せひ一読を。ほっこりしますよ。同名の歌も良いですよね。

  • 再読

    コーフクを喰らう時には、かなしみも喰らえ。
    たのしさを喰らう時には、さみしさも喰らえ。
    同(ひと)つものとしてあるものを、同つものとして、ちゃんと喰らえ。
    コーフクばかり、たのしさばかり食いちらかして、うち捨てられたかなしみ の山が、澱んで、腐って、膿んじまって、そのあまりの腐臭に驚いて、あわてて皆で間に合わせのフタばかり、かぶせている。
    皆さんは、そういう馬鹿だ。
    そして俺は、そのフタづくりに参加する気もない、もう一つの馬鹿だ。

    わたしもフタづくりをする気のない大馬鹿です・・。

  • この間映画を観に行った時にようやっと見つけた辻内智貴さんの本を読了。
    まとめて3冊買ってきてしまった。
    そのうちの1冊。

    僕は聴いたことが無いんだけれど、元々この方はミュージシャンだそうで、作品中にもよくミュージシャン志望の人とかが出てくる。
    今回の主人公もそう。

    お話としては、ありそうでいて無さそうな、それでもやっぱりありそうな日常のお話。
    まだ『青空のルーレット』と『ラストシネマ』の3冊しか読んでいないけれど、基本的には「出来事」よりも「人間」を描く人なんだと思う。

    出てくる登場人物達は、良い人と悪い人が両極端。
    主人公の周りの人達はこれ以上無いくらいに良い人揃い。
    その人達が、主人公を優しく見守ると共に守っている。
    だから、どんなに悪い人が出てこようとも、なんだかほんわかしたお話になる。

    作家としてスタートした人ではないからなのか、言葉の使い方が面白い。
    定型に捕らわれていない感じで、「あぁ、この言葉の方が状況とか心情が伝わってくるなぁ」っていう部分がたくさん。
    だからなのか、読んでいるだけで泣きそうになってしまったり、あとからその言葉だけを何度も読み返してしまったりする。

    2009年に読んだ本の中で、僕のベスト1は『青空のルーレット』。
    この中の言葉は、ここ数年でもピカイチだった。

    よい意味で軽い文体の小説を書く方なので、読むのは比較的楽。
    優しい気持ちになりたい時には良い本だと思う。

  •  この人の話を読むと、世の中悪い人なんていないんじゃないか、という暖かい気持ちになる。
     常識ではこんなことありえないとは理性はわかってます。でも、理性とは関係のない自分はこんな素敵な出来事を信じてる。
     辻内さんのハッピーエンドはいつも心地良いです。むずむずしないハッピーエンド。

  • 客観的に見れば、優れた作品では無いかもしれない。でも何故かグッと来てしまう本があるものです。
    50を過ぎたオジサンが「良かった〜」と言うのは気恥ずかしいような純愛御伽噺(ちなみに単行本のサブタイトルが「TOKYOオトギバナシ 」です)。
    だから、人には薦めません。

    ミュージシャン崩れで人が良いばかりで売れない四十歳の小説家と、心に大きな傷を持つ二十歳の娘の純愛ですからね。さらにそれを取り巻くのが「親父」と呼ばれる退職刑事とその気の良い奥さん、さらに子供の頃に妹を亡くしてしまった孤児上がりのヤクザ。
    ある意味ありふれた設定だし、クサいようなところもあるのですが、辻内さんらしい優しさの表し方と、ちょっとしたオチによって心地良い笑いが浮かんだりするのです。

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