酒肴酒 (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740276

感想・レビュー・書評

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  • 古い新しい関係なければ今年読んだ本の中で一番面白かった(断言)。酒飲みエッセイの大傑作。気持ちいいほどの食べっぷり飲みっぷり、酒豪にして健啖家。酒の美味しさが文章がから伝わる。1912年生まれにしてグローバルな教養人なのでワインを語りフレンチを語る、日本各地を旅し美味を食べながら朝から酒を飲む。最高ですね。それだけ飲めば二日酔いにもなるわけだが、二日酔いだから朝からまた酒を飲む、二日酔いの時には鰻が食べたくなったり「二日酔いの朝には食べものの夢に悩まされるのである。」さすがである。
    金持ちの道楽のようには聞こえないのが真の酒飲みというか、「誰でもが飲めるから酒なので、金持は別だというのならば、金持は人間ではない。」ユーモアもたっぷり。
    一気に読むのはもったいないので旅行などの時に、名酒を飲むよう少しずつ嗜んでいた(読んでいた)。何度となく旅や酒の友としたい。

  • 各地のおいしいもの紀行、おいしいもの随想、おいしいもの小説、と、400ページを超える分厚さだが徐々に景色が変わって飽きさせない。とはいってもこういう生きる楽しみについてにょろにょろした文体で書かれた本をせわしない日常で読んでしまうのはもったいなくて、行楽旅行のときだけ読んでいたから、買ってから読み終わるまで3年もかかってしまったのだった。

    お酒は特別なときだけ、頼むのは1合まで、と決めているので、吉田健一のように朝から翌朝まで呑むわけにはいかないのだけれど、気分よくぼんやりするための吉田健一的覚悟というものがありただダラダラ酔っぱらうわけにはいかないようだ。最終的にはきちんと働こうという気にさせる点で稀有なグルメ本だった。

  • 気長に、日曜日の昼とか、なんかのんびりお昼が食べられる時に読むととても心地よい。
    シエスタ。

  • 食べ物エッセイの大傑作。
    海外長期出張の際は必ず持っていく。
    もう何度読み返したことか・・

  • 吉田健一は、吉田茂の息子で、食べ物の随筆が絶品だということ意外は知りません。
    あちこちの美味しいものを、自分の言葉でつづっているのが見事だと思います。
    改めて、今の世の中は情報があふれているんだなぁと思いますね。
    自分の足で探さなくても、すぐに美味しい店にたどりつくことができる。知ったかぶりも簡単にできますし。

  • 大正時代に書かれた文章中に紹介されていた店で、今も営業しているところがあると知り、機会があればぜひ訪れてみたいものだと思った。

  • 晦渋な文章みたいな触れ込みでしたが、別にどうってことはないかなと思いました。確かにしつこいかもとは感じつつ。
    さておきやっぱこれは金持ちにしか書けないものですな。品があって酒と食べ物が美味く思えてくるのは間違いないけど、羨ましいとか憧れは全然感じない。
    違う世界の言わば御伽噺の世界ですな。

  • 後の内閣総理大臣・吉田茂の長男として生まれ、幼少期を父の赴任にともない、中国、フランス、イギリス等で過ごし18才にはケンブリッジ大学入学。これ程のエリートの語る食の奥深いエッセイ集。氏の知識量の豊富さと見識の深さに感動。

  • 【50/10000】
    『酒肴酒』吉田健一

    『酒肴酒』『続・酒肴酒』を一本にして復刊したエッセイ集。「味覚などというのはどうでもいいことであって、それよりもうまいものが口に入り、喉を通って、腹が段々膨れて来る感じが何ともいえないのである」という一節の通り、いわゆる食通エッセイではなく、健啖家が食いたいだけ食べ飲みたいだけ飲む。その勝手気ままな感じがフリースタイルの長い文体と合っている。
    吉田茂の息子である作者は、外交官時代の吉田の駐在にあわせ、中国やフランス、イギリスを巡っていることから、変ったもの、うまいものをかなり食べており、ワールドワイドな食いしん坊万歳、といったおもむき。うんちくもあるのだが嫌みもなく、ともかく何か食べたくなる気にさせる。もっと他のも読みたい。

  • まだ途中だけど、美味しいものの想像が膨らんで心が豊かになる。自由な気持ちにさせてくれる。

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著者プロフィール

1950年生まれ
出生地 和歌山県東牟婁郡串本町大島
大阪芸術大学卒業
投稿詩誌等:大学同人誌「尖峰」「詩芸術」「PANDORA」
      わかやま詩人会議「青い風」

「2022年 『砂宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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