首断ち六地蔵: 本格推理小説 (光文社文庫 か 39-1)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334739232

感想・レビュー・書評

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  • 霞流一作品はどうやら肌に合う。本作で確定した。バカミスで本格ミステリ。最高ではないか。
    「地獄院長は燃えた」
    密室ネタ。こういう力技な趣向のトリックは大好物である。
    「餓鬼の使いは帰らない」
    大鍋でグツグツされた婆という奇怪な事件。多重解決・誘拐・消去法的な犯人像。素晴らしい。
    「畜生は桜樹に散る」
    バカトリックで大笑い。無謀すぎるもののオマージュでもある。
    「修羅の首が笑った」
    ミスリードの巧さが光る。この首無トリックは案外目から鱗。
    「人の死に行く道は」
    設定からむちゃくちゃながら、伏線が堪らなく好き。なんちゅうトリック…
    「奈落の底の底」
    ここまで期待値が上がると、真相が一部見えやすいきらいがあるのだが、それでもとてつもない。おふざけすら伏線にして、多重解決の重要性が全面に押し出される。圧倒的展開に震えて、ポカンとなろうぜ!!

    読者を驚かせようという作者の魂胆。単純に構成が素晴らしく、快作です。
    2018年は幸先いいミステリスタート。

  •  六体の地蔵の首が何者かに切断された。 捜査員魚間岳士と住職の風峰は首の行方を追い始めるが、発見された地蔵の首の近くには意味深な死体があるのだった・・・。

     霞流一の連作短編集。 成程これはバカミスに片足を突っ込んでいるかもしれない。 魚間と刑事たちによる多重解決が見物で大胆な推理の連続はバカらしいながら本格推理の妙を持っている。

  • 2021/10/14

  • 第六章までは正直退屈だったけど、最終章は楽しく読めました。雰囲気もそれまでと変わって面白かったです。この作者は初めて読みましたが、こういう作風なのかな。

  • もっと徹底してバカミスかと思いきや
    表紙通りの『本格推理』もの?だった…。
    荒唐無稽のトリックを惜しげもなく使い、
    宗教絡みの見立てを組み入れた意欲作で
    はあるが、如何せんキャラクターの個性
    があまり感じられないのが残念。

  • 6編+おまけの7編からなる連作ミステリです。どの短編も、推理が披露されては反証を挙げられて破棄を繰り返した末に真相に辿り着くという『毒入りチョコレート事件』と同じ構成です。各推理とも荒唐無稽で馬鹿馬鹿ししいものばかりですが、本格ミステリーの要素を贅沢に詰め込んでいるので魅力的です。本格ファンには嬉しい一冊だと思います。
    第7首で訪れるカタストロフは、残念ながら先例があるのであまり驚けませんでしたが、綺麗に決まっていると思います。

  • 霞さんは、バカミスですよね。

  • 連作短編集。荒唐無稽なノリが面白かった。ワトソン2人に探偵1人。途中のベタな展開、会話の応酬、ギャグなどがどれも深夜ドラマのクオリティ。ワトソン役がこれでもかと次々に提示する外した推理も楽しい。こういうの割と好き。
    途中、ちょっとイマイチかな?とも思ってましたが、最後にぐっと盛り上げてくれました。

  • 元々月刊誌の連載を一冊にまとめたものなので、
    各章の冒頭の登場人物の紹介がうっとうしかった。
    主人公と警部の推理合戦もなんだかなぁ。
    最後に盛り返したので★3つです。

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著者プロフィール

1959年岡山県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。映画会社に勤めながら、94年に『おなじ墓のムジナ』で第14回横溝正史ミステリー大賞に佳作入選し、作家デビュー。主な著作に『パズラクション』(原書房)『死写室 映画探偵・紅門福助の事件簿』(講談社)など。

「2023年 『エフェクトラ 紅門福助最厄の事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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