虚構大学 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 38
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740030

感想・レビュー・書評

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  • 社会派小説としても非常に面白く、なおかつ大学の設置認可経験者によっては、読んでいて身を熱くする話であろう。新任職員の読書推薦本として挙げても良いのかもしれない。

  • 京都産業大学をモデルにした、総合大学の新設に奮闘する男の物語。

    祖国愛を教える理想的な大学を作ろうという夢を抱く大学講師の深間良樹が、鳥取で私立高校を設立した実績のある千田孝志に協力を求めるところから物語はスタートする。深間の直情的な性格に戸惑いながらも大学設立に向けて準備を進める千田の前に、さまざまな問題が立ちはだかる。大学の建設用地の確保や資金調達は思うようにいかず、深間が学長として担ぎ出した物理学者の天野恒道は酒乱の老人で、千田たちは彼の言動に振り回されることに。

    やがて深間は、天野との仲たがいが原因で去ってゆくことになる。他方、最初は乗り気ではなかったはずの千田は、自分の力を試す新たな場を求めるように、大学設立の運動にのめり込んでゆく。

    そんな中で、千田は大学人の醜態を見せつけられたり、千田の尽力でようやく大学が設立できる目途が立つと、今度は地位や名誉を求める人間が割り込んできたりといったトラブルに見舞われ、苦渋を味わう。やがて軌道に乗り始めるであろう大学の船出を前にして、千田はしだいに妻との落ち着いた生活が何よりも大切なものに思えてくるようになる。

    主人公をはじめ、魅力的な人物も多数登場するが、彼らの心を描くことよりも物語のテンポの良さに著者の努力が注がれているように思う。官庁や財界人とのやり取りなど、あまりなじみのない話題が出てきても、テンポの良さに引っ張られてスラスラと気持ちよく読むことができた。

  • 大学の開学までの過程が興味深く、面白かった。

  • 京都産業大学設立をモデルにした小説

    常に理性的で、良識人であろうとすると、無遠慮で自己中心的な人間に努力の成果を奪われてしまうということか。

  • /?day=20060123

  • 新設大学の創設に関わる大学教授ら関係者の本音と建前が随所に見え隠れしていて面白く読めました。権威者の半分は案外出世欲の塊なのかも。

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